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ホーム > 研究の推進 > 人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針に基づく研究実施の情報公開 > 倫理・利益相反委員会受付番号No.1369-4

倫理・利益相反委員会受付番号No.1369-4

「NILS-LSA対象者における難聴と認知・知的機能との関連」についてのお知らせ

 国立長寿医療研究センターでは、「国立長寿医療研究センター・老化に関する長期縦断疫学研究(NILS-LSA)」への研究参加同意をいただいた方を対象とした、生命科学・医学系研究を実施しております。NILS-LSAでは、対象者の皆様の様々な調査・検査結果を、老化・老年病予防を目的とした研究に利用しております。尚、対象者の皆様からは、様々な調査・検査結果を老化・老年病予防を目的とした研究に使用することについて、同意を得ております。
 このような研究は、厚生労働省・文部科学省・経済産業省の「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」の規定により、対象となる方のお一人ずつから直接ご同意をいただかずに実施することができますが、研究内容の情報を公開することが必要とされています。このお知らせをもって研究内容の情報公開とさせていただきますので、ご理解いただけますようお願いいたします。
 本研究に関するお問い合わせなどがございましたら、下記の「本研究に関するお問い合わせ先」までご連絡いただけますようお願いいたします。

2025年5月15日

1.研究課題名

「NILS-LSA対象者における難聴と認知・知的機能との関連」(倫理・利益相反委員会受付番号No.1369-4)

本研究課題については、国立長寿医療研究センター倫理・利益相反委員会による倫理審査を経て、国立長寿医療研究センター理事長の実施許可を受けております。

2.研究機関の名称および研究責任者

  国立長寿医療研究センター 耳鼻咽喉科部 医師 下野真理子

3.研究分担者

国立長寿医療研究センター

耳鼻咽喉科部 非常勤医師 内田育恵、杉浦彩子

老年学・社会科学研究センター 老化疫学研究部

  • 部長 大塚礼
  • 副部長 西田裕紀子
  • 研究員 丹下智香子

  • 客員研究員 内田育恵

4.本研究の意義、目的

難聴は高齢者でもっとも頻度の高い障害のひとつで、近年、難聴が認知機能障害のリスクを高める可能性が指摘されていますが、使用する言語の種類によって、難聴が認知機能障害に及ぼす影響は異なる可能性があります。
本研究では、地域在住の一般高齢者の方を対象として、難聴の発生に影響を及ぼす要因や、難聴と認知機能・知的機能との長期的な関連を明らかにすることを目的とします。

5.本研究に使用する情報

  • 純音聴力検査(NILS-LSA第1次から第7次調査)
  • 認知機能スコア(NILS-LSA第2次から第10次調査)
  • 知的機能スコア(NILS-LSA第2次から第10次調査)
  • 血液生化学検査値(尿酸、GOT、GPT、γ-GTP、トリグリセライド、LDLコレステロール、空腹時血糖、ヘモグロビンA1c等)
  • 個人背景要因:年齢、性、病歴、喫煙、飲酒歴、家族構成、日常生活活動、生活機能得点、栄養状態、平衡機能、心理調査(抑うつスコア)、遺伝子(認知症や難聴への影響が報告されている遺伝子)、補聴器使用の有無(NILS-LSA第1次から第10次調査)、就業状況、世帯年収、騒音暴露歴、ヘッドホン・イヤホンの使用、血圧

*本研究では情報のみを使用し、試料は使用しません。
*上記の情報については、利用・提供前に被験者保護の観点から、倫理・利益相反委員会承認後1か月以上経過後から、利用予定です。

情報の提供を行う機関の名称およびその研究責任者氏名

国立長寿医療研究センター 研究所 老年学・社会科学研究センター 老化疫学研究部 部長 大塚 礼

6.本研究の方法

愛知県大府市および知多郡東浦町の地域住民(観察開始時年齢40歳から79歳)からの無作為抽出者を対象とした、「国立長寿医療研究センター・老化に関する長期縦断疫学研究(NILS-LSA)」第1次から第7次調査に参加した、40歳以上の男女の純音聴力検査より平均聴力を計算し、正常・軽度・中等度・高度難聴に難聴レベルを分類します。その後、難聴の発生に影響を及ぼす要因の検討や、難聴レベルと、NILS-LSA第1次から第8次調査の認知機能および知的機能のスコアとの関連を解析して、難聴が認知機能にどのような影響を及ぼすかを明らかにします。

7.研究期間

2020年5月12日から2029年6月30日

8.対象となる患者さん・研究対象者として選定された理由

NILS-LSA第1次から第7次調査(1997年から2012年)に研究参加同意された、40歳以上の男女約2,500名のうち、聴力検査や認知機能・知的機能に関するデータが揃った方を対象者とします。

