倫理・利益相反委員会受付番号No.1304-2
「NILS-LSA対象者における服用薬剤の抗コリン負荷と認知機能障害の関係に関する研究(倫理・利益相反委員会受付番号No.1304-2)」:人を対象とする医学系研究実施についてのお知らせ
国立長寿医療研究センターでは、「国立長寿医療研究センター・老化に関する長期縦断疫学研究(NILS-LSA)」への研究参加同意をいただいた方を対象とした医学系研究を実施しております。
NILS-LSAでは、対象者の皆様の様々な調査・検査結果を、老化・老年病予防を目的とした研究に利用しております。
尚、対象者の皆様からは、様々な調査・検査結果を老化・老年病予防を目的とした研究に使用することについて、同意を得ております。
この度、国立長寿医療研究センターにおいて「NILS-LSA対象者における服用薬剤の抗コリン負荷と認知機能障害の関係に関する研究」を実施することとなりましたので、人を対象とする医学系研究に関する倫理指針に基づき、研究実施の情報公開をいたします。
本研究に関するお問い合わせなどがございましたら、下記の「本研究に関するお問い合わせ先」までご連絡いただけますようお願いいたします。
2021年5月13日
記
- 研究課題名
「NILS-LSA対象者における服用薬剤の抗コリン負荷と認知機能障害の関係に関する研究」
(倫理・利益相反委員会受付番号No. 1304-2)
本研究課題は、国立長寿医療研究センター倫理・利益相反委員会による倫理審査を経て、国立長寿医療研究センター理事長の実施許可を受けております。
- 研究機関の名称および研究責任者の氏名
吉田正貴(国立長寿医療研究センター 泌尿器外科部 客員研究員)
- 研究分担者名
横山剛志(国立長寿医療研究センター 看護部 研究生)
丹下智香子(国立長寿医療研究センター 老年学・社会科学研究センター 老化疫学研究部 研究員)
富田真紀子(国立長寿医療研究センター 老年学・社会科学研究センター 老化疫学研究部 研究員)
大塚礼(国立長寿医療研究センター 老年学・社会科学研究センター 老化疫学研究部 部長)
下方浩史(国立長寿医療研究センター 老年学・社会科学研究センター 老化疫学研究部 客員研究員)
西田裕紀子(国立長寿医療研究センター 老年学・社会科学研究センター 老化疫学研究部 副部長)
- 本研究の意義、目的
高齢期には様々な疾患により多数の薬剤を服用する場合があります。近年、複数の薬剤に含まれる抗コリン作用注1)が、認知機能障害のリスクを高める可能性が指摘されていますが、抗コリン作用と認知機能の関連は未だ明らかではありません。
本研究では、地域在住の一般高齢者の方を対象として、抗コリン作用を含む薬剤摂取と認知機能との長期的な関連を明らかにすることを目的とします。
注1)抗コリン作用:神経伝達物質の一つであるアセチルコリンが、アセチルコリン受容体に結合するのを阻害する作用
- 本研究の研究計画
愛知県大府市および知多郡東浦町の地域住民(観察開始時年齢40歳から79歳)からの無作為抽出者を対象とした「国立長寿医療研究センター・老化に関する長期縦断疫学研究(NILS-LSA)」第1次から第3次調査に参加した60歳以上男女の服薬調査記録から抗コリン負荷の指標(抗コリン薬注2)スケール)を計算します。その後、抗コリン薬スケールと、NILS-LSA第1次から第8次調査の認知機能のスコアとの関連を解析して、抗コリン薬スケールが認知機能にどのような影響を及ぼすかを明らかにします。
注2)抗コリン薬:神経伝達物質の一つであるアセチルコリンが、アセチルコリン受容体に結合するのを阻害する薬物
- 本研究で使用する試料・情報
・服薬調査票(NILS-LSA第1次から第3次調査)
・認知機能スコア(NILS-LSA第2次から第8次調査)
・個人背景要因:病歴、喫煙、家族構成、日常生活活動、生活機能得点(NILS-LSA第1次~第8
次調査)
*本研究では情報のみを使用し、試料は使用しません。
- 研究期間
2020年1月7日 ~ 2023年12月31日
- 対象となる方・研究対象者として選定された理由
NILS-LSA第1次から第3次調査(1997年~2004年)に研究参加同意された60歳以上(第1次調査、第2次調査または第3次調査時において60歳以上)の男女約1,500名のうち、薬剤や認知機能に関するデータが揃った方を対象者とします。
- 研究対象者に生じる負担並びに予測されるリスクおよび利益
