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ホーム > 研究の推進 > 人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針に基づく研究実施の情報公開 > 倫理・利益相反委員会受付番号No.1280

倫理・利益相反委員会受付番号No.1280

「Pleuroparenchymal fibroelastosisおよびIdiopathic pulmonary fibrosisにおける肺胞上皮剥離の検討(倫理・利益相反委員会受付番号No.1280)」人を対象とする医学系研究実施についてのお知らせ

 国立長寿医療研究センター呼吸器内科部では、以下の人を対象とする医学系研究を実施しております。
 この研究は、通常の診療で得られた情報(カルテなど)から必要な情報を取り出し、まとめることによって行われるものです。
 このような研究は、厚生労働省・文部科学省の「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」の規定により、対象となる患者さんのお一人ずつから直接ご同意をいただかずに実施することができますが、研究内容の情報を公開することが必要とされています。このお知らせをもって研究内容の情報公開とさせていただきますので、ご理解いただけますようお願いいたします。
 この研究に関するお問い合わせなどがございましたら、下記の「17.この研究に関するお問い合わせ先」までご連絡いただけますようお願いいたします。

2019年10月28日

  1. 研究課題名
    「Pleuroparenchymal fibroelastosisおよびIdiopathic pulmonary fibrosisにおける肺胞上皮剥離の検討」
    (倫理・利益相反委員会受付番号No.1280)
    この研究課題については、国立長寿医療研究センター倫理・利益相反委員会による倫理審査を経て、国立長寿医療研究センター理事長の実施許可を受けております。
  2. 研究機関の名称及び研究責任者の氏名
    長崎大学大学院 福岡 順也 (病理診断科)
  3. 研究分担者名(部署名)
    長崎大学病院 財前 圭晃 (病理診断科)(研究事務局)
    福岡大学病院 木下 義晃(呼吸器内科)
    公立陶生病院 近藤 康博(呼吸器・アレルギー疾患内科)
    済生会熊本病院 一門 和哉(呼吸器科)
    国立長寿医療研究センター 西村 浩一(呼吸器内科)
    久留米大学医学部 岡元 昌樹(呼吸器・神経・膠原病内科部門)
    大分大学医学部 山末 まり(呼吸器・感染症内科学講座)
    沖縄県立中部病院 喜舎場 朝雄(呼吸器内科)
    はるひ呼吸器病院 小橋 保夫(呼吸器内科)
    大垣市民病院 安藤 守秀(呼吸器内科)
    豊田厚生病院 高嶋 浩司(呼吸器内科)
    熊本大学医学部付属病院 御任 玲美(呼吸器内科)
  4. 当該研究の意義、目的
    Pleuroparenchymal fibroelastosis(PPFE)と呼ばれる稀な肺の病気があります。この稀な病気の日本語の病名には、まだ確立したものがないので、ここではPPFEと英語の病名の略語を使用して、この病気の解説をさせていただきます。このPPFEは、わが国では、1992年に網谷らが特発性上葉限局型肺線維症として初めて報告しました。PPFEという英語の病名は、2004年にFrankelらにより命名された疾患です。2013年に発表されたアメリカ胸部医学会およびヨーロッパ呼吸器学会による特発性間質性肺炎の国際分類では、特発性肺線維症などの主要な間質性肺炎に加えて、稀な間質性肺炎として特発性PPFEが記載されています。また、原因不明であり特発性と分類されるPPFE以外にも、二次性に(即ちその他の原因が明らかな)PPFEをきたす原因として、肺移植後や造血幹細胞移植後の慢性移植片対宿主病(graft versus host disease: GVHD)などが知られています。
    PPFEは病理組織学的には、胸膜に並走する弾性線維の帯状の集簇、膠原線維が充満した肺胞、硝子化した膠原線維による胸膜肥厚などを特徴としています。組織学的には、原因不明の特発性PPFEと、GVHDなどに見られる二次性のPPFEとの違いは指摘されていません。また、このような病理組織所見を呈する原因については未だ不明のままです。長崎大学大学院医歯薬学総合研究科 病理学/病理診断科では、GVHDにともなうPPFE症例の病理組織所見においては、病変近傍の肺胞領域に上皮剥離が多く見られ、かつT細胞系リンパ球が剥離部に多く認められることを報告し、GVHDに伴い生じた上皮剥離がPPFEの組織所見を形成する原因である可能性を報告しました。
    PPFEに対する治療法として、GVHDや肺移植に伴う二次性PPFEについては免疫抑制療法の強化が行われていますが、それにもかかわらず進行する症例があります。また、原因不明の特発性PPFEに対する治療は、現時点では確立されていません。病理組織学的にPPFEの原因は今のところ不明であり、その解明は原因不明の特発性PPFEや治療抵抗性の二次性PPFEに対する治療戦略の確立や治療薬の開発に寄与する可能性があります。
    この研究では、研究対象者の過去の病理組織標本を使用して、PPFE症例における病変近傍の上皮剥離を評価し、特発性肺線維症やコントロール症例と比較してその程度の差を検討します。この研究を行う事で、現時点では判明していないPPFEの病因解明につながり、原因不明の特発性PPFEや治療抵抗性の二次性PPFEに対する治療戦略の確立や治療薬の開発に寄与する可能性があります。
    国立長寿医療研究センター呼吸器内科で診療を受けている患者さんが、その診断のため他院で外科的肺生検を受けた後、病理組織学的診断のため、肺標本が長崎大学大学院医歯薬学総合研究科病理学/病理診断科に送付されました。その患者さんの診断がこの病気に該当すると考えられたために、臨床情報を提供し、全国から同様の背景をもつ患者さんの臨床情報とあわせて解析することによって、この病気の病態について明らかとすることができると考えられます。
