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倫理・利益相反委員会受付番号No.1237-5

「血小板機能に着目した糖尿病からアルツハイマー型認知症の発症に至る機序の解明(倫理・利益相反委員会受付番号No.1237-5)」人を対象とする生命科学・医学系研究実施についてのお知らせ

 国立長寿医療研究センターでは、以下の人を対象とする生命科学・医学系研究を実施しております。
 本研究は、国立長寿医療研究センターバイオバンク(以下バイオバンクという。)の保存する試料・情報を用いて実施するものです。
バイオバンクの管理する試料・情報については、提供者よりその利用にかかる包括的同意を得ており、厚生労働省・文部科学省・経済産業省の「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」の規程により、対象となる試料等の提供者お一人ずつから直接同意をいただかずに実施することができますが、研究内容の情報を公開することが必要とされています。このお知らせをもって研究内容の情報公開とさせていただきますので、ご理解いただけますようお願いいたします。
 本研究に関するお問い合わせなどがございましたら、下記の「本研究に関するお問い合わせ先」までご連絡いただけますようお願いいたします。

2022年12月21日

1.研究課題名

「血小板機能に着目した糖尿病からアルツハイマー型認知症の発症に至る機序の解明」
(倫理・利益相反委員会受付番号No.1237-5)
本研究課題については、国立長寿医療研究センター倫理・利益相反委員会による倫理審査を経て、国立長寿医療研究センター理事長の実施許可を受けております。

2.研究機関の名称および研究責任者の氏名(部署名)

  • 国立長寿医療研究センター臨床検査部/メディカルゲノムセンターバイオバンク 徳田 治彦
  • 岐阜大学大学院医学系研究科薬理病態学分野 西脇 理英

3.研究分担者名(部署名)

国立長寿医療研究センター

  • 研究所 櫻井 孝
  • 代謝内科部 大村 卓也

4.本研究の意義、目的

糖尿病はアルツハイマー型認知症の危険因子としてよく知られていますが、その機序は未だ判然としていません。私共はこれまでに糖尿病患者における血小板機能を解析し、多くの患者で血小板凝集の亢進が見られること、そのシグナル伝達は糖尿病を持たない場合と異なりP2Y12受容体を介するシグナルが主要な役割を果たすことを報告しました(Matsuno H et al., J. Clin. Endocrinol. Metab., 90:920-927, 2005)。さらに研究を進め、血小板凝集能の程度に応じてリン酸化された低分子量ストレス蛋白質(HSP27)が血小板外に分泌されること(Tokuda H et al., Plos One 2015:10:e0128997)をはじめ、糖尿病における血小板機能制御に関する知見を明らかとしてきました。一方、アルツハイマー型認知症は高齢期の自立を損なう主要な疾患の一つですが、アミロイドベータ(Aβ)と呼ばれるタンパク質が脳内に蓄積していることがよく知られています。Aβの前駆物質であるアミロイド前駆体タンパク質は血小板に豊富に含まれ、血液中のAβの大部分は血小板に由来することから、血小板はアルツハイマー型認知症の治療における新たな標的として注目されています(Inyushin et al., BioMed Res. Int. 2017;2017:3948360)。
この研究は、バイオバンクに登録された貴重な情報および試料を用いて、血小板に由来するバイオマーカーを分析して、糖尿病からアルツハイマー型認知症に至る機序の一端を血小板機能の視点から明らかとすることにより、アルツハイマー型認知症発症予防に役立つ有効な検査法・治療法開発の一助とすることを目的としています。本研究は、血小板機能に関する私共の知見をアルツハイマー型認知症の危険因子としての糖尿病という観点から発展させるものであり、極めて独創性が高く、かつ質の高いバイオバンク試料・情報を活用するため非常に有意義と考えられます。

