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ホーム > 研究の推進 > 人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針に基づく研究実施の情報公開 > 倫理・利益相反委員会受付番号No.1460

倫理・利益相反委員会受付番号No.1460

「難聴高齢者における補聴器装用継続者の特性の把握(倫理・利益相反委員会受付番号No.1460)」:人を対象とする医学系研究実施についてのお知らせ

 国立長寿医療研究センター 耳鼻咽喉科部とリハビリテーション科部では、以下の人を対象とする医学系研究を実施しております。
 この研究は、通常の診療で得られた情報(カルテなど)から必要な情報を取り出し、まとめることによって行われるものです。
 このような研究は、厚生労働省・文部科学省の「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」の規定により、対象となる患者さんのお一人ずつから直接ご同意をいただかずに実施することができますが、研究内容の情報を公開することが必要とされています。
 このお知らせをもって研究内容の情報公開とさせていただきますので、ご理解いただきますようお願い申し上げます。
 この研究に関するお問い合わせなどがございましたら、下記の「17.この研究に関するお問い合わせ先」までご連絡いただきますようお願いいたします。

2020年11月10日

  1. 研究課題名
    「難聴高齢者における補聴器装用継続者の特性の把握」
    (倫理・利益相反委員会受付番号No.1460)
    この研究課題については、国立長寿医療研究センター倫理・利益相反委員会による倫理審査を経て、国立長寿医療研究センター理事長の実施許可を受けております。
  2. 研究機関の名称及び研究責任者の氏名(部署名)
    鈴木 宏和 (国立長寿医療研究センター 耳鼻咽喉科部 医長)
  3. 研究分担者名(部署名)
    下野 真理子 (国立長寿医療研究センター 耳鼻咽喉科部 医師)
    内田 育恵    (国立長寿医療研究センター 耳鼻咽喉科部 医師)
    杉浦 彩子    (国立長寿医療研究センター 耳鼻咽喉科部 医師)
    佐治 直樹    (国立長寿医療研究センター もの忘れセンター 副センター長)
    近藤 和泉    (国立長寿医療研究センター リハビリテーション科部 部長)
    浅井 恵里奈  (国立長寿医療研究センター リハビリテーション科部 言語聴覚士)
    木暮 杏奈    (国立長寿医療研究センター リハビリテーション科部 言語聴覚士)
    永坂 元臣    (国立長寿医療研究センター リハビリテーション科部 言語聴覚士)
    倉本 梨花    (国立長寿医療研究センター リハビリテーション科部 言語聴覚士)
    川村 皓生    (国立長寿医療研究センター リハビリテーション科部 理学療法主任)
  4. 当該研究の意義、目的
    難聴は老年症候群の中で発症頻度が高く、加齢によって誰にでも起こりえる疾患の一つです。加齢により起こる難聴でことばが聴き取りにくくなってコミュニケーションの妨げになるだけではなく、うつ病や認知症との関連も報告されています。特に、難聴と認知症については大変注目されています。難聴があると聴こえてくる情報が劣化したり、減少したりして、認知負荷の増加を招きます。そのため、他の認知過程に必要な容量を使い果たしてしまうことで認知機能の低下が引き起こされると考えられています。ですので、難聴によって起こる“聴き取りにくさ”を軽減することが認知機能に良い影響を与えると考えられています。しかし、リハビリテーションの現場では高齢難聴者が持っている補聴器がうまく使いこなせておらず聴覚障害への介入が不十分なことが多くみられます。また、補聴器を装用すれば聴こえがすぐに良くなる、高い補聴器を着ければよく聴こえるようになる、といった誤った認識がされています。補聴器を正しく、役に立つものとして活用するためには装用を開始する際に3~6か月の訓練と調整が必要と言われています。当センター補聴器外来では補聴器装用開始にあたって1カ月以上の試聴期間を設け、充分な訓練と調整に加えて音読等を用いたリハビリテーションも行っています。また、認知機能低下のある難聴高齢者へも積極的に補聴器試聴を行っています。補聴器外来では難聴高齢者に補聴器試聴を行いながら充分な訓練と調整を提供していますが、補聴器装用継続を決断し安定装用できる人と、装用継続に至らない人がいらっしゃいます。
    本研究の目的は当センター補聴器外来に受診された患者さんの聴力、きこえに関するアンケート調査、認知機能、言語機能、コミュニケーション機能、基本チェックリスト、補聴器適合検査結果などの診療情報を収集、解析し、難聴を主訴とする患者さんの補聴器開始期の特性を把握し、補聴器継続の可否に関与する因子を明らかにして、今後の訓練と調整の質の向上に繋げていくことです。
  5. 研究に使用する情報
    この研究は、通常の診療で得られた情報(カルテなど)から必要な情報を使用します。当センター耳鼻咽喉科部の補聴器外来で補聴器を購入し、リハビリテーションを行った患者さんの情報を使用します。今回取り扱う診療データは、通常診療で行っている評価項目です。
    本研究で得られたデータは、当センターのデータベースにて保管し、解析も当センターで行います。
  6. 当該研究の方法
