ホーム > 研究の推進 > 人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針に基づく研究実施の情報公開 > 倫理・利益相反委員会受付番号No.1433
国立長寿医療研究センターでは、「国立長寿医療研究センター・老化に関する長期縦断疫学研究(NILS-LSA)」への研究参加同意をいただいた方を対象とした医学系研究を実施しております。NILS-LSAでは、対象者の皆様の様々な調査・検査結果を、老化・老年病予防を目的とした研究に利用しております。なお、対象者の皆様からは、様々な調査・検査結果を老化・老年病予防を目的とした研究に使用することについて、同意を得ております。
この度、国立長寿医療研究センターにおいて「NILS-LSA対象者における日本食パターンと認知機能に関する縦断研究」を実施することとなりましたので、人を対象とする医学系研究に関する倫理指針に基づき、研究実施の情報公開をいたします。
本研究に関するお問い合わせなどがございましたら、下記の「本研究に関するお問い合わせ先」までご連絡いただけますようお願いいたします。
2020年10月7日
記
「NILS-LSA対象者における日本食パターンと認知機能に関する縦断研究」
(倫理・利益相反委員会受付番号No.1433)
本研究課題については、国立長寿医療研究センター倫理・利益相反委員会による倫理審査を経て、国立長寿医療研究センター理事長の実施許可を受けております。
張 姝(国立長寿医療研究センター 老年学・社会科学研究センター NILS-LSA活用研究室 流動研究員)
大塚 礼(国立長寿医療研究センター 老年学・社会科学研究センター NILS-LSA活用研究室 室長)
西田 裕紀子(国立長寿医療研究センター 老年学・社会科学研究センター 老化疫学研究部 コホート連携推進研究室 室長)
認知機能低下は認知症の初期兆候であり、高齢者の日常生活や社会生活に支障を来す場合があります。私共は、日本食インデックススコア*が高い高齢者で認知症発生リスクが低いこと、日本食パターンの構成要素である柑橘類・魚・キノコ等の摂取が認知症の予防に効果的であることを報告しています。しかしながら、日本食パターンが認知機能低下に及ぼす影響は明らかではありません。
本研究の結果から、認知機能の低下を予防する食事パターンが明らかになる可能性があります。日本食の摂取が認知機能のどの側面に影響するのか、また、日本食のどの構成要素が認知機能の維持に効果的なのかを明らかにすることにより、新しい認知症予防策を見いだせる可能性があります。
本研究では、愛知県大府市および知多郡東浦町の地域住民(観察開始時年齢40歳から79歳)からの無作為抽出者を対象としたNILS-LSA第1次から第7次調査(1997年~2012年)、追跡調査(第8次調査)(2013年~2016年)に参加した男女の食事記録から日本食インデックススコアを算出し、それらの方の認知機能スコアから、日本食パターンが認知機能に及ぼす影響を明らかにします。
日本食インデックススコアの指標は、私共の先行研究で出した日本食インデックスを用い、認知機能の評価には(1)知能(WAIS-R-SF)と(2)認知機能(Mini-Mental State Examination:MMSE)をそれぞれ用います。1年目は対象者の第1次から8次調査までの食事および認知機能のデータから、日本食インデックススコアの算出を行い、日本食パターンとMMSEあるいはWAIS-R-SFとの関連を明らかにします。2年目以降は、対象者の第1次から8次調査までの食事および認知機能のデータから、日本食パターンの構成要素(食品群)と認知機能との関連を検討します。得られた知見の学術的発表も行います。
*本研究では情報のみを使用し、試料は使用しません。
2020年10月7日~2023年9月30日
愛知県大府市および知多郡東浦町の地域住民(観察開始時年齢40歳から79歳)からの無作為抽出者を対象としたNILS-LSA第1次から第7次調査(1997年~2012年)、追跡調査(第8次調査)(2013年~2016年)に参加した男女のうち、食事や脳形態、認知機能等解析に必要なデータに欠損のない方約2,000名を対象とします。
