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ホーム > 研究の推進 > 人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針に基づく研究実施の情報公開 > 倫理・利益相反委員会受付番号No.1397

倫理・利益相反委員会受付番号No.1397

「NILS-LSA対象者における多価不飽和脂肪酸とサルコペニア・フレイルに関する研究(倫理・利益相反委員会受付番号No.1397)」人を対象とする医学系研究実施についてのお知らせ

 

 国立長寿医療研究センターでは、「国立長寿医療研究センター・老化に関する長期縦断疫学研究(NILS-LSA)」への研究参加同意をいただいた方を対象とした医学系研究を実施しております。NILS-LSAでは、対象者の皆様の様々な調査・検査結果を、老化・老年病予防を目的とした研究に利用しております。なお、対象者の皆様からは、様々な調査・検査結果を老化・老年病予防を目的とした研究に使用することについて、同意を得ております。
 この度、国立長寿医療研究センターにおいて「NILS-LSA対象者における多価不飽和脂肪酸とサルコペニア・フレイルに関する研究」を実施することとなりましたので、人を対象とする医学系研究に関する倫理指針に基づき、研究実施の情報公開をいたします。
 本研究に関するお問い合わせなどがございましたら、下記の「本研究に関するお問い合わせ先」までご連絡いただけますようお願いいたします。

2020年6月17日

  1. 研究課題名
    「NILS-LSA対象者における多価不飽和脂肪酸とサルコペニア・フレイルに関する研究」
    (倫理・利益相反委員会受付番号No.1397)
     本研究課題については、国立長寿医療研究センター倫理・利益相反委員会による倫理審査を経て、国立長寿医療研究センター理事長の実施許可を受けております。
  2. 研究機関の名称および研究責任者の氏名
     下方 浩史(国立長寿医療研究センター 老年学・社会科学研究センター NILS-LSA活用研究室 客員研究員)
  3. 研究分担者名
     大塚 礼(国立長寿医療研究センター 老年学・社会科学研究センター NILS-LSA活用研究室 室長)
     丹下 智香子(国立長寿医療研究センター 老年学・社会科学研究センター NILS-LSA活用研究室 研究員)
  4. 本研究の意義、目的
     高齢者では慢性的な疾患などによって運動が十分にはできず、さらに口腔機能の低下や腎機能の低下などにより、十分な蛋白質摂取ができない場合があります。高齢者には比較的食べやすい食材である魚類に含まれる油には、多価不飽和脂肪酸(PUFA)といわれる成分が多く含まれています。この成分が運動による筋力増加効果を高める作用を持っているという報告や、サプリメントで服用すると筋力と筋量が増加したとの報告があります。このため、PUFAは、高齢者で筋肉量が減っていくサルコペニアや身体が弱っていくフレイルの予防や治療の鍵になる可能性があります。本研究では、「国立長寿医療研究センター・老化に関する長期縦断疫学研究(NILS-LSA)」で集められたデータを用いて、PUFAと握力や筋肉量との関係を、いろいろな背景要因を考慮しながら解明し、PUFAがサルコペニアやフレイルの発症・進展を抑制しているのか、また、抑制しているならば、その必要量はどのくらいなのかを明らかにすることを目的にしています。
  5. 本研究の研究計画
     愛知県大府市および知多郡東浦町の地域住民(観察開始時年齢40歳から79歳)からの無作為抽出者を対象とした「国立長寿医療研究センター・老化に関する長期縦断疫学研究(NILS-LSA)」第1次から第9次調査のいずれかに参加した40歳以上の男女の脂肪酸摂取量、血清濃度、サルコペニア、フレイル関連データおよび生活習慣などの背景要因のデータを解析して、PUFAと関連要因の組み合わせがサルコペニアやフレイルにどのような影響を及ぼすかを明らかにします。
  6. 本研究で使用する試料・情報
     第1次~第9次調査での以下の項目を解析に使用します。
  • サルコペニア・身体的フレイル関連検査:四肢骨格筋量、日常生活活動能力、高次生活機能、身体機能、簡易版フレイル調査、フレイル関連心理調査
  • 栄養関連検査:食事記録調査による蛋白質、アミノ酸成分、脂肪酸成分(飽和・不飽和脂肪酸量)摂取量、食習慣調査、サプリメント調査、血清脂肪酸4分画および24分画
  • 身体活動量:身体活動量、運動習慣調査、生活時間調査
  • 遺伝子多型:脂肪酸代謝関連遺伝子、運動機能関連遺伝子
  • 背景因子:生活習慣(喫煙、飲酒)、医学検査(自覚症状、病歴調査、使用薬物)、血液生化学検査、心理社会学的背景、体格に関する検査

*本研究では情報のみを使用し、試料は使用しません。遺伝子多型の解析についても、すでに検査が終了しているデータのみを用いるため、新たに試料を用いて検査を行うことはありません。

