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ホーム > 研究の推進 > 人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針に基づく研究実施の情報公開 > 倫理・利益相反委員会受付番号No.1413-2

倫理・利益相反委員会受付番号No.1413-2

「新型コロナウイルス感染症が在宅高齢者の心身機能や生活状況に与える影響に関する調査(倫理・利益相反委員会受付番号No.1413-2)」:人を対象とする医学系研究実施についてのお知らせ

 国立長寿医療研究センター リハビリテーション科部では、以下の人を対象とする医学系研究を実施しております。
 この研究は、通常の診療で得られた情報(カルテなど)から必要な情報を取り出し、まとめることによって行われるものです。
 このような研究は、厚生労働省・文部科学省の「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」の規定により、対象となる患者さんのお一人ずつから直接ご同意をいただかずに実施することができますが、研究内容の情報を公開することが必要とされています。このお知らせをもって研究内容の情報公開とさせていただきますので、ご理解いただきますようお願い申し上げます。
 この研究に関するお問い合わせなどがございましたら、下記の「17.この研究に関するお問い合わせ先」までご連絡いただきますようお願いいたします。

2021年2月22日

  1. 研究課題名
    「新型コロナウイルス感染症が在宅高齢者の心身機能や生活状況に与える影響に関する調査」
    (倫理・利益相反委員会受付番号No.1413-2)
    この研究課題については、国立長寿医療研究センター倫理・利益相反委員会による倫理審査を経て、国立長寿医療研究センター理事長の実施許可を受けております。
  2. 研究機関の名称及び研究責任者
    大沢 愛子 (国立長寿医療研究センターリハビリテーション科部 医長)
  3. 研究分担者名
    近藤 和泉 (国立長寿医療研究センターリハビリテーション科部 部長)
    伊藤 直樹 (国立長寿医療研究センターリハビリテーション科部 理学療法士長)
    川村 皓生 (国立長寿医療研究センターリハビリテーション科部 理学療法主任)
    神谷 正樹 (国立長寿医療研究センターリハビリテーション科部 作業療法主任)
    植田 郁恵 (国立長寿医療研究センターリハビリテーション科部 作業療法主任)
    牧 賢一郎 (国立長寿医療研究センターリハビリテーション科部 作業療法主任)
    鈴村 彰太 (国立長寿医療研究センターリハビリテーション科部 作業療法主任)
    平敷 安希博 (国立長寿医療研究センター循環器内科部 医長)
  4. 当該研究の意義、目的
    国立長寿医療研究センター(以下、当センター)では、在宅で生活する脳血管疾患や整形外科疾患、循環器疾患をもつ患者さんやロコモティブシンドローム・フレイルの患者さん、認知症の患者さんとその介護者などを対象として、外来リハビリテーション(以下、リハ)や訪問リハを実施しています。このようなリハを通じて、生活機能の維持・向上を目的に運動療法や認知訓練、生活機能訓練を行なっています。そのなかで、リハ治療を行う上で臨床上必要な評価・調査を患者さんとそのご家族に行っており、結果をリハ内容に活かして心身機能の維持・向上に努めるとともに、結果を診療録に記載しております。
    しかしながら、昨今の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的流行により2020年4月10日に愛知県緊急事態宣言が発令され、それ以降、外出自粛や感染を懸念して来院を控えたために治療が中断された患者さんもおられ、一時的に訪問リハも中止されました。リハ以外にも、外出自粛が推奨され、家から出ない閉じこもり生活が長く続くことによって低活動となり、認知機能低下やフレイルなどを含む心身機能が低下してしまうことが懸念されます。しかし、長期間の外出自粛による影響について、明らかになっていることは未だ多くありません。そこで、当センターにてリハを行っている患者さんとご家族の診療データをCOVID-19の流行前後で後方視的に調査し、COVID-19による外出自粛という社会的措置によって、機能や生活がどのように変化し、何に困っているのかを明らかすることを本研究の目的とします。
  5. 研究に使用する情報
    この研究は、通常の診療で得られた情報(カルテなど)から必要な情報を使用します。リハ治療を行う療法士はCOVID-19の流行による外出自粛のために受けた影響を把握するために、日々の診療の中で、外出頻度や生活に変化があったかなどの聞き取りを行っており、リハの中で個別に対応しています。今回取り扱う診療データは、それら聞き取り内容ならびに、通常診療で行なっている評価項目です。
    本研究で得られたデータは、当センターのデータベースにて保管し、解析も当センターで行います。
  6. 当該研究の方法
    2020年1月1日~2021年1月31日までの間に当センターにて外来リハまたは訪問リハを実施した患者さんの診療情報を用いて分析を行います。
    使用する診療情報は以下の通りです。
    【患者・家族評価項目】
    <外来リハ患者さんへの共通評価項目>
    ・神経心理学的検査(認知機能評価):Mini mental State Examination(MMSE)
    ・日常生活活動:Barthel Index(BI)
    ・身体機能:身長、体重、BMI、握力、膝伸展筋力、10m歩行速度、Standing test for Imbalance and Disequilibrium(SIDE)、Short Physical Performance battery(SPPB)、片脚立位時間