NILS-LSAに提供いただいた既存の調査票記録および調査結果を研究に利用するのみであり、プライバシーの保護についても十分に配慮されるため、対象者の方に新たに発生する負担はありません。予測されるリスクは個人情報の流出ですが、個人から得られたデータは、個人が特定できないIDにより管理し、解析の際は匿名化データを用いるため、個人情報流出の可能性は極めて低いです。また、研究成果は、集団として解析した結果のみを示すため、研究成果から個人が特定されることはありません。
対象者個人に対する直接の利益も想定されませんが、本研究から健康に有益な情報が発信された場合、その情報を個人の健康増進に役立てることにより、間接的に利益が得られる場合があります。
対象者の方ご自身の検査結果が、本研究に利用されることに同意いただけない場合には、研究に使用する検査結果からあなたにかかる情報を削除いたしますので、下部に記載されているお問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。研究期間の途中であっても構いません。
情報の削除依頼をしたことにより、不利益な取扱いを受けることはございません。ただし、ご連絡をいただいた時点で、研究結果が学会報告や論文等ですでに公開されている場合などには、解析結果を削除できないことがあります。
この掲示により本研究に関する情報公開といたします。本研究で得られた研究結果は、国立長寿医療研究センターが実施する研究として、学会報告・論文投稿、また、研究成果の内容によっては、ホームページ掲載を通して発表します。
他の研究対象者等の個人情報等の保護および本研究の独創性の確保に支障がない範囲内で研究計画書および研究の方法に関する資料を閲覧することができます。閲覧を希望される場合には、下部に記載されているお問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。
NILS-LSAの情報と試料は、匿名化した状態で保管・解析しております。なお、対象者の方からの申し出による同意の撤回や転居や死亡など追跡に必要な情報を更新するため、特定の個人を識別可能なデータとNILS-LSA固有のIDとの対応表を作成し、国立長寿医療研究センター内のNILS-LSA研究に直接関わらない第三者が保管しております。
解析にあたっては、匿名化データを用いるため、解析を行う研究者も、検査結果がどなたのものであるかは分かりません。
また、研究成果は集団として集計した結果を学会報告や論文として発表しますので、解析結果から個人が特定されることはありません。
本研究で試料は用いません。本研究で利用するすべてのNILS-LSAに関する情報は、外部からのアクセスが不可能な国立長寿医療研究センター内のパスワード管理されたサーバ内で保管します。また、本研究で利用する匿名化されたNILS-LSAデータおよび学術的公表に関する解析結果や解析プログラムなどは、一般からの問い合わせに応じることができるよう、研究終了(研究期間終了)後も10年間は、外部からのアクセスが不可能な国立長寿医療研究センター内のパスワード管理されたサーバ内で保管します。なお、特定の個人を識別可能なデータとNILS-LSA固有のIDとの対応表は、国立長寿医療研究センター内のNILS-LSA研究に直接関わらない第三者が研究終了(研究期間終了)後も10年間は、外部からのアクセスが不可能な国立長寿医療研究センター内のパスワード管理されたサーバ内で保管します。ただし、研究期間終了から10年後以降は、本研究に用いたすべての情報は、個人が特定されない状態で完全に消去します。
NILS-LSAのすべての情報・試料は、国立長寿医療研究センターの運営費や公的研究費(競争的研究資金等)を主財源として収集しており、国立長寿医療研究センターが管理・運用を行っています。本研究は、国立長寿医療研究センター所属の研究者による共同研究であり、国立長寿医療研究センターの長寿医療研究開発費を資金源とします。本研究に参加する研究者間に一切の利害関係は無く、研究費について開示すべきCOI(利益相反)はありません。
本研究に関するご不明点などございましたら、下部に記載のお問い合わせ先までご連絡ください。
国立研究開発法人国立長寿医療研究センター
老年学・社会科学研究センター NILS-LSA活用研究室 長期縦断疫学調査センター
NILS-LSA活用研究室長 大塚 礼
〒474-8511 愛知県大府市森岡町七丁目430番地
電話:0562-46-2311(代表)