ホーム > 研究の推進 > 人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針に基づく研究実施の情報公開 > 倫理・利益相反委員会受付番号No.1322-3
「脳局所容積の加齢変化に対する長鎖高度不飽和脂肪酸(LCPUFA)を含む食事パターンと余暇活動の組み合わせの影響に関する検討」についてのお知らせ
国立長寿医療研究センターでは、「国立長寿医療研究センター・老化に関する長期縦断疫学研究(NILS-LSA)」への研究参加同意をいただいた方を対象とした、生命科学・医学系研究を実施しております。NILS-LSAでは、対象者の皆様の様々な調査・検査結果を、老化・老年病予防を目的とした研究に利用しております。尚、対象者の皆様からは、様々な調査・検査結果を老化・老年病予防を目的とした研究に使用することについて、同意を得ております。
このような研究は、厚生労働省・文部科学省・経済産業省の「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」の規定により、対象となる方のお一人ずつから直接ご同意をいただかずに実施することができますが、研究内容の情報を公開することが必要とされています。このお知らせをもって研究内容の情報公開とさせていただきますので、ご理解いただけますようお願いいたします。
本研究に関するお問い合わせなどがございましたら、下記の「本研究に関するお問い合わせ先」までご連絡いただけますようお願いいたします。
2025年2月14日
記
「脳局所容積の加齢変化に対する長鎖高度不飽和脂肪酸(LCPUFA)を含む食事パターンと余暇活動の組み合わせの影響に関する検討」(倫理・利益相反委員会受付番号No.1322-3)
本研究課題については、国立長寿医療研究センター倫理・利益相反委員会による倫理審査を経て、国立長寿医療研究センター理事長の実施許可を受けております。
超高齢社会において、認知症は個人の健康寿命の短縮に加え、家族や社会への精神的・経済的損失の影響が大きい深刻な疾患であり、科学的根拠に基づく予防策構築の必要性が高まっています。特に、食事や余暇活動は、改善可能な生活習慣の中でも取りかかりやすい習慣と考えられます。
本研究ではNILS-LSAのデータを利用し、脂肪酸を中心とする食事パターンと余暇活動との組み合わせが、脳局所容積の加齢変化におよぼす影響を検討することで、脳局所容積の維持に関連する食生活や余暇の過ごし方を明らかにする予定です。
本研究の成果は、一般の皆様における食生活や余暇活動の改善を通した認知症や認知機能低下の予防策を考える上で、有益な科学的根拠となることが期待されます。
*本研究では情報のみを使用し、試料は使用しません。また、上記の情報については、利用・提供前に被験者保護の観点から、倫理・利益相反委員会承認後1か月以上経過後から、利用予定です。
*本研究では、他機関に試料・情報の提供はいたしません。
愛知県大府市および知多郡東浦町の地域住民(観察開始時年齢40歳から79歳)からの無作為抽出者を対象とした、「国立長寿医療研究センター・老化に関する長期縦断疫学研究(NILS-LSA)」第5次・6次、7次、9次調査に参加し、頭部MRI検査を受けるとともに、脂肪酸の摂取量・血中濃度、食事調査データ等の必要変数に欠損のない中高年者約2,000名の方を、研究対象者とします。これらの方において、長鎖高度不飽和脂肪酸を含む食事パターンと余暇活動の組み合わせが脳の構造学的変化および認知機能にどのような影響をおよぼすかを、疫学的に明らかにします。
2020年2月7日から2027年3月31日
NILS-LSA第5次(2006年7月から2008年7月)、第6次(2008年7月から2010年6月)、第7次(2010年7月から2012年6月)、第9次(2018年10月から2022年2月)の調査において頭部MRI検査を受けるとともに、脂肪酸の摂取量・血中濃度、食事調査データ等の必要変数に欠損のない、中高年者約2,000名の方を対象者とします。
NILS-LSAに提供いただいた既存の調査票記録および調査結果を研究に利用するのみであり、プライバシーの保護についても十分に配慮されるため、対象者の方に新たに発生する負担はありません。予測されるリスクは個人情報の流出ですが、個人から得られたデータは、個人が特定できないIDにより管理し、解析の際は氏名など個人を特定できる情報を除いた状態のデータを用いるため、個人情報流出の可能性は極めて低いです。また研究成果は、集団として解析した結果のみを示すため、研究成果から個人が特定されることはありません。
