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ホーム > 研究の推進 > 人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針に基づく研究実施の情報公開 > 倫理・利益相反委員会受付番号No.1485-2

倫理・利益相反委員会受付番号No.1485-2

「VSRADを用いた認知症高齢者の海馬傍回の萎縮度と手指機能の関連性の検証(倫理・利益相反委員会受付番号No.1485-2)」:人を対象とする生命科学・医学系研究実施についてのお知らせ

 

 国立長寿医療研究センター リハビリテーション科部では、下記の人を対象とする生命科学・医学系研究を実施しております。
 本研究は、通常の診療で得られた情報(電子カルテなど)から必要な情報を取り出し、まとめることによって行われるものです。
 このような研究は、厚生労働省・文部科学省・経済産業省共管の「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」の規定により、対象となる患者さんのお一人ずつから直接ご同意をいただかずに実施することができますが、研究内容の情報を公開することが必要とされています。このお知らせをもって研究内容の情報公開とさせていただきますので、ご理解いただけますようお願いいたします。
 本研究に関するお問い合わせなどがございましたら、下記の「本研究に関するお問い合わせ先」までご連絡いただけますようお願いいたします。

2022年1月13日

1.研究課題名

「VSRADを用いた認知症高齢者の海馬傍回の萎縮度と手指機能の関連性の検証」
(倫理・利益相反委員会受付番号No.1485-2)

本研究課題については、国立長寿医療研究センター倫理・利益相反委員会による倫理審査を経て、国立長寿医療研究センター理事長の実施許可を受けております。

2.研究機関の名称および研究責任者の氏名(部署名)

近藤 和泉 (国立長寿医療研究センター リハビリテーション科部 部長)

3.研究分担者名(部署名)

大沢 愛子(国立長寿医療研究センター リハビリテーション科部 医長)
鈴村 彰太(国立長寿医療研究センター リハビリテーション科部  外来研究員)
長濵 大志(国立長寿医療研究センター リハビリテーション科部 作業療法主任)
杉岡 純平(国立長寿医療研究センター リハビリテーション科部 作業療法士)
前田 夏海(国立長寿医療研究センター リハビリテーション科部 作業療法士)
白本 健太(国立長寿医療研究センター リハビリテーション科部 作業療法士)
久野 克己(国立長寿医療研究センター リハビリテーション科部 作業療法士)
木塚 汐里(国立長寿医療研究センター リハビリテーション科部 作業療法士)
櫻井 圭太(国立長寿医療研究センター 放射線診療科 医長)
水口 寛彦(マクセル株式会社 光エレクトロニクス事業本部 ヘルスケアシステムプロジェクト 主任技師)
黒田 詩織(マクセル株式会社 光エレクトロニクス事業本部 ヘルスケアシステムプロジェクト)

4.本研究の意義、目的

本邦では、2025年に75歳以上の割合が全人口の18%、2060年には65歳以上の割合が全人口の約40%になると推計されています。認知症患者の推計では、2025年には約700万人前後になり、今後も増加すると予測されています。
最近では、軽度認知障害(MCI)を含む認知症の初期段階から、健常高齢者よりも指タッピング運動(親指と人差し指を叩く運動)で有意に低下したと報告があり、初期段階から運動機能障害を呈する可能性があります。
そこでわれわれは、脳の病理学的な変化を、巧緻性(指先の器用さ)を要する手指運動で早期の段階からとらえられるのではないかと考え、手指の運動機能計測装置に着目した研究を進めています(倫理・利益相反委員会受付番号No.623-9)。
認知症の早期診断には、脳脊髄液中のアミロイドβなどのバイオマーカー(病気の変化をとらえる指標)やMRI(磁石や電波を使用した検査)、SPECT(脳血流を調べる検査)、FDG-PET(ブドウ糖の代謝を調べる検査)などの検査が知られています。
また、脳画像解析の方法には、SPM(脳の中の関係が強い領域を調べる検査)といったものがあります。近年では、VSRAD(海馬の萎縮の程度を調べる検査)なども有用性が報告されています。VSRADはMRI装置で得られた脳画像情報をコンピュータ処理し診断支援情報を提供するもので、関心領域(内側側頭部)における萎縮度等の情報を提供するプログラムです。現在、指タップ運動と脳画像との関連を検討した研究はありません。
よって本研究の目的は、アルツハイマー病を早期に発見する一つの手段として、このような手指の運動計測と脳画像解析(VSRADとSPM)との関連を検討することです。