    2017年4月1日~2023年3月31日までの間に当センター耳鼻咽喉科部の補聴器外来で補聴器を購入し、リハビリテーションを実施した患者さんの診療情報を用いて分析を行います。
    使用する診療情報は以下の通りです。
    【患者評価項目】(以下の項目の中から診療において実施している項目のみ使用)
    ・一般情報:性別、年齢、現病歴、既往歴、教育歴、騒音曝露歴、補聴器装用時間(データログ)、要介護度、同居家族、喫煙・飲酒歴
    ・聴力検査:標準純音聴力検査、語音聴力検査
    ・きこえに関するアンケート調査:きこえについてのアンケート(オージオロジー、聞こえの評価問診票、HHIE(Hearing Handicap Inventory for the Elderly)、NHHHI(Nursing Home Hearing Handicap Index 日本語版)
    ・認知機能検査:MMSE(Mini-Mental State Examination)
    ・言語機能検査:新日本版トークンテスト
    ・コミュニケーション機能検査:短縮版実用コミュニケーション能力検査
    ・フレイルの評価:基本チェックリスト(25項目の質問紙にて評価)
  7. 研究期間
    2020年11月10日 ~ 2024年3月31日まで
  8. 対象となる患者さん・研究対象者として選定された理由
    2017年4月1日~2023年3月31日までの間に当センター耳鼻咽喉科部の補聴器外来で補聴器を購入し、リハ治療を実施した患者さんおよそ50名の診療データを分析対象として行うものです。
    ただし、脳血管疾患等の既往による高次脳機能障害により意思疎通が図れない方の評価結果は対象外とします。
  9. 研究対象者に生じる負担並びに予測されるリスク及び利益
    本研究で扱う情報は、日常診療で行われた評価結果のみであるため、対象者の負担及び新たに発生する危険性は想定されません。対象者が直接的利益を本研究から得る事もありませんが、補聴器継続装用に関わる因子が明らかになれば、その情報を用いて今後の聴覚管理をより有意義なものにできる可能性があります。
  10. 研究実施について同意しないこと及び同意を撤回することの自由について
    ご自身の診療情報が当該課題に利用されることにご同意いただけない場合には、研究に使用する情報からあなたに関する情報を削除いたしますので、17.に記載されているお問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。研究期間の途中であっても構いません。また、情報の削除を依頼したことにより、不利益な取扱いを受けることはございません。ただし、ご連絡をいただいた時点で、研究結果が学会や論文等で既に公開されている場合には解析結果を削除できないことがあります。
  11. 研究に関する情報公開の方法
    本掲示により研究に関する情報公開といたします。研究結果の公開については学会発表・論文投稿などにて行う予定でおります。
  12. 研究計画書等の閲覧について
    当該研究の独創性の確保に支障がない範囲内で研究計画書及び研究の方法に関する資料を閲覧することができます。閲覧を希望される場合には、17.に記載されているお問い合わせ先にご連絡いただけますようお願い致します。
  13. 個人情報等の取扱い
    プライバシー保護のため、対象者の個別の研究結果については秘密を厳守し、研究結果から得られるいかなる情報も研究の目的以外に使用致しません。
    本研究では、診療情報(電子カルテ)より上記6.の情報を抽出して使用いたしますが、患者さんが特定できる情報(氏名・住所(ケースにより・患者ID番号)など)を削除した状態で抽出しています。抽出データに残されている患者ID番号についても、患者ID番号とは別の新たな符号・番号に置き換えた上で保管し、研究に使用いたします。患者ID番号と置き換えた符号・番号との対応表は研究に使用する抽出データとは別にされ、当センター内にて厳重に保管されます。
    また、研究成果は学会や論文として発表されますが、その際にも個人を特定できるような内容を含むことはございません。
  14. 情報の保管及び廃棄の方法
    抽出したデータ、患者ID番号と置き換えた符号・番号との対応表、匿名化されたデータについては、研究期間終了後もしくは学会や論文等での発表から10年間、当センターにてデータベース上に入力し、保管いたします。破棄方法は、電子データはコンピューターから完全に消去し、紙媒体はシュレッダーで裁断します。
  15. 研究の資金源等、研究機関の研究に係る利益相反及び個人の収益等、研究者等の研究に係る利益相反に関する状況
    研究の資金は2020年度についてはありませんが、2021年度以降は長寿医療研究開発費を獲得予定です。本研究は開示すべき利益相反はありません。
  16. 研究対象者等及びその関係者からの相談等への対応
    本研究に関する疑問点や、知りたいことがあった場合、個人情報に抵触しない範囲であれば研究の資料(研究計画書や研究の方法に関する資料)を書面にて説明、また面談を実施いたします。
  17. この研究に関するお問い合わせ先
     (連絡先) 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター
           所属・職名:耳鼻咽喉科部 医長
           氏名:鈴木宏和
           住所:愛知県大府市森岡町7丁目430番地
           TEL:0562-46-2311(代表)