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ホーム > 研究の推進 > 人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針に基づく研究実施の情報公開 > 倫理・利益相反委員会受付番号No.1453-2

倫理・利益相反委員会受付番号No.1453-2

「地域在住高齢者におけるフレイル、サルコペニアの脳内神経基盤の疫学的解明:日台共同研究(倫理・利益相反委員会受付番号No. 1453-2)」:人を対象とする生命科学・医学系研究実施についてのお知らせ

 

 国立長寿医療研究センターでは、「国立長寿医療研究センター・老化に関する長期縦断疫学研究(NILS-LSA)」への研究参加同意をいただいた方を対象とした生命科学・医学系研究を実施しております。NILS-LSAでは、対象者の皆様の様々な調査・検査結果を、老化・老年病予防を目的とした研究に利用しております。尚、対象者の皆様からは、様々な調査・検査結果を老化・老年病予防を目的とした研究に使用することについて、同意を得ております。
 この度、国立長寿医療研究センターにおいて「地域在住高齢者におけるフレイル、サルコペニアの脳内神経基盤の疫学的解明:日台共同研究」を実施することとなりましたので、人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針に基づき、研究実施の情報公開をいたします。
 本研究に関するお問い合わせなどがございましたら、下記の「本研究に関するお問い合わせ先」までご連絡いただけますようお願いいたします。

2021年12月13日

1.研究課題名

「地域在住高齢者におけるフレイル、サルコペニアの脳内神経基盤の疫学的解明:日台共同研究」
(倫理・利益相反委員会受付番号No. 1453-2)

本研究課題については、国立長寿医療研究センター倫理・利益相反委員会による倫理審査を経て、国立長寿医療研究センター理事長の実施許可を受けております。

2.研究機関の名称および研究責任者の氏名

西田裕紀子(国立長寿医療研究センター 研究所 老年学・社会科学研究センター 老化疫学研究部 副部長)

3.研究分担者名

中村昭範(国立長寿医療研究センター 研究所 認知症先進医療開発センター バイオマーカー開発研究部 部長)
加藤隆司(国立長寿医療研究センター 放射線診療部 部長) 
大塚礼(国立長寿医療研究センター 研究所 老年学・社会科学研究センター 老化疫学研究部 部長)
陳亮恭(国立陽明大学 加齢と健康研究センター センター長)
王培寧(国立陽明大学 医学系神経学科 教授)

4.本研究の意義、目的

フレイルとは体重や活動量の減少、筋力や身体機能の低下が起こりストレスに対して弱くなった状態、サルコペニアとは筋肉量が減少し、筋力や身体機能が低下した状態を指します。これらはともに、生活機能の障害、要介護状態などの転帰につながることが知られています。世界的な高齢化を背景に、介護や支援を要する高齢者をできるだけ減らし、健康寿命を延伸することが喫緊のテーマとなっている現在、フレイル、サルコペニアの予防策の検討は各国共通の重要な課題になっています。
本研究では、「国立長寿医療研究センター・老化に関する長期縦断疫学研究(NILS-LSA)」と国立陽明大学が中心となって行う「I-Lan Longitudinal Aging Study(ILAS)」が共同してMRI脳画像共有データベースを構築し、フレイルとサルコペニアの進行にかかわる脳内神経基盤およびそれにかかわる血液バイオマーカーを解明することを目的としています。本研究の結果は、フレイル、サルコペニアの進行過程を理解し、適切な介入方法を見出すための有益な資料になると期待されます。

5.本研究に使用する情報

本研究では、愛知県大府市および知多郡東浦町の地域住民からの無作為抽出者を対象とした「国立長寿医療研究センター・老化に関する長期縦断疫学研究(NILS-LSA)」の第6次調査の参加者(50歳以上)のデータ(6.参照)と、台湾北東部の宜蘭県の地域住民からの無作為抽出者を対象とした「I-Lan Longitudinal Aging Study(ILAS)」の参加者(50歳以上)のデータ(6.参照)を統合するMRI脳画像共有データベースを作成し、フレイル、サルコペニアの脳形態画像解析を行い、フレイル、サルコペニアの進行にかかわる脳領域を明らかにします。

6.本研究の方法

・脳画像データ(脳画像解析用ソフトウエアを用いて事前の処理を行い、個人を同定できない情
 報とします)
・フレイルに関する変数:身体的指標(体重変化、握力、歩行速度、疲労感、身体活動量)、認
 知的指標(MMSE)、社会的指標(独居、外出頻度、友人との交流、社会的役割)
・サルコペニアに関する変数:握力、歩行速度、四肢筋量
・基本特性:年齢、性別、教育年数
・凍結血清を用いたメタボローム測定による血液バイオマーカー(データ)

7.研究期間

2020年9月23日 ~ 2025年3月31日

8.対象となる患者さん・研究対象者として選定された理由

  • NILS-LSA:第6次調査(2008年~2010年)に参加した2302名の40歳以上の男女のうち、50歳以上で脳画像データを有する方、約1700名を対象者とします。
  • ILAS:脳画像データを有する50歳以上の方、約500名を対象とします。

