ホーム > 病院 > 病院について > 組織 > 在宅医療・地域医療連携推進部 > 在宅医療連携拠点事業拠点事業所の活動報告(Blog) > 平成24年 > 岩手県訪問先:チームもりおか
事業担当者:所長 板垣園子様
訪問日時:2012年8月1日(水曜日)13時50分~15時40分
今回は岩手県の在宅医療連携拠点である、「チームもりおか」へ訪問させて頂きました。
「はやて」と「こまち」が連結された東北新幹線に乗って盛岡へ到着しました。
ちょうど、さんさ踊りの初日であり、駅前には多くの人々が祭りの見物に集まっておられました。
各地域のイベント情報を把握せずにうごいておりましたので、偶然にも有名な東北のお祭りに遭遇することができて、うれしいひとときでした。
チームもりおかはもりおか往診クリニックの在宅医療連携拠点として盛岡市内に構えられた事業所であり、各関係多職種の連携調整や教育事業の展開、市民への活動展開をされておられます。
近くに事務所を持つことで連携先である県立中央病院(急性期病院)とより密な連携を可能としていました。
地域の在宅医療における問題として、高齢者の救急病院への搬送が多いことが急性期病院の機能を圧迫している現状もあり、地域の医療資源を有効の機能させるためには対応を求められる点だと伺いました。
その地域の課題に対し、一般の方々を対象(シルバーボランティアや民生委員の方々等)に、当事業や在宅医療の周知と認知を高める活動を重点的に展開されておられました。市民の新聞に公告を載せるなどの活動をされておられました。
開院されて10年の歴史をもつ、もりおか往診クリニックの歴史や活動初期のお話も分かりやすくパワーポイントの資料を提示頂きながらご教示頂きました。
当初は1名の医師から始められた診療所が、今では5名の医師を抱える規模に拡大しておられ、誤嚥性肺炎の入院率を下げるという効果をデータを用いてご教示頂くことで、在宅医療の効果や地域への還元を学ぶことができました。
現在、チームもりおかでは300名前後の患者様を抱える地域を支える在宅医療拠点です。年間100件以上の在宅見取りをされておられます。
また、もりおか往診クリニックの往診車設備のご紹介を頂きました。
往診車の中には、小手術ができる器具やポータブルの超音波機、ポータブルのX線機器などが各医師に1台に準備されており充実した設備がありました。
雪国であり、移動距離が大きい東北の特徴があり、1日に40から50kmもの走行距離があるということに驚きました。
ITを活用した情報共有システムに関しても、新しい取り組みを伺いました。
携帯端末を利用しQRコードから情報共有システムの中に入り、情報共有ができるというシステムでした。
モバイル端末を往診先で医師がじっと見ることで患者様からの苦情があったことや、QRコードを活用すること自体に手技に時間がかかるなどがシステム開発後に明らかとなったことなど情報共有システム開発の難しさを感じました。
もりおか往診クリニックでは紙カルテをご使用されており、情報共有のためにIT情報共有システムを活用され、患者様毎に連携している事業所間のみで共有することができるシステムを木村院長が独自に開発されておられました。
掲示板などの重要情報は限られた対象にのみ公開はされています。
盛岡市内には多くの事業所があり、連携できる体制が整っている事業所は200か所以上に上ります。
関係者・関係事業所の把握だけでも大変なことであり、各事業所間で顔のみえる関係を持つ活動を進めることで連携を強化されていった事業展開をうかがう事ができました。
まったく知らない方々との連携よりも、相手を知るということが連携の第1歩であるという重要な活動の基礎を学ばせていただきました。
気楽な食事会・交流会から関係者間での交流からはじまり、今では地域の方々が【チームもりおか】と呼ぶまでになりました。
チームもりおかでワーキンググループが立ち上がり、研修会を定期開催されておられたりと、昨年度は事務局が担当されていた業務をワーキンググループ内で分担して大きく事業展開されているご様子から、確実に事業実績を積み重ねてこられたことを感じました。
地域で各事業所や医師会、行政と急がず焦らず徐々に関係性を構築される事の重要性も感じました。
前向きにゆったりと構える板垣様の姿勢、お人柄にも連携が促される要素を感じました。
当事業への参加され取り組まれることについて、よかった点を以下のように語ってくださいました
「今までもりおかの中だけであったことが、事業を通して色々な地域との方々とつながることができるようになったこと、そして行政も動き始めてくれたこと」と笑顔で語ってくださいましたことが、とてもうれしく印象に残りました。
在宅医療に携わる専門職として責任を持って、事業展開をしていこうという強い思いと、多様性を受け入れらえる暖かい人間性に連携をつなぐことができる重要な要素を見いだせたように感じております。
今回、急な訪問依頼にも関わらず柔軟に対応いただき誠にありがとうございました。
常に活動を展開されておられる事で、いつでも周囲が活動をうかがう事ができるという点も、様々な人材をつなぐ拠点として重要な役割だと感じております。
「ゆい」システムに関する情報提供もありがとうございます。
各在宅医療連携拠点事業所のみに無料でご利用いただけるITシステムのご提示であり、ご利用においては申込書や登録事業所の個人情報保護に関する承諾書を取っていただくなどの手続きがありますので、チームもりおかのホームページ等からご覧いただいますようお願いいたします。
あおぞら診療所等の拠点事業所が中心となって開催されました8月24日の在宅医療連携拠点事業所意見交換会でも、木村院長が情報共有システムに関するプレゼンテ―ションをされるとの事です。
ITに疎い私も楽しみにしております。
またお会いできますことを楽しみにしております。
今後ともよろしくお願いいたします。