ホーム > 研究の推進 > 人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針に基づく研究実施の情報公開 > 倫理・利益相反委員会受付番号No.1373-3
国立長寿医療研究センターでは、「国立長寿医療研究センター・老化に関する長期縦断疫学研究(NILS-LSA)」への研究参加同意をいただいた方を対象とした生命科学・医学系研究を実施しております。NILS-LSAでは、対象者の皆様の様々な調査・検査結果を、老化・老年病予防を目的とした研究に利用しております。尚、対象者の皆様からは、様々な調査・検査結果を老化・老年病予防を目的とした研究に使用することについて、同意を得ております。
このような研究は、厚生労働省・文部科学省・経済産業省の「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」の規定により、対象となる方のお一人ずつから直接ご同意をいただかずに実施することができますが、研究内容の情報を公開することが必要とされています。このお知らせをもって研究内容の情報公開とさせていただきますので、ご理解いただけますようお願いいたします。
本研究に関するお問い合わせなどがございましたら、下記の「本研究に関するお問い合わせ先」までご連絡いただけますようお願いいたします。
2024年5月28日
記
「NILS-LSA対象者におけるアミノ酸摂取によるサルコペニア予防に関する研究」
(倫理・利益相反委員会受付番号No. 1373-3)
本研究課題は、国立長寿医療研究センター倫理・利益相反委員会による倫理審査を経て、国立長寿医療研究センター理事長の実施許可を受けております。
骨格筋量の低下は運動機能の低下だけでなく、肥満症、糖尿病など生活習慣病の発症、重症化を進展します。高齢期には骨格筋量が少ないほど要介護状態となるリスクが高いことが知られており、十分な骨格筋量を維持することは健康の保持、疾患の回復のために重要です。本研究では、血中ホルモン量や遺伝子多型の組合せにより異なるサルコペニアのリスクに応じたアミノ酸の必要量の関連を明らかにすることを目的とします。誰もが毎日必然的に行っている「食事」という行為の改善を通して、サルコペニアの予防または進行を遅らせる可能性を見いだせると予想されます。
本研究では情報のみを使用し、試料は使用しません。また、上記の情報については、利用前に被験者保護の観点から、倫理・利益相反委員会承認後1か月以上経過後から、利用予定です。
本研究では、上記の情報を以下に提供予定です。
本研究は、地域住民中高年者を対象とした大規模な長期縦断疫学調査(NILS-LSA)の第1次から第7次調査で収集したデータを用います。18種のアミノ酸摂取量は、15年間にわたる3日間の食事記録調査とNILS食品アミノ酸成分表を用いて算出し、サルコペニア関連要因は、筋量(DXA法)、筋力(握力、歩行速度等)の縦断データを用います。血中ホルモン量と遺伝子多型の組合せで異なるサルコペニアのリスクごとの特徴を性別、年齢群別に抽出し後天的な内分泌環境と遺伝子の持つ個人差によって発症するサルコペニアに予防効果を持つアミノ酸必要量を明らかにしたいと考えます。
1年目は、内分泌環境と遺伝子の組み合わせによるサルコペニアの遺伝的リスクの特徴を抽出し、2年目から3年目は層別化したサルコペニアリスクとアミノ酸の種類や量、相対的比率が骨格筋量の減少やサルコペニアの発症にどのような影響を及ぼすか混合効果モデルや一般化線型モデルにより検討します。3年目から4年目に得られた成果の考察を進め、遺伝的背景を考慮しつつ、食事摂取によりサルコペニアリスクを抑制する栄養学的要因を検討します。5年目から6年目には成果を総括し学術的発表を行います。
2020年5月27日 ~ 2026年6月30日
NILS-LSA第1次調査(1997年~2000年)に研究参加同意された男女約2,200名のうち、第2次調査(2000年~2002年)から第7次調査(2010年~2012年)の追跡調査に2回以上継続参加し、3日間の秤量式食事記録調査および二重エネルギーX線吸収法による除脂肪除骨量の測定を完了し、解析に必要な検査項目に欠損がない方約2,000名を解析対象者とします。
NILS-LSAに提供いただいた既存の調査票記録および調査結果を研究に利用するのみであり、プライバシーの保護についても十分に配慮されるため、対象者の方に新たに発生する負担はありません。予測されるリスクは個人情報の流出ですが、個人から得られたデータは、個人が特定できないIDにより管理し、解析の際は匿名化データを用いるため、個人情報流出の可能性は極めて低いです。また研究成果は、集団として解析した結果のみを示すため、研究成果から個人が特定されることはありません。
