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ホーム > 研究の推進 > 人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針に基づく研究実施の情報公開 > 倫理・利益相反委員会受付番号No.1309

倫理・利益相反委員会受付番号No.1309

「高齢者の下部尿路機能障害に関する研究
-膀胱の構造的変化(粘膜微小血管変化と肉柱形成)と下部尿路症状との関連性-(倫理・利益相反委員会受付番号No.1309)」人を対象とする医学系研究実施についてのお知らせ

 国立長寿医療研究センター泌尿器外科では、以下の人を対象とする医学系研究を実施しております。
 この研究は、通常の診療で得られた情報(カルテなど)から必要な情報を取り出し、まとめることによって行われるものです。
 このような研究は、厚生労働省・文部科学省の「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」の規定により、対象となる患者さんのお一人ずつから直接ご同意をいただかずに実施することができますが、研究内容の情報を公開することが必要とされています。このお知らせをもって研究内容の情報公開とさせていただきますので、ご理解いただけますようお願いいたします。
 この研究に関するお問い合わせなどがございましたら、下記の「17.この研究に関するお問い合わせ先」までご連絡いただけますようお願いいたします。

2019年12月18日

  1. 研究課題名
    「高齢者の下部尿路機能障害に関する研究
    ―膀胱の構造的変化(粘膜微小血管変化と肉柱形成)と下部尿路症状との関連性―」
    (倫理・利益相反委員会受付番号No.1309)
    この研究課題については、国立長寿医療研究センター倫理・利益相反委員会による倫理審査を経て、国立長寿医療研究センター理事長の実施許可を受けております。
  2. 研究機関の名称及び研究責任者
    国立長寿医療研究センター泌尿器外科部 野宮正範
  3. 研究分担者名
    国立長寿医療研究センター泌尿器外科部 吉田正貴、西井久枝
  4. 当該研究の意義、目的
    近年、ヒトを対象とした疫学研究において、生活習慣病や動脈硬化と下部尿路症状(頻尿、尿失禁、尿勢の低下など)との関連性が指摘されています。前立腺肥大症を対象とした臨床研究では、膀胱血流が低下していると下部尿路症状が残存するなど、高齢者の下部尿路症状と膀胱血流障害の関連性が注目されております。また、高齢者では膀胱壁が硬くなる膀胱線維化(肉柱形成)を呈することがあります。これまで我々は、膀胱血流障害に着目し、動物実験において膀胱血流障害が膀胱の構造的変化(膀胱線維化)の原因となることを証明しました。しかし、実臨床においては、高齢者の下部尿路症状と膀胱血流障害との関連性についての報告は少ないのも事実です。
    そこで本研究は、高齢者の下部尿路症状の重症度と膀胱血流障害による膀胱の構造的変化(膀胱粘膜微小血管の変化と肉柱形成)の関連性を検討することを目的としました。本研究で得られる知見は、高齢者の下部尿路症状の原因解明のみならず血管保護や血流改善を標的とした新たな治療法にも応用できると考えています。
  5. 研究に使用する情報
    国立長寿医療研究センター泌尿器外科で保存されている膀胱内視鏡検査映像およびカルテ情報(尿流動態検査、下部尿路症状スコア、年齢、身長、体重、性別、BMI、併存疾患の有無、服薬数および生活習慣病に関連する薬剤の有無)
  6. 当該研究の方法
    加齢に伴い下部尿路症状を有する人は増加します。また、生活習慣病や動脈硬化、前立腺肥大症などの病気があると下部尿路症状は重症化することも指摘されています。この下部尿路症状の発症には、加齢に伴う膀胱血流の低下が関与すると推察されています。そこで、これまでに膀胱内視鏡検査を施行された自排尿可能な患者さんの膀胱内観察映像から膀胱粘膜血管の変化や線維化の状態を解析し、下部尿路症状との関連性を検討します。ただし除外基準として、膀胱カテーテル留置、尿路感染症、尿路結石症、尿道狭窄、高度な骨盤内臓脱、神経学的異常を伴う神経因性膀胱を有する患者さんは対象外となります。また、尿路の悪性腫瘍を合併する患者さんは対象外ですが、手術後の定期通院患者さんは除外基準となりません。
