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ホーム > 研究の推進 > 人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針に基づく研究実施の情報公開 > 倫理・利益相反委員会受付番号No.1209

倫理・利益相反委員会受付番号No.1209

「剖検脳から抽出したタウを用いた神経原線維変化進展へのβアミロイドや危険因子の影響の解明(倫理・利益相反委員会受付番号No.1209)」人を対象とする医学系研究実施についてのお知らせ

 国立長寿医療研究センター分子基盤研究部では、以下の人を対象とする医学系研究を実施しております。
 この研究は、東京都健康長寿医療センター・高齢者ブレインバンクから分譲を受けた試料・情報を用いて解析を行うものです。東京都健康長寿医療センター・高齢者ブレインバンクにおきまして、お預かりした試料・情報の利用にかかる包括的同意をいただいておりますが、このような研究は、厚生労働省・文部科学省の「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」の規定により、研究内容の情報を公開することが必要とされています。このお知らせをもって、研究内容の情報公開とさせていただきますので、ご理解いただけますようお願いいたします。
 この研究に関するお問い合わせなどがございましたら、下記の「この研究に関するお問い合わせ先」までご連絡いただけますようお願いいたします。

2019年8月13日

  1. 研究課題名
    「剖検脳から抽出したタウを用いた神経原線維変化進展へのβアミロイドや危険因子の影響の解明」
    (倫理・利益相反委員会受付番号No.1209)
    この研究課題については、国立長寿医療研究センター倫理・利益相反委員会による倫理審査を経て、国立長寿医療研究センター理事長の実施許可を受けております。。
  2. 研究機関の名称及び研究責任者の氏名
    国立長寿医療研究センター 分子基盤研究部 部長  里 直行
    東京都健康長寿医療センター 神経内科・高齢者ブレインバンク 部長  村山 繁雄
    東京都医学総合研究所 認知症・高次脳機能研究分野 分野長 長谷川 成人
  3. 研究分担者名
    国立長寿医療研究センター 分子基盤研究部 室長 篠原 充
    国立長寿医療研究センター 分子基盤研究部 流動研究員 田代 善崇
  4. 当該研究の意義、目的
    高齢化社会を迎えた現代において、認知症で困っている患者さん、ご家族、関係者の方は非常に多く、解決の待たれる疾患です。アルツハイマー病は認知症の原因として最も多い病気であり、予防・治療法の開発が強く求められています。そのためにはアルツハイマー病が何故、どのように発症するのか、病気の機序をしっかりと理解していくことが重要です。アルツハイマー病の患者さんの脳内で見られる主要な変化として、神経細胞の減少とともに、βアミロイドというタンパク質が凝集してできる老人斑、およびタウというタンパク質が凝集してできる神経原線維変化があります。今回、東京都医学総合研究所の長谷川成人分野長が、亡くなったアルツハイマー病患者さんの脳からタウを抽出し、生きた実験用のネズミの脳に注入することで、アルツハイマー病でみられる神経原線維変化が数か月後に起きることを発見しました。そこで我々は、同手法を使って、神経原線維変化に対するβアミロイドやアルツハイマー病の危険因子(糖尿病や加齢、APOE遺伝子多型)の影響を、動物モデルを使って検討します。本研究を行うことで、アルツハイマー病患者さんの脳内で起こっているタンパク質の蓄積の仕組みが分かり、病気の治療法開発に役立つものと考えられます。
  5. 研究に使用する情報
    剖検脳標本・臨床情報(年齢、性別、罹患期間、重症度、APOE遺伝子多型、糖尿病の有無)
  6. 当該研究の方法
    東京都健康長寿医療センターから提供を受けたヒト剖検脳を、東京都医学総合研究所にてPHFの抽出を行い、抽出されたPHFを当センターにて野生型マウス脳に注入します。この再現良く神経原線維変化の病理が進展するモデルを用いて、神経原線維変化に対するβアミロイドや危険因子(糖尿病、加齢、APOE4)の影響を検討します。
  7. 研究期間
    2019年8月13日 ~ 2021年3月31日
  8. 対象となる方・研究対象者として選定された理由
    2000年4月~2018年11月まで東京都健康長寿医療研究センター・高齢者ブレインバンクに登録された方
  9. 研究対象者に生じる負担並びに予測されるリスク及び利益
    東京都健康長寿医療センター・高齢者ブレインバンクに収集されている既存の試料・情報を利用するのみであり、プライバシーの保護についても十分に配慮されるため、新たに発生する不利益並びに危険性は想定されません。また、対象者個人に対する直接の利益も想定されません。
  10. 研究実施について同意しないこと及び同意を撤回することの自由について
    ご家族の試料・情報が、当該課題に利用されることにご同意いただけない場合には、研究に使用する試料・情報から、ご家族にかかる試料・情報を削除いたしますので、17.に記載されている問合せ先にご連絡いただけますようお願いいたします。研究期間の途中であっても構いません。また、試料・情報の削除依頼をしたことにより、不利益な取扱いを受けることはございません。ただし、ご連絡をいただいた時点で、研究結果が学会や論文等で既に公開されている場合などには解析結果を削除できないことがあります。
  11. 研究に関する情報公開の方法
    本掲示により、研究に関する情報公開といたします。研究結果の公開については、ホームページ掲載・学会発表・論文投稿にて行う予定です。
  12. 研究計画書等の閲覧について
    他の研究対象者等の個人情報等の保護及び当該研究の独創性の確保に支障がない範囲内で、研究計画書及び研究の方法に関する資料を閲覧することができます。閲覧を希望される場合には、17.に記載されている問合せ先にご連絡いただけますようお願いいたします。
  13. 個人情報等の取扱い
    この研究では、東京都健康長寿医療センター・高齢者ブレインバンクの上記5.の試料・情報の分譲を受けて使用いたしますが、匿名化されたうえで研究者に提供されています。研究者に提供された試料・情報がどなたのものであるかが分かる対応表は、東京都健康長寿医療センターのみが保有しており、研究者に提示されることはありません。
    また、研究成果は学会や論文として発表されますが、その際にも、患者さんを特定できるような内容を含むことはございません。
  14. 試料・情報の保管及び廃棄の方法
    匿名化されたデータについては、国立長寿医療研究センター分子基盤研究部のデスクトップおよびラップトップコンピューターに当該研究に関する論文などの発表後10年間まで保管します。匿名化されたデータと個人の識別情報との対応表については東京都健康長寿医療センターにて、保存媒体を施錠保管します。保管期間満了後は保存媒体ごと専門家とも相談しながら安全な形でデータを廃棄します。試料は、東京都医学総合研究所にて抽出したものを使用しますが、混合や盗難、紛失等が起こらないように本研究の関係者のみがアクセスできる国立長寿医療研究センター・分子基盤研究部の冷蔵庫、冷凍庫にて保管します。研究終了後、研究対象者の脳検体がもし余った場合は東京都医学総合研究所から東京都健康長寿医療センターに返却します。
  15. 研究の資金源等、研究機関の研究に係る利益相反及び個人の収益等、研究者等の研究に係る利益相反に関する状況
    本研究は、長寿医療研究開発費によって行われます。研究機関および研究者などの研究に係る利益相反はありません。
  16. 研究対象者等及びその関係者からの相談等への対応
    研究責任者の里 直行が行います。下記までご連絡下さい。
  17. この研究に関するお問い合わせ先
    国立長寿医療研究センター 分子基盤研究部 部長 里 直行
    電話:0562-46-2311(内線6331)
    FAX: 0562-44-6597