データの解析は国立長寿医療研究センター内の所定の計算機で行い、解析結果は、サントリーウエルネス株式会社の研究責任者および研究分担者と随時共有します。ただし、国立長寿医療研究センターからサントリーウエルネス株式会社へ提供する解析結果は、特定の個人を識別できない、集団としての解析結果(IDおよび個別データを含まない集計値)のみです。
対象者個人に対する直接の利益も想定されませんが、本研究から健康に有益な情報が発信された場合、その情報を個人の健康増進に役立てることにより、間接的に利益が得られる場合はあります。
対象者の方ご自身の検査結果が、本研究課題に利用されることに同意いただけない場合には、研究に使用する検査結果からあなたにかかる情報を削除いたしますので、下部に記載されているお問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。研究期間の途中であっても構いません。
情報の削除依頼をしたことにより、不利益な取扱いを受けることはございません。ただし、ご連絡をいただいた時点で、研究結果が学会報告や論文等ですでに公開されている場合などには、解析結果を削除できないことがあります。
この掲示により、本研究に関する情報公開とします。本研究で得られた研究結果は国立長寿医療研究センターが実施する研究として、学会報告・論文投稿を通して発表します。また研究成果の内容によってはホームページ掲載や広報紙にて、対象者および一般住民の方に向けた内容で公表します。
他の対象者の個人情報保護および本研究の独創性の確保に支障がない範囲内で、研究計画書および研究の方法に関する資料を閲覧することができます。閲覧を希望される場合には、下部に記載されているお問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。
NILS-LSAの情報と試料は、氏名など個人を特定できる情報を除いた状態で保管・解析しております。尚、対象者の方からの申し出による同意の撤回や、転居や死亡など追跡に必要な情報を更新するため、特定の個人を識別可能なデータとNILS-LSA固有のIDとの対応表を作成し、国立長寿医療研究センター内のNILS-LSA研究に直接関わらない者が保管しております。
解析にあたっては、氏名など個人を特定できる情報を除いた状態のデータを用いるため、解析を行う研究者も、検査結果がどなたのものであるかは分かりません。
また研究成果は集団として集計した結果を学会報告や論文として発表しますので、解析結果から個人が特定されることはありません。
本研究で、試料は用いません。本研究で利用するすべてのNILS-LSAに関する情報は、外部からのアクセスが不可能な、国立長寿医療研究センター内のパスワード管理されたサーバ内で保管します。また、本研究で利用する氏名など個人を特定できる情報を除いたNILS-LSAデータおよび学術的公表に関する解析結果や解析プログラムなどは、一般からの問い合わせに応じることができるよう、研究終了(研究期間終了)後も10年間は、外部からのアクセスが不可能な、国立長寿医療研究センター内のパスワード管理されたサーバ内で保管します。尚、特定の個人を識別可能なデータとNILS-LSA固有のIDとの対応表は、国立長寿医療研究センター内のNILS-LSA研究に直接関わらない者が、研究終了(研究期間終了)後も10年間は、外部からのアクセスが不可能な、国立長寿医療研究センター内のパスワード管理されたサーバ内で保管します。ただし、研究期間終了から10年後以降は、本研究に用いたすべての情報は、個人が特定されない状態で完全に消去します。
NILS-LSAのすべてのデータは、国立長寿医療研究センターの運営費や公的研究費(競争的研究資金等)を主財源として収集しており、国立長寿医療研究センターが管理・運用を行っています。本研究遂行に際しては、主としてサントリーウエルネス株式会社との共同研究費を利用しますが、一部、長寿医療研究開発費からも支出する場合があります。
サントリーウエルネス株式会社と、国立長寿医療研究センターおよび本研究に参加する国立長寿医療研究センター研究者の間に、一切の利害関係はありません。利益相反については、当センターの利益相反対処方針に従い、利益相反行為防止規則を遵守し、適正に本研究を実施します。尚、共同研究成果の学術的公表に際しては、利益相反事項を明示し、研究成果に歪みが生じないよう細心の注意を払います。
本研究に関するご不明点などございましたら、下部に記載のお問い合わせ先までご連絡ください。
国立研究開発法人国立長寿医療研究センター
研究所 老年学・社会科学研究センター 老化疫学研究部
長期縦断疫学調査センター
老化疫学研究部長 大塚礼
〒474-8511 愛知県大府市森岡町七丁目430番地
電話:0562-46-2311(代表)