  5. 研究に使用する情報
    本研究は、以下の患者さんに関する臨床情報を、国立長寿医療研究センター呼吸器内科の診療録から振り返って調査し、電子メールでそれを送付、提供します。この研究を実施することによって新たな検査が実施されることはありません。
    ・患者背景:年齢、性別、喫煙歴
    ・血液生化学検査:KL-6,SP-D(肺の病気の活動性を反映する血液検査の測定値です)
    ・肺機能検査:%VC, %FVC, FEV1%, %DLCO, %DLCO/VA, RV, %RV/TLC (肺活量に代表される肺機能検査の精密な検査結果です)
  6. 当該研究の方法
    分担研究者の西村浩一は、国立長寿医療研究センター呼吸器内科で診療を受けている該当患者さんに関する臨床情報をカルテから調査し、主任研究者に送付、提供します。分担研究者の西村浩一は、情報を研究事務局へ提供するのみで、病理組織学的検討には関与しません。
  7. 研究期間
    研究実施期間:2019年10月28日~2021年3月31日
    情報収集期間:2019年10月28日~2019年12月31日
  8. 対象となる患者さん・研究対象者として選定された理由
    この研究の対象となる患者さんは、2013年1月1日~2019年3月31日の間に、長崎大学大学院 医歯薬学総合研究科 病理学/病理診断科に外科的肺生検検体のコンサルテーションが行われ、Pleuroparenchymal fibroelastosis またはdefinite usual interstitial pneumonia patternと診断された患者さんです。
  9. 研究対象者に生じる負担並びに予測されるリスク及び利益
    既存の診療情報の利用のみであり、プライバシーの保護についても十分に配慮されるた め、新たに発生する不利益並びに危険性は想定されません。また、対象者個人に対する直接の利益も想定されません。
  10. 研究実施について同意しないこと及び同意を撤回することの自由について
    ご自身の診療情報が、当該課題に利用されることにご同意いただけない場合には、研究 に使用する情報からあなたにかかる情報を削除いたしますので、17.に記載されているお問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。研究期間の途中であっても構いません。また、情報の削除依頼をしたことにより、不利益な取扱いを受けることはございません。ただし、ご連絡をいただいた時点で、研究結果が学会や論文等で既に公開されている場合などには解析結果を削除できないことがあります。
    患者さんご本人が、連絡出来ない場合には、その配偶者、父母、成人の子、成人の兄弟姉妹若しくは孫、祖父母、同居の親族またはそれらの親近者に準ずると考えられる方が連絡していただければ、同様に対応させていただきます。
  11. 研究に関する情報公開の方法
    本掲示により研究に関する情報公開といたします。研究結果の公開については、学会発表および学術雑誌への論文投稿にて行う予定でおります。
  12. 研究計画書等の閲覧について
    他の研究対象者等の個人情報等の保護及び当該研究の独創性の確保に支障がない範囲内で研究計画書及び研究の方法に関する資料を閲覧することができます。閲覧を希望される場合には、17.に記載されているお問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。
  13. 個人情報等の取扱い
    この研究では、診療情報(電子カルテ)より上記5.の情報を抽出して使用いたします。抽出データに残されている患者ID番号についても、患者ID番号とは別の新たな符号・番号 に置き換えた上で保管し、研究に使用いたします。患者ID番号と置き換えた符号・番号との対応表は研究に使用する抽出デ一夕とは別にされ、当センター内にて厳重に保管されます。また、当センター以外の研究参加施設である福岡大学病院、公立陶生病院、済生会熊本病院、久留米大学医学部、大分大学医学部、沖縄県立中部病院、はるひ呼吸器病院、大垣市民病院、豊田厚生病院、熊本大学医学部付属病院における患者さんの対応表は、各々の施設毎に保管されます。また、研究成果は学会や論文として発表されますが、その際にも患者さんを特定できるような内容を含むことはございません。
  14. 試料・情報の保管及び廃棄の方法
    抽出したデータ、患者ID番号と置き換えた符号・番号との対応表、匿名化されたデータについては、研究終了日から10年を経過あるいは研究結果の公表日から10年を経過したいずれか遅い日まで、保管いたします。抽出したデータ、匿名化されたデ一夕および対応表は呼吸器内科にて、保存媒体を施錠保管いたします。保管期間満了後は速やかに廃棄します。廃棄する際は、匿名化した個人情報に注意して、紙はシュレッターにかけ、電子媒体は情報の消去をすることを徹底し、情報が復元できないように、デ 一夕を廃棄いたします。
  15. 研究の資金源等、研究機関の研究に係る利益相反及び個人の収益等、研究者等の研究に係る利益相反に関する状況
    この研究は、研究者が独立して計画し実施するものです。外部の企業からの資金や便益等の提供を受けておらず利益相反を生じていないため、研究結果および解析に及ぼす影響はありません。当センター利益相反行為防止規則に則り、本研究を適切かつ円滑に遂行するものです。当センター呼吸器内科における研究には、経費は発生せず、資金を得ることはありません。
  16. 研究対象者等及びその関係者からの相談等への対応
    研究対象者等及びその関係者から本研究に関する相談等がある場合には、遠慮なく下記にお問い合わせください。
  17. この研究に関するお問い合わせ先
    国立長寿医療研究センター呼吸器内科部 部長 西村 浩一
    〒474-8511 愛知県大府市森岡町7丁目430番地
    電話:0562-46-2311
    FAX:0562-44-8518