対象者個人に対する直接の利益も想定されませんが、本研究から健康に有益な情報が発信された場合、その情報を個人の健康増進に役立てることにより、間接的に利益が得られる場合があります。
対象者の方ご自身の検査結果が、本研究課題に利用されることに同意いただけない場合には、研究に使用する検査結果からあなたにかかる情報を削除いたしますので、下部に記載されているお問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。研究期間の途中であっても構いません。
情報の削除依頼をしたことにより、不利益な取扱いを受けることはございません。ただし、ご連絡をいただいた時点で、研究結果が学会報告や論文等ですでに公開されている場合などには解析結果を削除できないことがあります。
本掲示により研究に関する情報公開とします。本研究で得られた研究結果は国立長寿医療研究センターが実施する研究として、学会報告・論文投稿等を通して発表します。また研究成果の内容によってはホームページ掲載や広報紙にて、対象者および一般住民の方に向けた内容で公表します。
他の対象者の個人情報保護および本研究の独創性の確保に支障がない範囲内で研究計画書および研究の方法に関する資料を閲覧することができます。閲覧を希望される場合には、下部に記載されているお問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。
NILS-LSAの情報と試料は氏名など個人を特定できる情報を除いた状態で保管・解析しております。尚、対象者の方からの申し出による同意の撤回や転居や死亡など追跡に必要な情報を更新するため、特定の個人を識別可能なデータとNILS-LSA固有のIDとの対応表を作成し、国立長寿医療研究センター内のNILS-LSA研究に直接関わらない者が保管しております。
解析にあたっては、氏名など個人を特定できる情報を除いた状態のデータを用いるため、解析を行う研究者も、検査結果がどなたのものであるかは分かりません。
また研究成果は集団として集計した結果を学会報告や論文として発表しますので、解析結果から個人が特定されることはありません。
本研究で試料は用いません。解析に先立ち、国立長寿医療研究センター研究責任者から、愛知淑徳大学の研究責任者に、本研究で使用する氏名など個人を特定できる情報を除いた状態の情報を提供します。本研究で利用する全てのNILS-LSAに関する情報は、外部からのアクセスが不可能な国立長寿医療研究センター内のパスワード管理されたサーバー内および外部からのアクセスが不可能な愛知淑徳大学1号棟8階1815室の施錠管理された研究室のコンピュータで保管します。また、本研究で利用する氏名など個人を特定できる情報を除いた状態にされたNILS-LSAデータおよび学術的公表に関する解析結果や解析プログラムなどは、一般からの問い合わせに応じることができるよう、研究終了(研究期間終了)後も10年間は、外部からのアクセスが不可能な国立長寿医療研究センター内のパスワード管理されたサーバー内および外部からのアクセスが不可能な愛知淑徳大学1号棟8階1815室の施錠管理された研究室のコンピュータで保管します。尚、特定の個人を識別可能なデータとNILS-LSA固有のIDとの対応表は、国立長寿医療研究センター内のNILS-LSA研究に直接関わらない者が研究終了(研究期間終了)後も10年間は、外部からのアクセスが不可能な国立長寿医療研究センター内のパスワード管理されたサーバー内で保管します。ただし、研究期間終了から10年後以降は、本研究に用いた全ての情報は個人が特定されない状態で完全に消去します。
NILS-LSAの全ての情報・試料は、国立長寿医療研究センターの運営費や公的研究費(競争的研究資金等)を主財源として収集しており、国立長寿医療研究センターが管理・運用を行っています。本研究は、国立長寿医療研究センター所属の研究者による共同研究であり、国立長寿医療研究センターの長寿医療研究開発費を資金源とします。本研究に参加する研究者間に一切の利害関係は無く、研究費について開示すべきCOI(利益相反)はありません。
本研究に関するご不明点などございましたら、以下に記載のお問い合わせ先までご連絡ください。
国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター
老年学・社会科学研究センター 老化疫学研究部
長期縦断疫学調査センター
老化疫学研究部長 大塚礼
〒474-8511 愛知県大府市森岡町七丁目430番地
電話:0562-46-2311(代表)