5.本研究に使用する情報

手指の運動計測による認知症の早期発見に関する研究(倫理・利益相反委員会受付番号No.623-9)で計測したデータおよびもの忘れ外来診療にて実施されたMRI測定の結果を使用いたします。

6.本研究の方法

指タップ研究(倫理・利益相反委員会受付番号No.623-9)で計測したデータと、もの忘れ外来診療にて実施されたMRI測定の結果を用いて、関連性を分析いたします。

7.研究期間

2022年12月1日 ~ 2024年3月31日

8.対象となる患者さん・研究対象者として選定された理由

対象は、手指運動計測結果を含めた分析となるため、手指の運動計測による認知症の早期発見に関する研究(倫理・利益相反委員会受付番号No.623-9)で対象とさせて頂いた方を選定いたしました。

9.研究対象者に生じる負担並びに予測されるリスクおよび利益

既存の診療情報の利用のみであり、プライバシーの保護についても十分に配慮されるため、新たに発生する不利益および危険性は想定されません。また、対象者個人に対する直接の利益も想定されません。

10.研究実施について同意しないことおよび同意を撤回することの自由について

ご自身の診療情報が、本課題に利用されることにご同意いただけない場合には、研究に使用する情報からあなたにかかる情報を削除いたしますので、下部に記載されているお問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。研究期間の途中であっても構いません。また、情報の削除依頼をしたことにより、不利益な取扱いを受けることはございません。ただし、ご連絡をいただいた時点で、学会や論文等ですでに研究結果が公開されている場合などには、解析結果を削除できないことがあります。

11.本研究に関する情報公開の方法

この掲示により、研究に関する情報公開といたします。研究結果の公開については、ホームページ掲載にて行う予定であります。

12.研究計画書等の閲覧について

他の研究対象者等の個人情報等の保護並びに本研究の独創性の確保に支障がない範囲内で研究計画書および研究の方法に関する資料を閲覧することができます。閲覧を希望される場合には、下部に記載されているお問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。

13.他機関への情報提供

共同研究機関であるマクセル株式会社とデータを共有しますが、データ提供の際は、氏名・生年月日などの個人を特定できる情報は提供しません。

14.個人情報等の取扱い(匿名化する場合にはその方法を含む。)

この研究では、手指の運動計測による認知症の早期発見に関する研究(倫理・利益相反委員会受付番号No.623-9)で計測したデータと、電子カルテより上記5.の診療情報を抽出して使用いたしますが、抽出データに残されている患者ID番号についても、患者ID番号とは別の新たな符号・番号に置き換えた上で保管し、研究に使用いたします。患者ID番号と置き換えた符号・番号との対応表は、研究に使用する抽出データとは別にされ、当センター内にて厳重に保管されます。また、研究成果は学会や論文として発表されますが、その際にも患者さんを特定できるような内容を含むことはございません。

15.試料・情報の保管および廃棄の方法

この研究で得られた情報は、国立長寿医療研究センターのリハビリテーション科部にて適切に保管いたします。また、得られた情報は、本研究の目的以外には使用いたしません。氏名などの個人情報が記載されている評価結果は、当センターの研究に関する資料の保存に関する細則に準じて、紙および電子データで当センターのリハビリテーション科部内で厳重に保管し、論文等の発表後10年間保存します。また、研究結果の解析終了後、電子データは消去ツールの使用により削除し、紙データはシュレッダーで裁断後、判読不能な状態で廃棄いたします。

16.研究の資金源等、研究機関の研究に係る利益相反および個人の収益等、研究者等の研究に係る利益相反に関する状況

この研究は、当センターとマクセル株式会社との共同研究として行われます。マクセル株式会社から研究資金の提供を受けますが、利益相反に該当する事項はありません。

17.研究対象者等およびその関係者からの相談等への対応

研究全般に関する相談があった場合は、研究代表者である近藤和泉が対応します。

本研究に関するお問い合わせ先

国立研究開発法人国立長寿医療研究センター
リハビリテーション科部 部長 近藤和泉

〒474-8511 愛知県大府市森岡町七丁目430番地

電話:0562-46-2311(代表)