倫理・利益相反委員会受付番号No.1279
「メタボローム解析を用いた認知機能低下予測ツールの開発(倫理・利益相反委員会受付番号No.1279)」:人を対象とする医学系研究実施についてのお知らせ
国立長寿医療研究センターでは、「国立長寿医療研究センター・老化に関する長期縦断疫学研究(NILS-LSA)」への研究参加同意をいただいた方を対象とした医学系研究を実施しております。NILS-LSAでは、対象者の皆様の様々な調査・検査結果を、老化・老年病予防を目的とした研究に利用しております。尚、対象者の皆様からは、様々な調査・検査結果を老化・老年病予防を目的とした研究に使用することについて、同意を得ております。
この度、国立長寿医療研究センターと東北大学・東北メディカル・メガバンクとの共同研究として「メタボローム解析を用いた認知機能低下予測ツールの開発」を実施することとなりましたので、人を対象とする医学系研究に関する倫理指針に基づき、研究実施の情報公開をいたします。
この研究に関するお問い合わせなどがございましたら、下記の「17.この研究に関するお問い合わせ先」までご連絡いただけますようお願いいたします。
2019年9月26日
記
- 研究課題名
「メタボローム解析を用いた認知機能低下予測ツールの開発」
(倫理・利益相反委員会受付番号No.1279)
この研究課題は、国立長寿医療研究センター倫理・利益相反委員会による倫理審査を経て、国立長寿医療研究センター理事長の実施許可を受けております。
- 研究機関の名称及び研究責任者の氏名
東北大学 東北メディカル・メガバンク機構 教授 寳澤 篤
- 研究分担者名
東北大学 加齢医学研究所 教授 瀧 靖之
東北大学 メディカル・メガバンク機構 教授 小柴生造
国立長寿医療研究センター 理事長 荒井秀典
(国立長寿医療研究センターにおける本研究の研究責任者)
国立長寿医療研究センター 老年学・社会科学研究センター
NILS-LSA活用研究室 室長 大塚 礼
国立長寿医療研究センター 老年学・社会科学研究センター
老化疫学研究部 コホート連携推進研究室 室長 西田裕紀子
- 当該研究の意義、目的
認知症の予防対策を考える上で、将来の認知機能低下を予測するツールの開発は重要です。現在わが国では認知機能低下の予測因子に関する研究が盛んに行われておりますが、実用可能な予測ツールの開発までは至っておりません。そこで本研究では、血中代謝物質(メタボローム)に着目し、メタボローム分析結果による認知機能低下予測ツールの開発を試みます。
- 当該研究の研究計画
愛知県大府市および知多郡東浦町の地域住民(観察開始時年齢40歳から79歳)からの無作為抽出者を対象とした「国立長寿医療研究センター・老化に関する長期縦断疫学研究(NILS-LSA)」第5次調査に参加した60歳以上男女の凍結血清を用いて、東北メディカル・メガバンクにてメタボローム測定を行い、NILS-LSA第5次調査~第8次調査で収集した認知機能スコアとの関連性を検討することで、認知機能低下に関連するメタボロームを同定します。同時に東北メディカル・メガバンクのMRIデータと凍結血清を用いて海馬体積などの認知機能低下に特徴的な脳形態や、認知機能低下と関連するメタボロームを同定します。この双方で相互検証されたメタボロームから認知機能低下予測ツールを作成します。
- 研究で使用する試料・情報
・凍結血清(NILS-LSA第5次調査)
・認知機能スコア(NILS-LSA第5次~第8次調査)
・個人背景要因:病歴、身長・体重・血液検査値などの生体情報、就業の有無・家族構成などの社会的要因(NILS-LSA第5次~第8次調査)
- 研究期間
2019年9月26日 ~ 2022年3月31日
- 対象となる方・研究対象者として選定された理由
NILS-LSA第5次調査(2006年~2010年)に研究参加同意された60歳以上の男女約1,000名のうち、メタボローム解析結果や認知機能に関するデータが揃った方を対象者とします。
- 研究対象者に生じる負担並びに予測されるリスク及び利益
NILS-LSAに提供いただいた既存の検査結果および凍結血清を研究に利用するのみであり、プライバシーの保護についても十分に配慮されるため、新たに発生する不利益並びに危険性は想定されません。また、対象者個人に対する直接の利益も想定されませんが、認知症研究が進捗しその恩恵を被る可能性はあります。
- 研究実施について同意しないこと及び同意を撤回することの自由について