9.研究対象者に生じる負担ならびに予測されるリスクおよび利益

NILS-LSAに提供いただいた既存の調査票記録および調査結果を研究に利用するのみであり、プライバシーの保護についても十分に配慮されるため、対象者の方に新たに発生する負担はありません。予測されるリスクは個人情報の流出ですが、個人から得られたデータは、個人が特定できないIDにより管理し、解析の際は匿名化データを用いるため、個人情報流出の可能性は極めて低いです。また研究成果は、集団として解析した結果のみを示すため、研究成果から個人が特定されることはありません。
対象者個人に対する直接の利益も想定されませんが、本研究から健康に有益な情報が発信された場合、その情報を個人の健康増進に役立てることにより、間接的に利益が得られる場合があります。

10.研究実施について同意しないことおよび同意を撤回することの自由について

対象者の方ご自身の検査結果が、本研究課題に利用されることに同意いただけない場合には、研究に使用する検査結果からあなたにかかる情報を削除いたしますので、下部に記載されているお問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。研究期間の途中であっても構いません。
情報の削除依頼をしたことにより、不利益な取扱いを受けることはございません。ただし、ご連絡をいただいた時点で、研究結果が学会報告や論文等ですでに公開されている場合などには、解析結果を削除できないことがあります。

11.本研究に関する情報公開の方法

本掲示により、研究に関する情報公開とします。本研究で得られた研究結果は、国立長寿医療研究センターが実施する研究として、学会報告・論文投稿等を通して発表します。また研究成果の内容によっては、ホームページ掲載や広報紙にて、対象者および一般住民の方に向けた内容で公表します。

12.研究計画書等の閲覧について

他の対象者の個人情報保護および本研究の独創性の確保に支障がない範囲内で、研究計画書および研究の方法に関する資料を閲覧することができます。閲覧を希望される場合には、下部に記載されているお問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。

13.個人情報等の取扱い

NILS-LSAの情報と試料は、匿名化した状態で保管・解析しております。尚、対象者の方からの申し出による同意の撤回や転居や死亡など追跡に必要な情報を更新するため、特定の個人を識別可能なデータとNILS-LSA固有のIDとの対応表を作成し、国立長寿医療研究センター内のNILS-LSA研究に直接関わらない者が保管しております。
解析にあたっては、匿名化データを用いるため、解析を行う研究者も、検査結果がどなたのものであるかは分かりません。
また研究成果は、集団として集計した結果を学会報告や論文として発表しますので、解析結果から個人が特定されることはありません。

14.試料・情報の保管および廃棄の方法

 本研究で試料は用いません。本研究で利用する全すべてのNILS-LSAに関する情報は、外部からのアクセスが不可能な、国立長寿医療研究センター内のパスワード管理されたサーバ内で保管します。また、本研究で利用する匿名化されたNILS-LSAデータおよび学術的公表に関する解析結果や解析プログラムなどは、一般からの問い合わせに応じることができるよう、研究終了(研究期間終了)後も10年間は、外部からのアクセスが不可能な、国立長寿医療研究センター内のパスワード管理されたサーバ内で保管します。また、本研究の研究協力者である赤松友梨(国立長寿医療研究センター老化疫学研究部 研究生)が解析を行うため、赤松が所属する京都大学大学院 医学研究科内の外部からのアクセスが不可能な、施錠管理された研究室の個人専用コンピュータにおいても、本研究で用いる情報および解析結果、解析プログラムを保管します。研究期間終了後には、京都大学内に保管した情報、解析結果、解析プログラムを国立長寿医療研究センターに移管し、京都大学内に保管したすべての情報は破棄します。
尚、特定の個人を識別可能なデータとNILS-LSA固有のIDとの対応表は、国立長寿医療研究センター内のNILS-LSA研究に直接関わらない者が、研究終了(研究期間終了)後も10年間は、外部からのアクセスが不可能な、国立長寿医療研究センター内のパスワード管理されたサーバ内で保管します。ただし、研究期間終了から10年後以降は、本研究に用いたすべての情報は個人が特定されない状態で完全に消去します。

15.研究の資金源等、研究機関の研究に係る利益相反および個人の収益等、研究者等の研究に係る利益相反に関する状況

NILS-LSAのすべての情報・試料は、国立長寿医療研究センターの運営費や公的研究費(競争的研究資金等)を主財源として収集しており、国立長寿医療研究センターが管理・運用を行っています。本研究は、国立長寿医療研究センター所属の研究者による共同研究であり、国立長寿医療研究センターの長寿医療研究開発費を資金源とします。本研究に参加する研究者間に一切の利害関係はなく、研究費について開示すべきCOI(利益相反)はありません。

16.研究対象者等およびその関係者からの相談等への対応

本研究に関するご不明点などございましたら、以下に記載のお問い合わせ先までご連絡ください。

本研究に関するお問い合わせ先

国立研究開発法人国立長寿医療研究センター

老年学・社会科学研究センター 老化疫学研究部
長期縦断疫学調査センター
老化疫学研究部長 大塚礼

〒474-8511 愛知県大府市森岡町七丁目430番地

電話:0562-46-2311(代表)(平日9時-15時)