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倫理・利益相反委員会受付番号No.1220

「Scarred Organizing Pneumonia (Cicatricial variant of cryptogenic organizing pneumonia)における臨床像の検討(倫理・利益相反委員会受付番号No.1220)」人を対象とする医学系研究 実施についてのお知らせ

 国立長寿医療研究センター呼吸器内科部では、以下の人を対象とする医学系研究を実施しております。
 この研究は、通常の診療で得られた情報(カルテなど)から必要な情報を取り出し、まとめることによって行われるものです。
 このような研究は、厚生労働省・文部科学省の「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」の規定により、対象となる患者さんのお一人ずつから直接ご同意をいただかずに実施することができますが、研究内容の情報を公開することが必要とされています。このお知らせをもって研究内容の情報公開とさせていただきますので、ご理解いただけますようお願いいたします。
 この研究に関するお問い合わせなどがございましたら、下記の「17.この研究に関するお問い合わせ先」までご連絡いただけますようお願いいたします。
2019年4月10日
 
  1.  研究課題名:Scarred Organizing Pneumonia (Cicatricial variant of cryptogenic organizing pneumonia)における臨床像の検討(倫理・利益相反委員会受付番号No.1220)
    この研究課題については、国立長寿医療研究センター倫理・利益相反委員会による倫理審査を経て、国立長寿医療研究センター理事長の実施許可を受けております。
  2. 研究機関の名称及び研究責任者の氏名(部署名)
    長崎大学病院 病理診断科 福岡 順也  
  3. 研究分担者名(部署名)
    国立長寿医療研究センター呼吸器内科 部長 西村 浩一
    公立陶生病院 呼吸器・アレルギー疾患内科 近藤 康博
    大垣市民病院 呼吸器内科 白木 晶
    済生会福岡総合病院 呼吸器内科 古山 和人
  4. 当該研究の意義、目的
    特発性器質化肺炎と呼ばれる病気は、急性から亜急性に経過する特発性間質性肺炎の一亜型とされています。多くはステロイド療法によく反応して可逆性ですが、一部の症例では病理組織学的に器質化病変が瘢痕化して線維化が進行することがあるとされています。
    海外では、様々な病名が使用されて来ましたが、長崎大学の福岡教授グループはScarred organizing pneumonia (以下「Scarred OP」という。)という病名を使ってきました。しかし、こういった瘢痕化する器質化肺炎がどのような特徴を有するのか明らかとされてはいません。
    本研究は長崎大学大学院医歯薬学総合研究科病理学病理診断科にコンサルテーションされた外科的肺生検検体と依頼元から提供された臨床情報を用いて、Scarred OPの病理組織像を有する症例の病理像および臨床像を明らかにし、その特徴を検討することを目的としています。Scarred OPの特徴を明らかとすることにより、現時点では明らかではないScarred OPの病理像を持つ間質性肺炎患者への治療の必要性や予後についての見解を示すことが本研究の意義であると考えています。
    国立長寿医療研究センター呼吸器内科で診療を受けている1名の患者さんが、その診断のため他院で外科的肺生検を受けた後、病理組織学的診断のため、肺標本が長崎大学大学院医歯薬学総合研究科病理学病理診断科に送付されました。その患者さんの診断がこの病気に該当すると考えられたために、臨床情報を提供し、全国から同様の背景をもつ患者さんの臨床情報とあわせて解析することによって、この病気の病態について明らかとすることができると考えられます。
  5. 研究に使用する情報
    本研究は、以下の患者さんに関する臨床情報を、国立長寿医療研究センター呼吸器内科の診療録から振り返って調査し、電子メールでそれを送付、提供します。この研究を実施することによって新たな検査が実施されることはありません。
    ・患者背景:年齢、性別、喫煙歴、既往歴(特に膠原病診断の有無)、薬剤投与歴
    ・予後データ:最終受診日、治療内容、受診が終了ないし中止となっている場合はその理由、死亡されている場合は直接死因
    ・血液生化学検査:LDH,CRP,KL-6,SP-D(全身や肺の病気の活動性を反映する血液検査の測定値です。)
    ・特異的自己抗体検査:抗核抗体,リウマチ因子,抗CCP抗体,抗ds-DNA抗体,抗SS-A抗体,抗SS-B抗体,抗RNP抗体,抗Sm抗体,抗Scl-70抗体,抗ARS抗体,抗MDA5抗体,抗トポイソメラーゼ抗体(全身性エリテマトーデス、関節リウマチ、その他種々の膠原病のときに陽性となる血液検査の結果です。)
    ・血液ガス分析:PaO2, P/F比(動脈血ガス分析等によって測定される肺による酸素化に関する測定値です。)
    ・画像検査:胸部X線写真立位正面像、胸部単純CT 
    ・肺機能検査:%VC, %FVC, FEV1%, %DLCO, %DLCO/VA(肺活量に代表される肺機能検査の精密な検査結果です。)
    ・6分間歩行試験:歩行距離、最低SpO2
    ・気管支鏡検査:気管支肺胞洗浄液検査(総細胞数、マクロファージ比率、リンパ球比率、好中球比率、好酸球比率、リンパ球CD4/8比)
    項目