対象者の方ご自身の検査結果が、当該課題に利用されることに同意いただけない場合には、研究に使用する検査結果からあなたにかかる情報を削除いたしますので、17.に記載されているお問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。研究期間の途中であっても構いません。
情報の削除依頼をしたことにより、不利益な取扱いを受けることはございません。ただし、ご連絡をいただいた時点で、研究結果が学会報告や論文等で既に公開されている場合などには解析結果を削除できないことがあります。
- 研究に関する情報公開の方法
本掲示により研究に関する情報公開とします。本研究で得られた研究結果は国立長寿医療研究センターと東北大学メディカル・メガバンクの共同研究として、ホームページ掲載・学会報告・論文投稿等を通して発表します。
- 研究計画書等の閲覧について
他の対象者の個人情報保護及び当該研究の独創性の確保に支障がない範囲内で研究計画書及び研究の方法に関する資料を閲覧することができます。閲覧を希望される場合には、17.に記載されているお問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。
- 個人情報等の取扱い
NILS-LSAの情報と試料は匿名化した状態で保管・解析しております。尚、対象者の方からの申し出による同意の撤回や転居や死亡など追跡に必要な情報を更新するため、そして新データベース作成の過程で連結する必要性が生じる可能性があるため、特定の個人を識別可能なデータとNILS-LSA固有のIDとの対応表を作成し、国立長寿医療研究センター内のNILS-LSA研究に直接関わらない第3者が保管しております。
解析にあたっては、匿名化データを用いるため、解析を行う研究者も、検査結果がどなたのものであるかは分かりません。
また研究成果は集団として集計した結果を学会報告や論文として発表しますので、解析結果から個人が特定されることはありません。
- 試料・情報の保管及び廃棄の方法
当該研究で利用する全てのNILS-LSAに関する情報は、外部からのアクセスが不可能な国立長寿医療研究センター内のパスワード管理されたサーバー内で保管します。また、当該研究で利用する匿名化されたNILS-LSAデータおよび学術的公表に関する解析結果や解析プログラムなどは、一般からの問い合わせに応じることができるよう、研究終了(研究期間終了)後も10年間は、外部からのアクセスが不可能な国立長寿医療研究センター内のパスワード管理されたサーバー内で保管します。尚、特定の個人を識別可能なデータとNILS-LSA固有のIDとの対応表は、国立長寿医療研究センター内のNILS-LSA研究に直接関わらない第3者が研究終了(研究期間終了)後も10年間は、外部からのアクセスが不可能な国立長寿医療研究センター内のパスワード管理されたサーバー内で保管します。ただし、研究期間終了から10年後以降は、当該研究に用いた全ての情報は個人が特定されない状態で完全に消去します。
本研究ではNILS-LSAの凍結血清を東北メディカル・メガバンクに送付し、東北メディカル・メガバンクにてメタボローム解析を実施しますが、メタボローム解析後のNILS-LSA残余血清は、東北メディカル・メガバンクにて個人が特定されない状態で廃棄する予定です。
- 研究の資金源等、研究機関の研究に係る利益相反及び個人の収益等、研究者等の研究に係る利益相反に関する状況
NILS-LSAの全ての情報・試料は、国立長寿医療研究センターの運営費や公的研究費(競争的研究資金等)を主財源として収集しており、国立長寿医療研究センターが管理・運用を行っています。本研究遂行に際しては、公的研究費を用いて実施します。
本研究に参加する国立長寿医療研究センターと東北メディカル・メガバンクの研究者の間に一切の利害関係はありません。
- 研究対象者等及びその関係者からの相談等への対応
当研究に関するご不明点などございましたら、17.に記載のお問い合わせ先までご連絡ください。
- この研究に関するお問い合わせ先
国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター
老年学・社会科学研究センター NILS-LSA活用研究室
長期縦断疫学調査センター NILS-LSA活用研究室長 大塚礼
〒474-8511 大府市森岡町七丁目430番地
電話:0562-44-5651 (機械音声・プッシュ回線)
0562-46-2311 (代表・ダイヤル回線)
ともに 内線5466,5462(平日9時-15時)