NILS-LSAに提供いただいた既存の調査票記録および調査結果を研究に利用するのみであり、プライバシーの保護についても十分に配慮されるため、対象者の方に新たに発生する負担はありません。予測されるリスクは個人情報の流出ですが、個人から得られたデータは、個人が特定できないIDにより管理し、解析の際は匿名化データを用いるため、個人情報流出の可能性は極めて低いです。また研究成果は、集団として解析した結果のみを示すため、研究成果から個人が特定されることはありません。
対象者個人に対する直接の利益も想定されませんが、本研究から健康に有益な情報が発信された場合、その情報を個人の健康増進に役立てることにより、間接的に利益が得られる場合はあります。
- 研究実施について同意しないことおよび同意を撤回することの自由について
対象者の方ご自身の検査結果が、本研究課題に利用されることに同意いただけない場合には、研究に使用する検査結果からあなたにかかる情報を削除いたしますので、下部に記載されているお問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。研究期間の途中であっても構いません。
情報の削除依頼をしたことにより、不利益な取扱いを受けることはございません。ただし、ご連絡をいただいた時点で、研究結果が学会報告や論文等ですでに公開されている場合などには解析結果を削除できないことがあります。
- 本研究に関する情報公開の方法
この掲示により本研究に関する情報公開とします。本研究で得られた研究結果は国立長寿医療研究センターが実施する研究として、ホームページ掲載・学会報告・論文投稿等を通して発表します。
- 研究計画書等の閲覧について
他の対象者の個人情報保護並びに本研究の独創性の確保に支障がない範囲内で研究計画書および研究の方法に関する資料を閲覧することができます。閲覧を希望される場合には、下部に記載されているお問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。
- 個人情報等の取扱い
NILS-LSAの情報と試料は匿名化した状態で保管・解析しております。尚、対象者の方からの申し出による同意の撤回や転居や死亡などの追跡に必要な情報を更新するため、特定の個人を識別可能なデータとNILS-LSA固有のIDとの対応表を作成し、国立長寿医療研究センター内のNILS-LSA研究に直接関わらない第3者が保管しております。
解析にあたっては匿名化データを用いるため、解析を行う研究者も、検査結果がどなたのものであるかは分かりません。
また、研究成果は集団として集計した結果を学会報告や論文として発表しますので、解析結果から個人が特定されることはありません。
- 試料・情報の保管および廃棄の方法
本研究で試料は用いません。本研究で利用するすべてのNILS-LSAに関する情報は、外部からのアクセスが不可能な国立長寿医療研究センター内のパスワード管理されたサーバー内で保管します。また、本研究で利用する匿名化されたNILS-LSAデータおよび学術的公表に関する解析結果や解析プログラムなどは、一般の方からの問い合わせに応じることができるよう、研究終了(研究期間終了)後も10年間は、外部からのアクセスが不可能な国立長寿医療研究センター内のパスワード管理されたサーバー内で保管します。尚、特定の個人を識別可能なデータとNILS-LSA固有のIDとの対応表は、国立長寿医療研究センター内のNILS-LSA研究に直接関わらない第3者が研究終了(研究期間終了)後も10年間は、外部からのアクセスが不可能な国立長寿医療研究センター内のパスワード管理されたサーバー内で保管します。ただし、研究期間終了から10年後以降は、本研究に用いたすべての情報は個人が特定されない状態で完全に消去します。
- 研究の資金源等、研究機関の研究に係る利益相反および個人の収益等、研究者等の研究に係る利益相反に関する状況
NILS-LSAのすべての情報・試料は、国立長寿医療研究センターの運営費や公的研究費(競争的研究資金等)を主財源として収集しており、国立長寿医療研究センターが管理・運用を行っています。本研究は、国立長寿医療研究センター所属の研究者による共同研究であり、国立長寿医療研究センターの長寿医療研究開発費を資金源とします。本研究に参加する研究者間に一切の利害関係は無く、研究費について開示すべきCOI(利益相反)はありません。
- 研究対象者等およびその関係者からの相談等への対応
本研究に関するご不明点などございましたら、下部に記載のお問い合わせ先までご連絡ください。
本研究に関するお問い合わせ先
国立研究開発法人国立長寿医療研究センター
老年学・社会科学研究センター 老化疫学研究部
長期縦断疫学調査センター
老化疫学研究部長 大塚礼
〒474-8511 愛知県大府市森岡町七丁目430番地
電話:0562-46-2311(代表)(平日9時-15時)