ホーム > 研究の推進 > 人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針に基づく研究実施の情報公開 > 倫理・利益相反委員会受付番号No.1459
国立長寿医療研究センター 老年内科部では、下記の人を対象とする医学系研究を実施しております。
本研究は、通常の診療で得られた情報(電子カルテなど)から必要な情報を取り出し、まとめることによって行われるものです。
このような研究は、厚生労働省・文部科学省の「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」の規定により、対象となる患者さんのお一人ずつから直接ご同意をいただかずに実施することができますが、研究内容の情報を公開することが必要とされています。このお知らせをもって研究内容の情報公開とさせていただきますので、ご理解いただけますようお願いいたします。
本研究に関するお問い合わせなどがございましたら、下記の「本研究に関するお問い合わせ先」までご連絡いただけますようお願いいたします。
2020年10月16日
記
「オステオサルコペニアの特徴解明に関する研究」
(倫理・利益相反委員会受付番号No.1459)
本研究課題については、国立長寿医療研究センター倫理・利益相反委員会による倫理審査を経て、国立長寿医療研究センター理事長の実施許可を受けております。
国立研究開発法人国立長寿医療研究センター
前田 圭介(老年内科部 老年内科医長)
井上 達朗(新潟医療福祉大学 リハビリテーション学部 理学療法学科 講師)
佐竹 昭介(国立長寿医療研究センター 老年内科部 部長)
松井 康素(国立長寿医療研究センター ロコモフレイル診療部 部長)
高齢化が進む本邦において骨粗鬆性骨折は増加し続けています。もっとも重症な大腿骨近位部骨折は、死亡率が高いだけでなく、骨折後の約半数にADL障害が残存し、長期的なケアを必要とする社会的問題に発展しています。また、筋量減少や筋力低下を呈するサルコペニアは、転倒リスクを増加させます。したがって、骨粗鬆性骨折を予防して健康寿命を延伸させるためには、骨粗鬆症とサルコペニアの両者に焦点を当てた予防と治療戦略が必要であります。
オステオサルコペニア(Osteosarcopenia)は、骨粗鬆症とサルコペニアの併存を示す新しい概念であり、転倒や骨粗鬆性骨折と強い関連を示しています[1]。骨粗鬆症とサルコペニアは、表裏一体の関係性にあり、加齢や低身体活動、ビタミンDやカルシウム、たんぱく質摂取不足など多くの共通した関連要因が存在します[2,3]。 オステオサルコペニアの概念は、骨粗鬆性骨折発生の予防につながる重要な概念であります。しかし、オステオサルコペニアと社会性や精神心理面、筋肉量および質との関連は分かっていません。予防や治療に重要な発症要因を考察する上で、オステオサルコペニアとこれらの項目との関連を明らかにすることは考察の一助となり得ます。
本研究の目的は、オステオサルコペニアと社会性、精神心理面、筋肉量および質との関連を横断的に明らかにすることで、オステオサルコペニアの予防や治療に間接的に役立てることであります。
オステオサルコペニアと社会性、精神心理面、筋肉量および質との関連を明らかにすることでその特徴を明らかにし、予防および治療に役立つ知見を得ることが期待されます。
年齢、性別、教育年数、家族構成、要介護認定、高次脳機能評価、生活機能評価、社会性評価、フレイル評価、ロコモティブシンドローム評価(ロコモ25)、栄養評価、転倒評価、併存疾患数、服薬状況、Beacke評価
身長、体重、下腿周囲長
歩行速度、握力計測(新型握力計)、立ち上がりテスト(ロコモ度テスト1およびタニタ社製測定器使用、SPPB:椅子立ち上がりテスト)、2ステップテスト(ロコモ度テスト2)、Time d Up & Goテスト、バランス機能(SPBB:閉脚立位・セミタンデム立位・タンデム立位、片脚起立時間)、身体組成(Inbody)、DEXAによる全身撮影、大腿部CT1断面
社会的フレイル(LSNS-6、社会性評価、JST版活動能力指標)、精神心理面(GDS)、認知機能評価(MOCA、MMSE)、大腿部CT1断面
オステオサルコペニアの定義は、骨粗鬆症とサルコペニアの両方を有することとします。骨粗鬆症は、日本骨代謝学会が定めた判定基準に従い、DXAで測定した骨密度がYAMの70%未満であった場合を骨粗鬆症と判定します。サルコペニアは、AWGS 2019基準に従います。
すべての項目は研究のための新たな侵襲を伴いません。
「骨粗鬆症単独」、「サルコペニア単独」、「オステオサルコペニア」、「いずれにも該当しない」の4群に分類し、オステオサルコペニアとアウトカム指標の関連性を統計学的手法によって明らかにします。
2020年10月16日~2022年3月31日
対象者は以下の適格基準に合致し、除外基準に抵触しない人とします。
以下の項目をすべて満たすものとします
以下の項目を一つでも満たす者
既存の診療情報の利用のみであり、プライバシーの保護についても十分に配慮されるため、新たに発生する不利益および危険性は想定されません。また、対象者個人に対する直接の利益も想定されません。
ご自身の診療情報が、本研究に利用されることにご同意いただけない場合には、研究に使用する情報からあなたにかかる情報を削除いたしますので、下部に記載されているお問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。研究期間の途中であっても構いません。また、情報の削除依頼をしたことにより、不利益な取扱いを受けることはございません。ただし、ご連絡をいただいた時点で、研究結果が学会や論文等ですでに公開されている場合などには解析結果を削除できないことがあります。
この掲示により本研究に関する情報公開といたします。研究結果の公開については、ホームページ掲載・学会発表・論文投稿などにて行う予定でおります。
他の研究対象者等の個人情報等の保護および本研究の独創性の確保に支障がない範囲内で研究計画書および研究の方法に関する資料を閲覧することができます。閲覧を希望される場合には、下部に記載されているお問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。
ロコモ・フレイル・サルコペニアのレジストリ研究では、計測情報と被験者の個人情報は完全に分離されているとともに、各コンピュータはインターネットに接続せず、データは匿名化し、対応表は治験・ 臨床研究推進センター内に保管されています。本研究において、データの分析は匿名化の後に実施します。
本研究に係る試料・情報、文書、記録等は、当該研究成果の発表後10年間、鍵付きのロッカー、またはインターネットに接続しないパスワード付きのPCで、個別化の対応表以外を研究責任者および共同研究者が保管します。匿名化の対応表は治験・ 臨床研究推進センター内に保管されています。保管期間終了後、紙媒体の資料はシュレッダーで、電子媒体の資料はデータ消去ソフトウエアで廃棄します。
本研究の遂行にあたって、研究責任者、共同研究者、研究協力者と特別な利益相反状態にある企業等はありません。
ロコモ・フレイル・サルコペニアのレジストリ研究に登録された患者さんおよびその関係者の方からの本研究に関する相談を研究代表者が窓口となり随時受け付けます。
国立研究開発法人国立長寿医療研究センター
老年内科部 前田 圭介
〒474-8511 愛知県大府市森岡町七丁目430番地
電話:0562-46-2311(代表)