9.研究対象者に生じる負担並びに予測されるリスクおよび利益

NILS-LSA並びにILASに提供いただいた既存の調査票記録および調査結果を研究に利用するのみであり、プライバシーの保護についても十分に配慮されるため、対象者の方に新たに発生する負担はありません。予測されるリスクは個人情報の流出ですが、個人から得られたデータは、個人が特定できないIDにより管理し、解析の際は匿名化データを用いるため、個人情報流出の可能性は極めて低いです。また研究成果は、集団として解析した結果のみを示すため、研究成果から個人が特定されることはありません。
対象者個人に対する直接の利益も想定されませんが、本研究から健康に有益な情報が発信された場合、その情報を個人の健康増進に役立てることにより、間接的に利益が得られる場合があります。

10.研究実施について同意しないことおよび同意を撤回することの自由について

対象者の方ご自身の検査結果が、本研究課題に利用されることに同意いただけない場合には、研究に使用する検査結果からあなたにかかる情報を削除いたしますので、下部に記載されているお問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。研究期間の途中であっても構いません。
情報の削除依頼をしたことにより、不利益な取扱いを受けることはございません。ただし、ご連絡をいただいた時点で、学会報告や論文等ですでに研究結果が公開されている場合などには、解析結果を削除できないことがあります。

11.本研究に関する情報公開の方法

この掲示により、本研究に関する情報公開とします。本研究で得られた研究結果は、国立長寿医療研究センターが実施する研究として、学会報告・論文投稿を通して発表します。また、研究成果の内容によってはホームページ掲載や広報紙にて、対象者および一般住民の方に向けた内容で公表します。

12.研究計画書等の閲覧について

他の対象者の個人情報保護並びに本研究の独創性の確保に支障がない範囲内で研究計画書および研究の方法に関する資料を閲覧することができます。閲覧を希望される場合には、下部に記載されているお問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。

13.個人情報等の取扱い

NILS-LSAの情報と試料は、匿名化した状態で保管・解析しております。尚、対象者の方からの申し出による同意の撤回や転居や死亡などの追跡に必要な情報を更新するため、特定の個人を識別可能なデータとNILS-LSA固有のIDとの対応表を作成し、国立長寿医療研究センター内のNILS-LSA研究に直接関わらない者が保管しております。ILASについての対応表は、国立陽明大学で保管しております。解析にあたっては、匿名化データを用いるため、解析を行う研究者も、検査結果がどなたのものであるかは分かりません。
また、研究成果は集団として集計した結果を学会報告や論文として発表しますので、解析結果から個人が特定されることはありません。

14.試料・情報の保管および廃棄の方法

本研究で利用するすべてのNILS-LSAに関する情報は、外部からのアクセスが不可能な国立長寿医療研究センター内のパスワード管理されたサーバ内で保管します。ILASの情報については、国立陽明大学高齢健康研究センターのオフィス内の施錠されたキャビネットおよびパスワードの掛けられた専用のコンピュータで保管されます。
NILS-LSAとILASのデータを統合したMRI脳画像共有データベース、フレイル、サルコペニア、基本特性の共有データベースは、本研究期間、本研究の関係者以外からのアクセスが不可能なパスワード管理された安全なFTPサーバ内に保管します。また、本研究ではNILS-LSAの凍結血清を国立陽明大学に送付し、国立陽明大学にてメタボローム解析を実施します。メタボローム解析結果は、本研究の関係者以外からのアクセスが不可能なパスワード管理されたSecure FTPサーバ内に保管します。
本研究で利用する匿名化されたデータおよび学術的公表に関する解析結果や解析プログラムなどは、一般からの問い合わせに応じることができるよう、研究終了(研究期間終了)後も10年間、
(1)NILS-LSAに関する情報は、外部からのアクセスが不可能な国立長寿医療研究センター内の
       パスワード管理されたサーバ内
(2)ILASに関する情報は、国立陽明大学高齢健康研究センターのオフィスの施錠されたキャビ
        ネットおよびパスワードの掛けられた専用のコンピュータ
(3)NILS-LSAとILASのデータを統合したMRI脳画像共有データベースは、外部からのアクセス
        が不可能な国立長寿医療研究センター内のパスワード管理されたサーバ内並びに国立陽明
        大学高齢健康研究センターのオフィスの施錠されたキャビネットおよびパスワードの掛け
        られた専用のコンピュータ
で保管します。
ただし、研究期間終了から10年後以降は、本研究に用いたすべての情報は個人が特定されない状態で完全に消去します。
また、メタボローム解析後のNILS-LSA残余血清は、国立陽明大学にて匿名のまま密封容器で保管し、検査データを確認の後、個人が特定できない状態で廃棄します。

15.研究の資金源等、研究機関の研究に係る利益相反および個人の収益等、研究者等の研究に係る利益相反に関する状況

NILS-LSAのすべての情報・試料は、国立長寿医療研究センターの運営費や公的研究費(競争的研究資金等)を主財源として収集しており、国立長寿医療研究センターが管理・運用を行っています。本研究は、国立長寿医療研究センター所属の研究者による共同研究であり、国立長寿医療研究センターの長寿医療研究開発費を資金源とします。本研究に参加する研究者間に一切の利害関係は無く、研究費について開示すべきCOI(利益相反)はありません。

16.研究対象者等およびその関係者からの相談等への対応

本研究に関するご不明点などございましたら、下部に記載のお問い合わせ先までご連絡ください。

本研究に関するお問い合わせ先

国立研究開発法人国立長寿医療研究センター
研究所 老年学・社会科学研究センター 老化疫学研究部
長期縦断疫学調査センター 
老化疫学研究部長 大塚礼

〒474-8511 愛知県大府市森岡町七丁目430番地

電話:0562-46-2311(代表)