ホーム > 研究の推進 > 人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針に基づく研究実施の情報公開 > 倫理・利益相反委員会受付番号No.1453-4
「地域在住高齢者におけるフレイル、サルコペニアの脳内神経基盤の疫学的解明:日台共同研究」についてのお知らせ
国立長寿医療研究センターでは、「国立長寿医療研究センター・老化に関する長期縦断疫学研究(NILS-LSA)」への研究参加同意をいただいた方を対象とした、生命科学・医学系研究を実施しております。NILS-LSAでは、対象者の皆様の様々な調査・検査結果を、老化・老年病予防を目的とした研究に利用しております。尚、対象者の皆様からは、様々な調査・検査結果を老化・老年病予防を目的とした研究に使用することについて、同意を得ております。
この度、国立長寿医療研究センターにおいて「地域在住高齢者におけるフレイル、サルコペニアの脳内神経基盤の疫学的解明:日台共同研究」を実施することとなりましたので、人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針に基づき、研究実施の情報公開をいたします。
本研究に関するお問い合わせなどがございましたら、下記の「本研究に関するお問い合わせ先」までご連絡いただけますようお願いいたします。
2025年2月26日
記
「地域在住高齢者におけるフレイル、サルコペニアの脳内神経基盤の疫学的解明:日台共同研究」(倫理・利益相反委員会受付番号No.1453-4)
本研究課題については、国立長寿医療研究センター倫理・利益相反委員会による倫理審査を経て、国立長寿医療研究センター理事長の実施許可を受けております。
フレイルとは、体重や活動量の減少、筋力や身体機能の低下が起こりストレスに対して弱くなった状態、サルコペニアとは、筋肉量が減少し、筋力や身体機能が低下した状態を指します。これらはともに、生活機能の障害、要介護状態などの転帰につながることが知られています。世界的な高齢化を背景に、介護や支援を要する高齢者をできるだけ減らし、健康寿命を延伸することが喫緊のテーマとなっている現在、フレイル、サルコペニアの予防策の検討は、各国共通の重要な課題になっています。
本研究では、「国立長寿医療研究センター・老化に関する長期縦断疫学研究(NILS-LSA)」と国立陽明交通大学が中心となって行う「I-Lan Longitudinal Aging Study(ILAS)」が共同して、MRI脳画像共有データベースを構築し、フレイルとサルコペニアの進行にかかわる脳内神経基盤およびそれにかかわる血液バイオマーカーを解明することを目的としています。本研究の結果は、フレイル、サルコペニアの進行過程を理解し、適切な介入方法を見出すための有益な資料になると期待されます。
*上記の情報については、利用・提供前に被験者保護の観点から、倫理・利益相反委員会承認後1か月以上経過後から、利用予定です。
本研究では、愛知県大府市および知多郡東浦町の地域住民からの無作為抽出者を対象とした「国立長寿医療研究センター・老化に関する長期縦断疫学研究(NILS-LSA)」の第6次調査の参加者(50歳以上)のデータ(5.参照)と、台湾北東部の宜蘭県の地域住民からの無作為抽出者を対象とした「I-Lan Longitudinal Aging Study(ILAS)」の参加者(50歳以上)のデータ(5.参照)を統合する、MRI脳画像共有データベースを作成し、フレイル、サルコペニアの脳形態画像解析を行い、フレイル、サルコペニアの進行にかかわる脳領域を明らかにします。
2020年9月23日から2028年3月31日
NILS-LSAおよびILASに提供いただいた既存の調査票記録および調査結果を研究に利用するのみであり、プライバシーの保護についても十分に配慮されるため、対象者の方に新たに発生する負担はありません。予測されるリスクは個人情報の流出ですが、個人から得られたデータは、個人が特定できないIDにより管理し、解析の際は氏名など個人を特定できる情報を除いたデータを用いるため、個人情報流出の可能性は極めて低いです。また研究成果は、集団として解析した結果のみを示すため、研究成果から個人が特定されることはありません。
対象者個人に対する直接の利益も想定されませんが、本研究から健康に有益な情報が発信された場合、その情報を個人の健康増進に役立てることにより、間接的に利益が得られる場合があります。
対象者の方ご自身の検査結果が、本研究課題に利用されることに同意いただけない場合には、研究に使用する検査結果からあなたにかかる情報を削除いたしますので、下部に記載されているお問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。研究期間の途中であっても構いません。
情報の削除依頼をしたことにより、不利益な取扱いを受けることはございません。ただし、ご連絡をいただいた時点で、研究結果が学会報告や論文等ですでに公開されている場合などには解析結果を削除できないことがあります。
