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ホーム > 研究の推進 > 人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針に基づく研究実施の情報公開 > 倫理・利益相反委員会受付番号No.1457

倫理・利益相反委員会受付番号No.1457

「NILS-LSA対象者における加齢に伴う睡眠形態と個体寿命の関連:microRNA量を考慮した解析研究(倫理・利益相反委員会受付番号No.1457)」人を対象とする医学系研究実施についてのお知らせ

 

 国立長寿医療研究センターでは、「国立長寿医療研究センター・老化に関する長期縦断疫学研究(NILS-LSA)」への研究参加同意をいただいた方を対象とした医学系研究を実施しております。NILS-LSAでは、対象者の皆様の様々な調査・検査結果を、老化・老年病予防を目的とした研究に利用しております。なお、対象者の皆様からは、様々な調査・検査結果を老化・老年病予防を目的とした研究に使用することについて、同意を得ております。
 この度、国立長寿医療研究センターにおいて「NILS-LSA対象者における加齢に伴う睡眠形態と個体寿命の関連:microRNA量を考慮した解析研究」を実施することとなりましたので、人を対象とする医学系研究に関する倫理指針に基づき、研究実施の情報公開をいたします。
 本研究に関するお問い合わせなどがございましたら、下記の「本研究に関するお問い合わせ先」までご連絡いただけますようお願いいたします。

2020年10月19日

1.研究課題名

「NILS-LSA対象者における加齢に伴う睡眠形態と個体寿命の関連:microRNA量を考慮した解析研究」
(倫理・利益相反委員会受付番号No.1457)

本研究課題については、国立長寿医療研究センター倫理・利益相反委員会による倫理審査を経て、国立長寿医療研究センター理事長の実施許可を受けております。

2.研究機関の名称および研究責任者の氏名

佐藤 亜希子(国立長寿医療研究センター 中枢性老化・睡眠制御研究プロジェクトチーム プロジェクトリーダー)

3.研究分担者名

後藤 三緒(国立長寿医療研究センター 中枢性老化・睡眠制御研究プロジェクトチーム 研究補助員)
大塚 礼(国立長寿医療研究センター 老年学・社会科学研究センター NILS-LSA活用研究室 室長)
西田 裕紀子(国立長寿医療研究センター 老年学・社会科学研究センター 老化疫学研究部 コホート連携推進研究室 室長)
下方 浩史(国立長寿医療研究センター 老年学・社会科学研究センター NILS-LSA活用研究室 客員研究員)

4.本研究の意義、目的

中枢性老化・睡眠制御研究プロジェクトチームでは、睡眠制御が老化および個体寿命の制御にどのような影響を及ぼしているのかについて研究を行っています。その中で、マウスを用いた研究から、睡眠を調節する機能の一つである睡眠恒常性能(睡眠不足時に眠ろうとする力)が寿命を制御する上で重要な役割を持つことが明らかになってきました。しかし、ヒトにおいても睡眠恒常性能が寿命制御に影響を及ぼしているのかについては不明です。最近、私達は、マウスにおいて睡眠恒常性能の指標となりうる血中の因子を遺伝子の機能を調節するmicroRNAの中から探しており、その候補となるmicroRNAが選定されつつあります。

そこで本研究では、ヒトでの加齢に伴う睡眠変化と個体寿命に関連があるか、また、関連があるとすれば両者の関連性を説明するmicroRNAがあるかを明らかにするために、NILS-LSAの既存データおよび凍結保存血漿を用い、以下の点を明らかにします。

(1) 睡眠変化と個体寿命の関連

(2) マウスにおいて睡眠恒常性能となりうる血中バイオマーカー(microRNA)のヒトホモログの加齢変化

(3) microRNA量を考慮した睡眠変化と個体寿命の関連

研究から、寿命と相関する睡眠変化(たとえば、睡眠の断片化、入眠潜時の延長など)が明らかにされることが予想されます。老化・寿命に影響しうる睡眠変化が明らかになれば、日々の生活においてどのような睡眠を得ることが健康寿命の延伸につながるのか、その提言につながることが期待されます。また、睡眠変化や寿命を予測するmicroRNAを見いだすことができれば、microRNA量を把握することで、睡眠障害の予防のみならず、加齢性疾患を早期に発見し、その重症化を予防することに役立つ可能性があり、超高齢社会の日本において社会的意義の高い研究成果が創出できるのではないかと考えています。

5.本研究の研究計画

一年次

(1) 睡眠変化と個体寿命の関連

NILS-LSA第2次調査・対象者約2,200名における睡眠に関する質問票から、年代別の平均睡眠時間、睡眠の質を評価し、加齢に伴う睡眠変化の特徴を明らかにします。次いで、これらの睡眠変化と個体寿命に関連があるかを明らかにします。

(2) 血中microRNAの加齢変化

NILS-LSA第2次調査の凍結保存検体(EDTA血漿0.5ml)総数約600検体を用い、血中microRNAを測定します。その後、年代別のmicroRNAに差異があるか、加齢に伴い特定のmicroRNA量に変化を認めるかを明らかにします。

二年次以降

(3) microRNA量を考慮した睡眠変化と個体寿命の関連

(1)と(2)の解析結果をもとに、睡眠変化と個体寿命の関連におけるmicroRNA量の関連性を明らかにします。仮説としては、「睡眠変化により個体寿命は規定されるが、両者の関連性はmicroRNA量を考慮すると弱くなる」ことを想定しています。
凍結保存検体はNILS-LSAから提供を受けますが、microRNA測定は本プロジェクトチームが担い、人口動態統計を扱う解析は統計法の利用制限範囲を考慮しNILS-LSAメンバーが担います。