    外科的肺生検前(コ

    ンサルテーション時)

    外科的肺生検後

    6か月(±2か月)

    外科的肺生検後

    12か月(±2か月)

    情報収集期間

    終了時

    患者背景
    予後データ
    血液生化学検査
    特異的自己抗体検査
    血液ガス分析
    画像検査
    病理組織検体
    肺機能検査
    6分間歩行試験
    気管支鏡検査
  6. 当該研究の方法
    分担研究者の西村浩一は、国立長寿医療研究センター呼吸器内科で診療を受けている該当患者さん1名に関する臨床情報をカルテから調査し、主任研究者に送付、提供します。分担研究者の西村浩一は、情報を主任研究者へ提供するのみで、病理組織学的検討や病理組織像と臨床データの比較検討には関与しません。
  7. 研究期間
    研究実施期間:2019年4月10日~2019年9月30日
    情報収集期間:2019年4月10日~2019年7月31日
  8. 対象となる患者さん・研究対象者として選定された理由
    この多施設共同研究の選択基準は、2016年1月1日~2018年7月31日の間に、長崎大学大学院医歯薬学総合研究科病理学病理診断科に外科的肺生検検体のコンサルテーションが行われ、慢性線維性間質性肺炎又は器質化肺炎と診断された患者さんです。
  9. 研究対象者に生じる負担並びに予測されるリスク及び利益
    既存の診療情報の利用のみであり、プライバシーの保護についても十分に配慮されるた め、新たに発生する不利益並びに危険性は想定されません。また、対象者個人に対する直接の利益も想定されません。
  10. 研究実施について同意しないこと及び同意を撤回することの自由について
    ご自身の診療情報が、当該課題に利用されることにご同意いただけない場合には、研究 に使用する情報からあなたにかかる情報を削除いたしますので、17.に記載されているお問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。研究期間の途中であっても構いません。また、情報の削除依頼をしたことにより、不利益な取扱いを受けることはございません。ただし、ご連絡をいただいた時点で、研究結果が学会や論文等で既に公開されている場合などには解析結果を削除できないことがあります。
    患者さんご本人が、連絡出来ない場合には、その配偶者、父母、成人の子、成人の兄弟姉妹若しくは孫、祖父母、同居の親族またはそれらの親近者に準ずると考えられる方が連絡していただければ、同様に対応させていただきます。
  11. 研究に関する情報公開の方法
    本掲示により研究に関する情報公開といたします。研究結果の公開については、学会発表および学術雑誌への論文投稿にて行う予定でおります。
  12. 研究計画書等の閲覧について
    他の研究対象者等の個人情報等の保護及び当該研究の独創性の確保に支障がない範囲内で研究計画書及び研究の方法に関する資料を閲覧することができます。閲覧を希望される場合には、17.に記載されているお問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。
  13. 個人情報等の取扱い
    この研究では、診療情報(電子カルテ)より上記5.の情報を抽出して使用いたします。抽出データに残されている患者ID番号についても、患者ID番号とは別の新たな符号・番号 に置き換えた上で保管し、研究に使用いたします。患者ID番号と置き換えた符号・番号との対応表は研究に使用する抽出デ一夕とは別にされ、当センター内にて厳重に保管されます。また、当センター以外の研究参加施設である公立陶生病院、大垣市民病院、済生会福岡総合病院における患者さんの対応表は、各々の施設毎に保管されます。また、研究成果は学会や論文として発表されますが、その際にも患者さんを特定できるような内容を含むことはございません。
  14. 試料・情報の保管及び廃棄の方法
    抽出したデータ、患者ID番号と置き換えた符号・番号との対応表、匿名化されたデータについては、研究終了日から10年を経過あるいは研究結果の公表日から10年を経過したいずれか遅い日をまで、保管いたします。抽出したデータ、匿名化されたデ一夕については呼吸器内科にて、対応表については治験・臨床研究推進センターにて、保存媒体を施錠保管いたします。保管期間満了後は速やかに廃棄します。廃棄する際は、匿名化した個人情報に注意して、紙はシュレッターにかけ、電子媒体は情報の消去をすることを徹底し、情報が復元できないように、データを廃棄いたします。
  15. 研究の資金源等、研究機関の研究に係る利益相反及び個人の収益等、研究者等の研究に係る利益相反に関する状況
    この研究は、研究者が独立して計画し実施するものです。外部の企業からの資金や便益等の提供を受けておらず利益相反を生じていないため、研究結果および解析に及ぼす影響はありません。当センター利益相反行為防止規則に則り、本研究を適切かつ円滑に遂行するものです。当センター呼吸器内科における研究には、経費は発生せず、資金を得ることはありません。
  16. 研究対象者等及びその関係者からの相談等への対応
    研究対象者等及びその関係者から本研究に関する相談等がある場合には、遠慮なく下記にお問い合わせください。
  17. この研究に関するお問い合わせ先
    国立長寿医療研究センター呼吸器内科 部長 西村 浩一
    474-8511 愛知県大府市森岡町七丁目430番地 
    TEL:0562-46-2311
    FAX:0562-44-8518