この掲示により、本研究に関する情報公開とします。本研究で得られた研究結果は、国立長寿医療研究センターが実施する研究として、学会報告・論文投稿を通して発表します。また研究成果の内容によってはホームページ掲載や広報紙にて、対象者および一般住民の方に向けた内容で公表します。
他の対象者の個人情報保護および本研究の独創性の確保に支障がない範囲内で、研究計画書および研究の方法に関する資料を閲覧することができます。閲覧を希望される場合には、下部に記載されているお問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。
NILS-LSAの情報と試料は、氏名など個人を特定できる情報を除いた状態で保管・解析しております。尚、対象者の方からの申し出による同意の撤回や、転居や死亡など追跡に必要な情報を更新するため、特定の個人を識別可能なデータとNILS-LSA固有のIDとの対応表を作成し、国立長寿医療研究センター内のNILS-LSA研究に直接関わらない者が保管しております。ILASについての対応表は、国立陽明交通大学で保管しております。解析にあたっては、氏名など個人を特定できる情報を除いたデータを用いるため、解析を行う研究者も、検査結果がどなたのものであるかは分かりません。
また研究成果は集団として集計した結果を学会報告や論文として発表しますので、解析結果から個人が特定されることはありません。
本研究では、国立長寿医療研究センターの研究責任者から、台湾の国立陽明交通大学の研究責任者に、試料および情報を提供します。提供する試料および情報は氏名など個人を特定できる情報を除いた状態であり、個人が特定されることはありません。
台湾では個人情報保護法(Personal Data Protection Act)が制定されており、本研究を実施する研究者には同法が適用されます。その規程に基づき、研究責任者は研究対象者の個人情報保護の措置を講じます。台湾の個人情報保護法の内容は、下記の通りです。
https://law.moj.gov.tw/ENG/LawClass/LawAll.aspx?pcode=I0050021
本研究で利用するすべてのNILS-LSAに関する情報は、外部からのアクセスが不可能な、国立長寿医療研究センター内のパスワード管理されたサーバ内で保管します。ILASの情報については、国立陽明交通大学高齢健康研究センターのオフィスの施錠されたキャビネットおよびパスワードの掛けられた専用のコンピュータで保管されます。
NILS-LSAとILASのデータを統合したMRI脳画像共有データベース、フレイル、サルコペニア、基本特性、既存の血液バイオマーカーの共有データベースは、本研究期間、本研究の関係者以外からのアクセスが不可能な、パスワード管理された安全なFTPサーバ内に保管します。また、本研究ではNILS-LSAの凍結血清を国立陽明交通大学に送付し、国立陽明交通大学にてメタボローム解析を実施します。メタボローム解析結果は、本研究の関係者以外からのアクセスが不可能な、パスワード管理されたSecure FTPサーバ内に保管します。本研究で利用する氏名など個人を特定できる情報を除いたデータおよび学術的公表に関する解析結果や解析プログラムなどは、一般からの問い合わせに応じることができるよう、研究終了(研究期間終了)後も10年間保管します。NILS-LSAに関する情報は、外部からのアクセスが不可能な、国立長寿医療研究センター内のパスワード管理されたサーバ内で保管します。ILASに関する情報は、国立陽明交通大学高齢健康研究センターのオフィスの施錠されたキャビネットおよびパスワードの掛けられた専用のコンピュータで保管します。NILS-LSAとILASのデータを統合したMRI脳画像共有データベースは、外部からのアクセスが不可能な、国立長寿医療研究センター内のパスワード管理されたサーバ内および国立陽明交通大学高齢健康研究センターのオフィスの施錠されたキャビネットおよびパスワードの掛けられた専用のコンピュータで保管します。ただし、研究期間終了から10年後以降は、本研究に用いたすべての情報は個人が特定されない状態で完全に消去します。また、メタボローム解析後のNILS-LSA残余血清は、国立陽明交通大学にて匿名のまま密封容器で保管し、検査データを確認の後、個人が特定できない状態で廃棄します。
NILS-LSAのすべての情報・試料は、国立長寿医療研究センターの運営費や公的研究費(競争的研究資金等)を主財源として収集しており、国立長寿医療研究センターが管理・運用を行っています。本研究は、国立長寿医療研究センター所属の研究者による共同研究であり、国立長寿医療研究センターの長寿医療研究開発費を資金源とします。本研究に参加する研究者間に一切の利害関係は無く、研究費について開示すべきCOI(利益相反)はありません。
本研究に関するご不明点などございましたら、下部に記載のお問い合わせ先までご連絡ください。
国立研究開発法人国立長寿医療研究センター
研究所 老年学・社会科学研究センター 老化疫学研究部
長期縦断疫学調査センター
老化疫学研究部長 大塚礼
〒474-8511 愛知県大府市森岡町七丁目430番地
電話:0562-46-2311(代表)