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倫理・利益相反委員会受付番号No.1482

「潜在疾患マーカー同定による新規創薬基盤技術のフィージビリティ研究(倫理・利益相反委員会受付番号No.1482)」:人を対象とする医学系研究実施についてのお知らせ

 国立長寿医療研究センター メディカルゲノムセンターでは、以下の人を対象とする医学系研究を実施しております。
 この研究は、国立長寿医療研究センターバイオバンクから分譲を受けた試料・情報を用いて解析を行うものです。
 国立長寿医療研究センターバイオバンクではお預かりした試料・情報の利用にかかる包括的同意をいただいているため、このような研究は、厚生労働省・文部科学省の「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」の規定により、対象となる試料提供者様のお一人ずつから直接ご同意をいただかずに実施することができますが、研究内容の情報を公開することが必要とされています。このお知らせをもって研究内容の情報公開とさせていただきますので、ご理解いただけますようお願いいたします。
 この研究に関するお問い合わせなどがございましたら、下記の「17.この研究に関するお問い合わせ先」までご連絡いただけますようお願いいたします。

2020年11月10日

  1. 研究課題名
    「潜在疾患マーカー同定による新規創薬基盤技術のフィージビリティ研究」
    (倫理・利益相反委員会受付番号No.1482)
    この研究課題については、国立長寿医療研究センター倫理・利益相反委員会による倫理審査を経て、国立長寿医療研究センター理事長の実施許可を受けております。
  2. 研究機関の名称及び研究責任者の氏名(部署名)
    研究責任者
     新飯田 俊平(国立長寿医療研究センター 研究所・メディカルゲノムセンター)
    研究代表者
     夏目 徹 (国立研究開発法人産業技術総合研究所)
  3. 研究分担者名(部署名)
    国立長寿医療研究センター
    徳田 治彦(メディカルゲノムセンター)
    尾崎 浩一(メディカルゲノムセンター)
    渡辺 研(メディカルゲノムセンター)
    伊藤 健吾(認知症先進医療開発センター)
    中村 昭範(認知症先進医療開発センター)
    加藤 隆司(病院・認知症先進医療開発センター)

