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倫理・利益相反委員会受付番号No.1174-4

「『長寿コホートの総合的研究』に関する二次的データ収集と分析(倫理・利益相反委員会受付番号No.1174-4)」人を対象とする生命科学・医学系研究実施についてのお知らせ

 現在、国立長寿医療研究センターでは「長寿コホート総合的研究」として、日本人の高齢者の健康度や生活機能の状況について、国内でも比較的大規模で科学的精度の高い老化と老年病に関する長期的研究(縦断研究と呼んでいます)からのデータを収集し、よりレベルの高い総合的な調査研究を実施し、過去(2000年頃)から現在(2020年頃)、そして近未来(2030年頃)までの長期的な視点にわたって、質量ともに精度の高いデータを収集し、日本人の老化の状況を長期にわたり研究することとなりました。
 このような国内の個別の研究をまとめた大規模なデータを精密に分析することによって、高齢期の健康水準の動向や老化に伴う数多くの慢性的な疾患の有病率の動向、さらには要介護状態を予防(介護予防といいます)するための方策などが、より信頼性に高い情報として明らかにされることになります。そのためには、皆様方からご提供いただいたデータの一部を、再度寄せ集めて、より大きなデータ(ビッグデータともいいます。)として、国立長寿医療研究センターにおいて再分析・再活用による研究を実施することとなりましたので、人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針に基づき、研究実施の情報公開をいたします。
 この研究に関するお問い合わせなどがございましたら、下記の「本研究に関するお問い合わせ先」までご連絡いただけますようお願いいたします。

2022年4月27日

1.研究課題名

「『長寿コホートの総合的研究』に関する二次的データ収集と分析」
(倫理・利益相反委員会受付番号No.1174-4)
本研究課題については、国立長寿医療研究センター倫理・利益相反委員会による倫理審査を経て、国立長寿医療研究センター理事長の実施許可を受けております。

2.研究機関の名称および研究責任者の氏名(部署名)

研究代表者
 国立長寿医療研究センター 理事長特任補佐 鈴木 隆雄
研究責任者
 国立長寿医療研究センター 理事長特任補佐 鈴木隆雄
 千葉大学予防医学センター 教授 近藤克則(JAGESコホート)
 東京都健康長寿医療センター研究所 研究部長 藤原佳典(草津コホート・鳩山コホート)
 東京大学未来ビジョン研究センター/高齢社会総合研究機構 教授/機関長 飯島勝矢(柏スタディコホート)
 桜美林大学老年学総合研究所 教授 渡辺修一郎(嬬恋村研究コホート)
 筑波大学人間系 教授 山田実(米原コホート)
 鹿児島大学医学部保健学科 教授 牧迫飛雄馬(垂水研究コホート)
 大阪大学大学院医学系研究科 助教 村木功(CIRCSコホート)
 兵庫医科大学総合診療内科 主任教授 新村健(FESTA studyコホート)
 新見公立大学健康科学部地域福祉学科 教授 鄭丞媛

3.研究分担者名(部署名)

国立長寿医療研究センター 島田裕之(NCGG-SGSコホート)
国立長寿医療研究センター 大塚礼(NILS-LSAコホート) 
東京都健康長寿医療センター 小島 成実(板橋コホート)
東京都健康長寿医療センター 鈴木宏幸(東京MoCA-Jコホート)
東京都健康長寿医療センター 大渕 修一(お達者健診コホート)
東京都健康長寿医療センター 岩崎正則(高島平スタディコホート)
東京大学医学部 22世紀医療センター 吉村典子(ROAD研究コホート)
国立長寿医療研究センター 西田裕紀子 データ管理・研究課題の管理・解析