5.本研究に使用する情報

メディカルゲノムセンターバイオバンクに登録された、血液試料、電子カルテから収集した相当するMRI所見(大脳白質病変・萎縮度)、その他の診療情報(身長、体重、血圧、服用中の薬剤名、喫煙歴、糖尿病罹病期間・治療期間、網膜症の有無・病期、MMSE、白血球数、赤血球数、血色素値、血小板数、総蛋白、アルブミン、AST、ALT、ALP、γ-GTP、総コレステロール、HDL-コレステロール、中性脂肪、尿素窒素、クレアチニン、eGFR、血糖、HbA1c)

6.本研究の方法

アルツハイマー型認知症および軽度認知障害において糖尿病合併例、非合併例を年齢、性別を一致させて抽出し、バイオバンクに保管している血漿中のバイオマーカーを測定します。認知機能正常健常群においても同様の測定をします。これらの試料に相当するMRI所見(大脳白質病変・萎縮度)について、関係する様々な情報と突き合わせ、分類・分析することにより、糖尿病からアルツハイマー型認知症の発症に係るハイリスク要因を推定します。

7.研究期間

2019年4月1日 ~ 2025年3月31日

8.対象となる方・研究対象者として選定された理由

本研究は、国立長寿医療研究センターバイオバンクに登録されている健常者、軽度認知障害およびアルツハイマー型認知症の方を対象としています。

9.研究対象者に生じる負担並びに予測されるリスクおよび利益

バイオバンクに保管されている匿名化された試料・情報を利用するものであることから、個人情報保護についても十分に配慮されるため、新たに発生する不利益並びに危険性は想定されません。また、対象者個人に対する直接の利益も想定されません。

10.研究実施について同意しないことおよび同意を撤回することの自由について

ご自身の試料・情報が、本研究に利用されることにご同意いただけない場合には、研究に使用する試料・情報からあなたにかかる試料・情報を削除いたしますので、下部に記載されているお問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。研究期間の途中であっても構いません。また、試料・情報の削除依頼をしたことにより、不利益な取扱いを受けることはございません。ただし、ご連絡をいただいた時点で、研究結果が学会や論文等ですでに公開されている場合は解析結果を削除できないことがあります。

11.本研究に関する情報公開の方法

この掲示により本研究に関する情報公開といたします。研究結果の公開についてはホームページ掲載・学会発表・論文投稿などを通じて行う予定でおります。

12.研究計画書等の閲覧について

他の研究対象者等の個人情報等の保護および本研究の独創性の確保に支障がない範囲内で研究計画書および研究の方法に関する資料を閲覧することができます。閲覧を希望される場合には、下部に記載されているお問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。

13.個人情報等の取扱い

この研究で使用する情報(上記 項目5)は、バイオバンクから分譲を受けます。分譲される情報に含まれる個人を特定する事項(氏名、生年月日、住所、病院ID等)は、バイオバンクの有する匿名化システムによって削除され、新たな符号が付されます。分譲以降はこの符号で管理されます。新たな符号と個人を結びつける対応表はバイオバンクのみが保有し、研究倫理指針の定める個人情報管理者によって保護されます。

14.試料・情報の保管および廃棄の方法

情報については研究成果の公表後10年間、専用のハードディスクドライブに施錠・保管されます。保管期間満了後は速やかに記憶媒体から削除いたします。試料は解析終了後廃棄されます。

15.研究の資金源等、研究機関の研究に係る利益相反および個人の収益等、研究者等の研究に係る利益相反に関する状況

  • 研究資金:長寿医療研究開発費
  • 利益相反:本研究における利益相反はありません

16.研究対象者等およびその関係者からの相談等への対応

この研究に対する問い合わせは下部において随時受け付けます。この研究は、当該被験者が識別される保有する個人情報はございませんので、保有する個人情報についての開示は行っておりません。

本研究に関するお問い合わせ先

国立研究開発法人国立長寿医療研究センター
 臨床検査部長/メディカルゲノムセンター バイオリソース管理部長 徳田 治彦

〒474-8511 愛知県大府市森岡町七丁目430番地

電話:0562-46-2311(代表)