    <認知症の診断のある患者さん(身体・脳賦活リハビリテーション外来通院中の患者さん)への評価項目>
    ・上記の共通評価項目
    ・神経心理学的検査(認知機能評価):Japanese version of Montreal Cognitive Assessment(MoCA-J)、Frontal Assessment Battery(FAB)、レーヴン色彩マトリックス検査(RCPM)
    ・認知症の重症度:The Clinical Dementia Rating(CDR)
    ・精神機能検査(抑うつなど精神状態の評価):Self-rating Depression Scale(SDS)、State-Trait Anxiety Inventory(STAI)、日本語版The General Health Questionnaire(GHQ)
    ・認知症の行動・心理症状(BPSD):Neuropsychiatric Inventory(NPI)
    ・社会活動:Frenchay activities index(FAI)
    ・身体機能:Weight Bearing Index(WBI)
    ・介護負担感:Zarit介護負担評価尺度、介護者のSelf-rating Depression Scale(SDS)

    <心不全の診断のある患者さん(心臓リハビリテーション外来通院中の患者さん)への評価項目>
    ・上記の共通評価項目
    ・精神機能検査(抑うつなど精神状態の評価): Hospital Anxiety and Depression Scale(HADS)
    ・社会活動:Life Space Assessment(LSA)
    ・身体機能:6分間歩行距離、Timed Up and Go Test(TUG)、下腿周径長、心肺運動負荷試験による最大酸素摂取量

    <ロコモフレイル外来より紹介された患者さんへの評価項目>
    ・上記の共通評価項目
    ・社会活動:Life Space Assessment(LSA)、Lawton Index
    ・身体機能: 6分間歩行距離、Timed Up and Go Test(TUG)、下腿周径長
    ・フレイルの評価:基本チェックリスト、日本語版Cardiovascular Health study基準(J-CHS基準)
    ・転倒不安感:Falls Efficacy Scale-International(FES-I)

    <訪問リハ利用者への評価項目>
    ・神経心理学的検査(認知機能評価):Mini mental State Examination(MMSE)
    ・日常生活活動:Barthel Index(BI)
    ・社会活動:Frenchay activities index(FAI)
    ・身体機能:身長、体重、BMI、握力
    ・介護負担感:Zarit介護負担評価尺度