4.本研究の意義、目的

わが国には老年学・老年医学の研究機関を中心として、地域在宅高齢者を対象とした優れた老化に関する長期縦断研究が複数存在し、それぞれ特色ある精度の高い老化・老年学研究を進めていますが、必ずしも標準化された研究方法に準拠しているわけではなく、また対象者数もほとんどの研究で3千人に満たない比較的小規模な疫学研究となっています。
一方、近年欧米では、多施設研究を中心として数万人を対象とする大規模な長期縦断的疫学研究が推進されており、発症頻度の比較的少ない老化・老年病に関してもその有病率の推移や危険因子の同定などが解明されています。わが国では残念ながら、このような規模で太刀打ちできる大規模な疫学研究が皆無なのが実情であります。
このようなわが国の老化に関する疫学的な研究の状況を背景として、国立長寿医療研究センターでは2017年度から長寿医療研究開発費による多施設共同研究「長寿コホートの総合的研究」を開始しました。「長寿コホートの総合的研究」ではわが国の代表的な老化・老年病に関する16の研究班を厳選して長期縦断疫学研究を集約し、多くの共通する標準化された測定項目について、過去、現在そして今後(将来)にわたってデータを収集・分析し、わが国の高齢者の加齢に伴う健康水準の変動とその背景要因、危険因子、交絡要因はどのような因子であるか等を明らかにすること、さらには健康水準の変動が老化や老年病の発症、有病率等にどのような影響を及ぼすかを解明することを目的として開始されました。「長寿コホートの総合的研究」は2017年度~2019年度を初回調査期間と位置づけ、今後も長期にわたる縦断的研究として継続されることを前提としており、今後のわが国における老化・老年病の大規模な疫学研究の基盤的で精度の高い研究推進の中核となることが期待されます。

5.本研究の研究計画

2017年度~2019年度においてはすでに高齢者の生活機能が関与する以下のデータ収集を行いました。いずれのデータの個人データではなく、集団としての(各コホートにおける)性、年齢階層別、平均値±標準偏差としてデータを収集しました。
1)生活機能に関わる基本的6項目(身長、体重、BMI, 通常歩行速度、握力、手段的ADL)に関しては、2007年―2017年(いずれも±2年)の10年間の縦断データを収集し、日本人高齢者の縦断的変化を分析
2)サルコペニア・フレイルの有病率については2012年―2017年(いずれも±2年)の5年間の縦断データを収集し、縦断的変化を分析
3)「新高齢者活動能力指標(JST版)」については2017年(±1年)をベースラインとしたデータを収集し、分析
4)認知機能に関しては、2010年―2017年(いずれも±1年)の7年間の縦断データを収集し、縦断的変化を分析

2020年度以降の「長寿コホートの総合的研究」では、現在の老年学・老年医学の重要な課題である、「新高齢者活動能力指標(JST版)」、「フレイル」、「サルコペニア」そして「認知機能・認知症」を中心として、先にあげました16のコホート研究(老化・老年病に関する長期縦断研究)から、精度の高い個人別データを収集し、過去―現在―近未来に渡るわが国の地域高齢者の健康水準の変動やそれらに影響を及ぼす要因を解明することを計画しております。

6.研究で使用する情報

1) 研究の種類・デザインとしては「介入を伴わない前向き観察研究」と呼ばれる研究です。
2)観察および調査項目とその実施方法
16の老化・老年病に関する長期縦断コホート研究において、以下の項目について観察および測定を実施し、得られた匿名化データを本研究に利用いたします。全て1~2年に1回実施される定期的な地域在宅高齢者を対象とする健康診断からのデータを収集し統合的な分析を行うこととしております。ただし、以下の項目のデータの中で、あなた様の参加されているコホート研究で収得(測定)されていない項目がある場合には、該当する項目については(当然ですが)利用することはありません。
① 対象高齢者背景:性別、年齢、身長、体重
② 体格指数 Body Mass Index (BMI)
③ 通常歩行速度
④ 握力 (hand Dynamometer 使用)
⑤ 認知機能(MMSE あるいはMOCA-J等を基本とし、得点で収集)
⑥ 手段的生活動動作(老研式活動能力指標I-ADL項目 利用)
⑦ 高次生活動作能力(「新高齢者活動能力指標JST版」使用)
⑧ サルコペニア(「加齢性筋肉量減少症」;AWGSあるいはAWGS2019 判定基準を基本とする。データは下位項目の数量データで収集)
⑨ フレイル(Fried 変法による判定を基本とする。下位項目の数量データで収集)
⑩ 上記の観察する変数に対する交絡因子として、教育歴、喫煙・飲酒習慣の有無、就業の有無、配偶者の有無、独居の有無、高血圧・糖尿病・運動器疾患等の有無等の状況を収集します。
⑪ 調査地域(県)
⑫ 初回調査参加か否か