6.本研究で使用する試料・情報

本研究では、NILS-LSAの凍結保存EDTA血漿を用います。また、NILS-LSAの既存情報(睡眠に関する質問票、年齢、性別、生活習慣、病歴、夜間頻尿回数、うつ、不眠、不安に対する服薬情報)を利用します。

7.研究期間

2020年10月19日~2023年9月30日

8.対象となる方・研究対象者として選定された理由

愛知県大府市および知多郡東浦町の地域住民(観察開始時年齢40歳から89歳)からの無作為抽出者を対象としたNILS-LSA第2次調査(2000年~2002年)に参加された40歳以上の男女のうち、睡眠に関する質問票(平均睡眠時間、睡眠の質、昼寝の回数)データに欠損のない方、約2,200名を解析対象者とします。ただし、microRNA量を用いる解析は、NILS-LSA第2次調査の凍結保存検体(EDTA血漿0.5ml)がある約600人を解析対象者とします。

9.研究対象者に生じる負担並びに予測されるリスクおよび利益

NILS-LSAに提供いただいた既存の調査票記録、調査結果および保存検体を研究に利用するのみであり、プライバシーの保護についても十分に配慮されるため、対象者の方に新たに発生する負担はありません。予測されるリスクは個人情報の流出ですが、個人から得られたデータは、個人が特定できないIDにより管理し、解析の際は匿名化データを用いるため、個人情報流出の可能性は極めて低いです。また、研究成果は、集団として解析した結果のみを示すため、研究成果から個人が特定されることはありません。

対象者個人に対する直接の利益も想定されませんが、本研究から健康に有益な情報が発信された場合、その情報を個人の健康増進に役立てることにより、間接的に利益が得られる場合があります。

10.研究実施について同意しないことおよび同意を撤回することの自由について

対象者の方ご自身の検査結果が、本研究に利用されることに同意いただけない場合には、研究に使用する検査結果からあなたにかかる情報を削除いたしますので、下部に記載されているお問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。研究期間の途中であっても構いません。

情報の削除依頼をしたことにより、不利益な取扱いを受けることはございません。ただし、ご連絡をいただいた時点で、研究結果が学会報告や論文等ですでに公開されている場合などには解析結果を削除できないことがあります。

11.本研究に関する情報公開の方法

この掲示により本研究に関する情報公開といたします。本研究で得られた研究結果は、国立長寿医療研究センターが実施する研究として、学会報告・論文投稿、また、研究成果の内容によってはホームページ掲載を通して発表します。

12.研究計画書等の閲覧について

他の研究対象者等の個人情報等の保護および本研究の独創性の確保に支障がない範囲内で研究計画書および研究の方法に関する資料を閲覧することができます。閲覧を希望される場合には、下部に記載されているお問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。

13.個人情報等の取扱い

NILS-LSAの情報と試料は、匿名化した状態で保管・解析しております。なお、対象者の方からの申し出による同意の撤回や転居や死亡など追跡に必要な情報を更新するため、特定の個人を識別可能なデータとNILS-LSA固有のIDとの対応表を作成し、国立長寿医療研究センター内のNILS-LSA研究に直接関わらない第三者が保管しております。

解析にあたっては、匿名化データを用いるため、解析を行う研究者も、検査結果がどなたのものであるかは分かりません。

また、研究成果は集団として集計した結果を学会報告や論文として発表しますので、解析結果から個人が特定されることはありません。

14.試料・情報の保管および廃棄の方法

本研究で用いる試料はすべて匿名化した状態で解析し、残余検体が生じた場合は国立長寿医療研究センターの管理下で凍結保存します。残余検体を廃棄する場合は、個人が特定できない状態で処理します。本研究で利用するすべてのNILS-LSAに関する情報は、外部からのアクセスが不可能な国立長寿医療研究センター内のパスワード管理されたサーバ内で保管します。また、本研究で利用する匿名化されたNILS-LSAデータおよび学術的公表に関する解析結果や解析プログラムなどは、一般からの問い合わせに応じることができるよう、研究終了(研究期間終了)後も10年間は、外部からのアクセスが不可能な国立長寿医療研究センター内のパスワード管理されたサーバ内で保管します。なお、特定の個人を識別可能なデータとNILS-LSA固有のIDとの対応表は、国立長寿医療研究センター内のNILS-LSA研究に直接関わらない第三者が研究終了(研究期間終了)後も10年間は、外部からのアクセスが不可能な国立長寿医療研究センター内のパスワード管理されたサーバ内で保管します。ただし、研究期間終了から10年後以降は、本研究に用いたすべての情報は個人が特定されない状態で完全に消去します。

15.研究の資金源等、研究機関の研究に係る利益相反および個人の収益等、研究者等の研究に係る利益相反に関する状況

NILS-LSAのすべての情報・試料は、国立長寿医療研究センターの運営費や公的研究費(競争的研究資金等)を主財源として収集しており、国立長寿医療研究センターが管理・運用を行っています。本研究は、国立長寿医療研究センター所属の研究者による共同研究であり、国立長寿医療研究センターの長寿医療研究開発費を資金源とします。本研究に参加する研究者間に一切の利害関係は無く、研究費について開示すべきCOI(利益相反)はありません。

16.研究対象者等およびその関係者からの相談等への対応

本研究に関するご不明点などございましたら、下部に記載のお問い合わせ先までご連絡ください。

本研究に関するお問い合わせ先

国立研究開発法人国立長寿医療研究センター

老年学・社会科学研究センター NILS-LSA活用研究室 長期縦断疫学調査センター

NILS-LSA活用研究室長 大塚 礼

〒474-8511 愛知県大府市森岡町七丁目430番地

電話:0562-46-2311(代表)