    大竹 健太郎(武田薬品工業株式会社)
    伊井 雅幸 (アクセリード・ドラッグディスカバリー・パートナーズ株式会社)
    徳岡 涼美 (東京大学大学院医学系研究科)
    小川 武利 (第一三共株式会社)
    石田 学 (株式会社ERISA)
    瀬々 潤 (株式会社ヒューマノーム研究所)
    中江 裕樹 (特定非営利活動法人バイオ計測技術コンソーシアム)
  4. 当該研究の意義、目的
    中枢神経系疾患に対する創薬は社会的に非常に重要な課題であるにも関わらず、一般に中間表現型と呼ばれている、疾患の背景に潜む創薬に利用することができる本質的な異常を定量的に表すバイオマーカーが確立されていないことから困難な状態となっています。それを解決するためには、特に中枢神経系疾患の場合、症状が出てからでは治療が困難であるため、病気の前段階の身体の状態を表す潜在疾患マーカーが必要であり、潜在患者群の顕在化・層別化を創薬の基点とする必要があります。現在、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)次世代治療・診断実現のための創薬基盤技術開発事業 「患者層別化マーカー探索技術の開発/潜在疾患マーカー同定による新規創薬基盤技術の フィージビリティ研究」において、血中バイオマーカーの探索及び同定に関わるフィージビリティ研究を実施しており(代表:産業技術総合研究所、細胞分子工学研究部門、夏目徹)、本研究では、これら中枢神経系疾患の新たな創薬モデルを実現する要素となる、新規潜在疾患マーカーの同定手法、標準化された潜在疾患マーカー測定手法、データの統合的解釈手法の妥当性評価を実施し、そしてその解析結果を踏まえて、これらの技術で構成される新たな創薬基盤が実施可能であるかどうかを検証します。
  5. 研究に使用する情報
    MRI画像情報、性別、年齢、服薬、予後情報、採血日時・時間、遺伝子多型情報、生活習慣病(糖尿病、肥満、高脂血症、高血圧)、健康診断結果情報、アンケート情報、
    臨床病名, 教育年数, Barthel Index, IADL, Dementia Behavior Disturbance Scale (GDS), Vitality Index, ADAS, HDS-R, RCPM, FAB, Zarit 負担インタビュー, MNA, 生活習慣病, 身長,体重, BMI, 血圧, 聴力障害, 生活習慣病, 服薬歴(お薬手帳コピー), 飲酒, 喫煙, 髄液バイオマーカー(pTau, totalTau, Aβ40, Aβ42), VSRAD 海馬萎縮度,
    テキスト病名, ICD10, MEDIS, MMSEスコア, APOEフェノタイプ, 感染症(RPR, TPHA, HB, HCV), SNPタイピングデータ, Exomeデータ等
  6. 当該研究の方法
    国立研究開発法人国立長寿医療研究センターバイオバンク(NCGGバイオバンク)に保存されている、軽度認知症(MCI)(アルツハイマー病へと進行した進行性MCI 162例、複数年MCIの状態である非進行性MCI 100例)及び健常者(認知機能正常者の血液サンプル90例)計352サンプルの分譲を受け、それぞれについて、以下の解析を行います。(1)産業技術総合研究所及び東京大学において300種類を超えるタンパク質の解析を行います。(2)アクセリードドラッグディスカバリーパートナーズ株式会社(以下アクセリード)及び東京大学において代謝物の測定を行います。(3)武田薬品工業株式会社、ナノソミックス・ジャパン社、アクセリード及び東京大学で、血漿中に含まれる神経細胞由来エクソソームの単離及びタンパク質の解析を行います。(4)これらの結果を株式会社ヒューマノーム研究所において統合し、AI技術を駆使した解析により、血液中の分子情報及び診療情報との間において臨床的な属性(疾患の予後予測など)を判別するための分子マーカーの同定技術のバリデーションを行います。(5)第一三共株式会社及び、ERISA社ではNCGGより得られた軽度認知症患者MRI画像について、画像解析からの予後診断のバリデーションを行います。処理済のMRI情報はERISAが軽度認知障害の層別化に用いる他、ヒューマノーム研究所がマルチオミクス解析結果との突き合わせ解析を行います。産業技術総合研究所ではNCGGから受け取ったサンプル及び情報の保管、(1)〜(3)までの各実験機関への配布、研究の管理を行います。産業技術総合研究所及び参画機関は、匿名化後の診療情報のみを使用します。
  7. 研究期間
    2020年11月10日 ~ 2024年3月31日まで
  8. 対象となる方・研究対象者として選定された理由
    NCGGバイオバンクに登録された方で、認知症に関する診断ならびに認知機能についての検査を受けた方々を対象としております。
  9. 研究対象者に生じる負担並びに予測されるリスク及び利益
    国立長寿医療研究センターバイオバンクに収集されている既存の試料・情報を利用するのみであり、プライバシーの保護についても十分に配慮されるため、新たに発生する不利益並びに危険性は想定されません。また、対象者個人に対する直接の利益も想定されません。
  10. 研究実施について同意しないこと及び同意を撤回することの自由について
    ご自身の試料・情報が、当該課題に利用されることにご同意いただけない場合には、研究に使用する試料・情報からあなたにかかる試料・情報を削除いたしますので、(例では研究者の連絡先の書き方を示していますが、実際に作成される際には、削除依頼をバイオバンクで受けるか、研究者側で受けるかを調整し、決まった内容をお書きください。)17.に記載されているお問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。研究期間の途中であっても構いません。また、試料・情報の削除依頼をしたことにより、不利益な取扱いを受けることはございません。ただし、ご連絡をいただいた時点で、研究結果が学会や論文等で既に公開されている場合などには解析結果を削除できないことがあります。
  11. 研究に関する情報公開の方法
    本掲示により研究に関する情報公開といたします。研究結果の公開については(ホームページ掲載・学会発表・論文投稿など実際の方法を記入する)にて行う予定でおります。
  12. 研究計画書等の閲覧について
    他の研究対象者等の個人情報等の保護及び当該研究の独創性の確保に支障がない範囲内で研究計画書及び研究の方法に関する資料を閲覧することができます。閲覧を希望される場合には、17.に記載されているお問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。
  13. 個人情報等の取扱い(匿名化する場合にはその方法を含む。)
    この研究では、国立長寿医療研究センターバイオバンクより上記5.の試料・情報の分譲を受けて使用いたしますが、匿名化されたうえで研究者に提供されています。研究者に提供された試料・情報がどなたのものであるかが分かる対応表はバイオバンクのみが保有しており研究者に提示されることはありません。
    また、研究成果は学会や論文として発表されますが、その際にも研究対象者を特定できるような内容を含むことはございません。
  14. 試料・情報の保管及び廃棄の方法
    国立長寿医療研究センターバイオバンクより分譲された試料・情報については、研究期間終了後の保管期間期限は2025年3月31日までとします。当該期日までに、液性試料を使用した機関のうち、残余試料のある場合は、責任をもって期限内に試料を廃棄します。廃棄の方法は、試料をオートクレーブで不活化処理後、産業廃棄物として処分することとします。血液付随データおよびMRI画像は同時に破棄します。
  15. 研究の資金源等、研究機関の研究に係る利益相反及び個人の収益等、研究者等の研究に係る利益相反に関する状況
    本研究の資金源は、AMEDの事業の研究費であり公的資金を元に実施されます。また本研究には、上記3.および6.にありますように企業研究者が参画致しますが、国立研究開発法人国立長寿医療研究センター利益相反指針に則り、産学官連携活動の社会的信頼を保つために適切に対処されます。
  16. 研究対象者等及びその関係者からの相談等への対応
    当研究に関するご不明点などございましたら、17.に記載のお問い合わせ先までご連絡ください。
  17. この研究に関するお問い合わせ先
    試料・情報に関するお問い合わせ
     国立研究開発法人国立長寿医療研究センター メディカルゲノムセンター
     バイオバンク事業事務局
     伊藤 佐知代
     〒474-8511 愛知県大府市森岡町7-430
     TEL: 0562-46-2311(代表)

    研究全般に関するお問い合わせ
     国立研究開発法人産業技術総合研究所 細胞分子工学研究部門
     研究チーム長 足達 俊吾
     〒135-0064 東京都江東区青海2-4-7
     臨海副都心センター別館(バイオ・IT融合研究棟)2F
     TEL 03-3599-8110