7.研究期間

2018年11月12日~2023年3月31日

8.対象となる方・研究対象者として選定された理由

本研究の対象者として選定される方は、すでに各コホートでの研究に参加を同意された方で、上記の測定項目と統計解析に必要なデータのそろった方を対象者といたします。

9.研究対象者に生じる負担並びに予測されるリスクおよび利益

本研究は既存の継続的に実施されている老化・老年病のデータ収集と再分析(メタアナリシス)を目的とした前向き研究であり、研究対象者に直接の利益は生じませんが、研究成果により将来の高齢者の健康づくりや要介護状態予防のため施策や活動には大きく貢献できる可能性があります。また本研究は観察研究であり、検査項目についても通常の高齢者健診で得られる非侵襲的なデータ収集であることから、本研究に参加する高齢者への直接的な不利益は生じないと考えています。

10.研究実施について同意しないことおよび同意を撤回することの自由について

対象者の方ご自身の検査結果が、本研究課題に利用されることに同意いただけない場合には、研究に使用する検査結果からあなたにかかる情報を削除いたしますので、下部に記載されているお問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。研究期間の途中であっても構いません。
情報の削除依頼をしたことにより、不利益な取扱いを受けることはございません。ただし、ご連絡をいただいた時点で、研究結果が学会報告や論文等ですでに公開されている場合などには解析結果を削除できないことがあります。

11.本研究に関する情報公開の方法

本掲示により研究に関する情報公開とします。本研究で得られた研究結果はホームページ掲載・学会報告・論文投稿等を通して発表しますが、COI開示などを通して、共同研究成果である旨を開示します。

12.研究計画書等の閲覧について

他の対象者の個人情報保護および本研究の独創性の確保に支障がない範囲内で研究計画書および研究の方法に関する資料を閲覧することができます。閲覧を希望される場合には、下部に記載されているお問い合わせ先にご連絡いただけますようお願いいたします。

13.個人情報等の取扱い

すべてのデータは匿名化した状態で保管・解析しております。また解析にあたっては、匿名化データを用いるため、解析を行う研究者も、検査結果がどなたのものであるかは分かりません。研究成果は集団として集計した結果を学会報告や論文として発表しますので、解析結果から個人が特定されることはありません。

14.試料・情報の保管および廃棄の方法

本研究で利用する全ての情報は、外部からのアクセスが不可能な国立長寿医療研究センター内のパスワード管理されたサーバー内で保管します(ただし、研究者と統合データを共有するため、一時的にパスワード管理されたネットワーク上のフォルダを用いる場合があります)。また、本研究で利用する匿名化されたデータおよび学術的公表に関する解析結果や解析プログラムなどは、一般からの問い合わせに応じることができるよう、研究終了(研究期間終了)後も10年間は、外部からのアクセスが不可能な国立長寿医療研究センター内のパスワード管理されたサーバー内で保管します。
ただし、研究期間終了から10年後以降は、本研究に用いた全ての情報は個人が特定されない状態で完全に消去します。

15. 研究終了後の対応

研究に関する報告は、年1回の中間報告を国立長寿医療研究センター理事長宛に提出する他、本研究終了後は終了報告を提出するとともに、この研究で得られた成果も含めて、研究責任者は研究対象高齢者に対し最も適切と考えられる健康情報(例えば、新たに見出された健康維持のための方策や介護予防に資する知見等)を提供します。

16. 本研究で得られたデータが同意を受ける時点では特定されない将来の研究の為に用いられる、または他の研究機関に提供される可能性について

本研究で得られたデータが(同意を受けた時点では特定されていない)将来の研究に用いられたり、あるいは他の研究機関に提供されたりする可能性があります。

17.研究の資金源等、研究機関の研究に係る利益相反および個人の収益等、研究者等の研究に係る利益相反に関する状況

本研究でのデータは、国立長寿医療研究センターの運営費や公的研究費(競争的研究資金等)を主財源として収集しており、国立長寿医療研究センターが管理・運用を行っています。尚、各コホートと、国立長寿医療研究センターおよび本研究に参加する研究者の間に一切の利害関係はありません。

18.研究対象者等およびその関係者からの相談等への対応

本研究に関するご不明点などございましたら、下部に記載のお問い合わせ先までご連絡ください。

本研究に関するお問い合わせ先

国立研究開発法人国立長寿医療研究センター 研究所
 理事長特任補佐 鈴木隆雄

〒474-8511 愛知県大府市森岡町七丁目430番地

電話:0562-46-2311(代表)