    <すべての対象者への評価項目>
    ・各評価項目におけるCOVID-19流行前後の変化、問題点
    ・対象者の属性:
    患者:年齢、性別、疾患名、現病歴、症状発現からリハ開始までの期間、服薬状況、同居家族数、キーパーソン、生活歴、教育歴、要介護認定、地域活動、運動実施状況、リハの実施状況、趣味・嗜好、介護サービスの利用、来院手段、通院手段、自主運動の実施頻度(1週間あたりの運動回数)、およびこれらの項目におけるCOVID-19流行による変化、問題点
    家族:年齢、性別
  7. 研究期間
    2020年7月30日 ~ 2022年3月31日
  8. 対象となる患者さん・研究対象者として選定された理由
    2020年1月1日~2021年1月31日までの間に当センターにて外来リハまたは訪問リハを実施した患者さんおよそ150名の診療データを分析対象として行うものです。
    ただし、重度の失語症や認知症などで意思疎通が図れない方の評価結果、家族への情報収集が困難な方の家族情報は解析の対象外とします。
  9. 研究対象者に生じる負担並びに予測されるリスク及び利益
    本研究で扱う情報は、日常診療で行われた評価結果のみであるため、対象者の負担及び新たに発生する危険性は想定されません。当センターにてリハ実施中の患者のCOVID-19流行による外出自粛に関わる影響と課題を把握することができる有効なデータを得ることができ、今後の診療に活用されます。
  10. 研究実施について同意しないこと及び同意を撤回することの自由について
    ご自身の診療情報が、当該課題に利用されることにご同意いただけない場合には、研究に使用する情報からあなたに関する情報を削除いたしますので、17.に記載されているお問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。研究期間の途中であっても構いません。また、情報の削除依頼をしたことにより、不利益な取扱いを受けることはございません。ただし、ご連絡をいただいた時点で、研究結果が学会や論文等で既に公開されている場合には解析結果を削除できないことがあります。
  11. 研究に関する情報公開の方法
    本掲示により研究に関する情報公開といたします。研究結果の公開については学会発表・論文投稿などにて行う予定でおります。
  12. 研究計画書等の閲覧について
    当該研究の独創性の確保に支障がない範囲内で研究計画書及び研究の方法に関する資料を閲覧することができます。閲覧を希望される場合には、17.に記載されているお問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。
  13. 個人情報等の取扱い(匿名化する場合にはその方法を含む。)
    プライバシー保護のため、対象者の個別の研究結果については秘密を厳守し、研究結果から得られるいかなる情報も研究の目的以外に使用致しません。
    本研究では、診療情報(電子カルテ)より上記6.の情報を抽出して使用いたしますが、患者さんが特定できる情報(氏名・住所(ケースにより・患者ID番号)など)を削除した状態で抽出しています。抽出データに残されている患者ID番号についても、患者ID番号とは別の新たな符号・番号に置き換えた上で保管し、研究に使用いたします。患者ID番号と置き換えた符号・番号との対応表は研究に使用する抽出データとは別にされ、当センター内にて厳重に保管されます。
    また、研究成果は学会や論文として発表されますが、その際にも個人を特定できるような内容を含むことはございません。
  14. 情報の保管及び廃棄の方法
    抽出したデータ、患者ID番号と置き換えた符号・番号との対応表、匿名化されたデータについては、研究期間終了後もしくは学会や論文等での発表から10年間、当センターにてデータベース上に入力し、保管いたします。廃棄方法は、電子データはコンピューターから完全に消去し、紙媒体はシュレッダーにて裁断します。
  15. 研究の資金源等、研究機関の研究に係る利益相反及び個人の収益等、研究者等の研究に係る利益相反に関する状況
    本研究は長寿医療研究開発費(20-27)の助成にて行なっております。
    その他に開示すべき利益相反はありません。
  16. 研究対象者等及びその関係者からの相談等への対応
    本研究に関する疑問点や、知りたいことがあった場合、個人情報に抵触しない範囲であれば研究の資料(研究計画書や研究の方法に関する資料)を書面にて説明、また面談を実施いたします。
  17. この研究に関するお問い合わせ先
    (連絡先) 国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター
           所属・職名:リハビリテーション科部 医長
           氏名:大沢 愛子
           住所:愛知県大府市森岡町7丁目430番地
           TEL:0562-46-2311(代表)