  1. 研究期間
     2020年6月17日~2024年3月31日
  2. 対象となる方・研究対象者として選定された理由
     研究の対象になる方は、NILS-LSA第1次から第9次調査(1997年~2021年)に研究参加同意された、各調査時点で40歳以上の男女3,983人のうち、各調査で年齢の違いによるPUFAとサルコペニア・フレイルの関連の違いを解析するため、解析に必要な上記「6.本研究で使用する試料・情報」の項目に記載されたサルコペニア、フレイル、PUFAの関連データに欠損がなく、調査に1回以上参加した約3,700人の方です。また、年月の経過による変化を解析する研究も行いますが、対象者になる方は、調査に2回以上参加し、上記「6.本研究で使用する試料・情報」の項目に記載されたサルコペニア、フレイル、PUFAの関連データに欠損のない方、約2,700人です。
  3. 研究対象者に生じる負担並びに予測されるリスクおよび利益
     NILS-LSAに提供いただいた既存の調査票記録および調査結果を研究に利用するのみであり、プライバシーの保護についても十分に配慮されるため、対象者の方に新たに発生する負担はありません。予測されるリスクは個人情報の流出ですが、個人から得られたデータは、個人が特定できないIDにより管理し、解析の際は匿名化データを用いるため、個人情報流出の可能性は極めて低いです。また、研究成果は、集団として解析した結果のみを示すため、研究成果から個人が特定されることはありません。
     対象者個人に対する直接の利益も想定されませんが、本研究から健康に有益な情報が発信された場合、その情報を個人の健康増進に役立てることにより、間接的に利益が得られる場合はあります。
  4. 研究実施について同意しないことおよび同意を撤回することの自由について
     対象者ご自身の検査結果が、本研究に利用されることに同意いただけない場合には、研究に使用する検査結果からあなたにかかる情報を削除いたしますので、下部に記載されているお問い合わせ先にご連絡いただきますようお願いいたします。研究期間の途中であっても構いません。
     情報の削除依頼をしたことにより、不利益な取扱いを受けることはございません。ただし、ご連絡をいただいた時点で、研究結果が学会報告や論文等ですでに公開されている場合などには解析結果を削除できないことがあります。
  5. 本研究に関する情報公開の方法
     この掲示により本研究に関する情報公開といたします。本研究で得られた研究結果は、国立長寿医療研究センターが実施する研究として、ホームページ掲載・学会報告・論文投稿等を通して発表します。
  6. 研究計画書等の閲覧について
     他の研究対象者等の個人情報等の保護および本研究の独創性の確保に支障がない範囲内で研究計画書および研究の方法に関する資料を閲覧することができます。閲覧を希望される場合には、下部に記載されているお問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。
  7. 個人情報等の取扱い
     NILS-LSAの情報と試料は、匿名化した状態で保管・解析しております。なお、対象者の方からの申し出による同意の撤回や転居や死亡など追跡に必要な情報を更新するため、特定の個人を識別可能なデータとNILS-LSA固有のIDとの対応表を作成し、国立長寿医療研究センター内のNILS-LSA研究に直接関わらない第三者が保管しております。
     解析にあたっては、匿名化データを用いるため、解析を行う研究者も、検査結果がどなたのものであるかは分かりません。
     また、研究成果は集団として集計した結果を学会報告や論文として発表しますので、解析結果から個人が特定されることはありません。
  8. 試料・情報の保管および廃棄の方法
     本研究で試料は用いません。本研究で利用するすべてのNILS-LSAに関する情報は、外部からのアクセスが不可能な国立長寿医療研究センター内のパスワード管理されたサーバ内で保管します。また、本研究で利用する匿名化されたNILS-LSAデータおよび学術的公表に関する解析結果や解析プログラムなどは、一般からの問い合わせに応じることができるよう、研究終了(研究期間終了)後も10年間は、外部からのアクセスが不可能な国立長寿医療研究センター内のパスワード管理されたサーバ内で保管します。なお、特定の個人を識別可能なデータとNILS-LSA固有のIDとの対応表は、国立長寿医療研究センター内のNILS-LSA研究に直接関わらない第三者が研究終了(研究期間終了)後も10年間は、外部からのアクセスが不可能な国立長寿医療研究センター内のパスワード管理されたサーバ内で保管します。ただし、研究期間終了から10年後以降は、本研究に用いたすべての情報は個人が特定されない状態で完全に消去します。
  9. 研究の資金源等、研究機関の研究に係る利益相反および個人の収益等、研究者等の研究に係る利益相反に関する状況
     NILS-LSAのすべての情報・試料は、国立長寿医療研究センターの運営費や公的研究費(競争的研究資金等)を主財源として収集しており、国立長寿医療研究センターが管理・運用を行っています。本研究は、国立長寿医療研究センター所属の研究者による共同研究であり、国立長寿医療研究センターの長寿医療研究開発費と文部科学省の科学研究費を資金源とします。本研究に参加する研究者間に一切の利害関係は無く、研究費について開示すべきCOI(利益相反)はありません。
  10. 研究対象者等およびその関係者からの相談等への対応
     本研究に関するご不明点などございましたら、下部に記載のお問い合わせ先までご連絡ください。

本研究に関するお問い合わせ先

国立研究開発法人国立長寿医療研究センター

老年学・社会科学研究センター NILS-LSA活用研究室 長期縦断疫学調査センター

NILS-LSA活用研究室長 大塚 礼

〒474-8511 愛知県大府市森岡町七丁目430番地

電話:0562-46-2311(代表)