    2016年4月1日から2019年9月30日までに泌尿器外科外来で膀胱内視鏡検査を施行された40歳以上の患者さん(男女)のカルテ情報と保存データを後ろ向きに解析します。方法は、膀胱内視鏡検査の保存映像をコンピュータに取り込み、膀胱壁の構造的変化(膀胱粘膜微小血管の走行変化と肉柱形成)の程度を分類化します。そのグレード分類と下部尿路症状の重症度や排尿動態検査で得られるデータとの関連性を検討します。また、年齢、身長、体重、性別、BMI、併存疾患の有無、服薬数および生活習慣病に関連する薬剤の有無が、膀胱壁の構造的変化に影響するか統計学的検討を加えます。
  7. 研究期間
    2019年12月18日 ~ 2021年3月31日まで
  8. 対象となる患者さん・研究対象者として選定された理由
    2016年4月1日から2019年9月30日までに泌尿器外科外来で膀胱内視鏡検査を施行された40歳以上の患者さん(男女)で、膀胱内視鏡映像および下部尿路症状スコアや排尿動態検査が保存されている自排尿可能な患者さんを選定します。ただし、上記6.当該研究の方法に記載する除外基準に該当する患者さんは選定から除外されます。
  9. 研究対象者に生じる負担並びに予測されるリスク及び利益
    既存の診療情報の利用のみであり、プライバシーの保護についても十分に配慮されるため、新たに発生する不利益並びに危険性は想定されません。また、対象者個人に対する直接の利益も想定されません。
  10. 研究実施について同意しないこと及び同意を撤回することの自由について
    ご自身の診療情報が、当該課題に利用されることにご同意いただけない場合には、研究に使用する情報からあなたにかかる情報を削除いたしますので、17.に記載されているお問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。研究期間の途中であっても構いません。また、情報の削除依頼をしたことにより、不利益な取扱いを受けることはございません。ただし、ご連絡をいただいた時点で、研究結果が学会や論文等で既に公開されている場合などには解析結果を削除できないことがあります。
  11. 研究に関する情報公開の方法
    本掲示により研究に関する情報公開といたします。研究結果の公開については、研究責任者(野宮正範)が、ホームページ掲載、日本排尿機能学会、日本泌尿器科学会、老年泌尿器科学会ならびに国際尿禁制学会、あるいは科学雑誌で発表を行う予定でおります。
  12. 研究計画書等の閲覧について
    他の研究対象者等の個人情報等の保護及び当該研究の独創性の確保に支障がない範囲内で研究計画書及び研究の方法に関する資料を閲覧することができます。閲覧を希望される場合には、17.に記載されているお問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。
  13. 個人情報等の取扱い
    この研究では、診療情報(電子カルテ)より上記5.の情報を抽出して使用いたしますが、患者さんが特定できる情報(氏名・住所(ケースにより・患者ID番号)など)を削除した状態で抽出しています。抽出データに残されている患者ID番号についても、患者ID番号とは別の新たな符号・番号に置き換えた上で保管し、研究に使用いたします。患者ID番号と置き換えた符号・番号との対応表は研究に使用する抽出データとは別にされ、当センター内にて厳重に保管されます。
    また、研究成果は学会や論文として発表されますが、その際にも患者さんを特定できるような内容を含むことはございません。
  14. 試料・情報の保管及び廃棄の方法
    抽出したデータ、患者ID番号と置き換えた符号・番号との対応表、匿名化されたデータについては、研究期間終了後10年もしくは学会や論文等での発表から10年の間保管いたします。抽出したデータ、匿名化されたデータや対応表については泌尿器外科にて保存媒体を施錠保管いたします。保管期間満了後は速やかにデータを廃棄いたします。
  15. 研究の資金源等、研究機関の研究に係る利益相反及び個人の収益等、研究者等の研究に係る利益相反に関する状況
    本研究は日本学術振興会の科学研究費補助金が資金源となっています。研究に関わるすべての関係者は当センターの利益相反防止規則に則り、本研究を適正かつ円滑に遂行します。本研究に参加することによる経済的負担は発生せず、また、謝礼金を渡すこともありません。
  16. 研究対象者等及びその関係者からの相談等への対応
    下記問い合わせ先にて対応させていただきます。
  17. この研究に関するお問い合わせ先
    〒474-8511 愛知県大府市森岡町七丁目430番地
    国立長寿医療研究センター 泌尿器外科部 TEL:0562-46-2311(代表)
    責任者 国立長寿医療研究センター 泌尿器外科部 医長 野宮正範