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令和7年度 健康長寿と栄養の研修会 ~輸液について~

長寿NSTニュースレターVol.48
2026年3月

 日頃よりNST活動への理解とご協力ありがとうございます。1月20日に令和7年度健康長寿と栄養の研修会を開催しました。今回は「栄養輸液と経口栄養補助食品・栄養剤」とテーマに、薬剤師・管理栄養士が講義を行いました。その一部の内容をご紹介いたします。

点滴のカロリーご存知ですか?

 普段使われている点滴のカロリーを考えたことがあるでしょうか。生食やラクテックは0kcal、ソルデム3AやポタコールRなどは500mLあたり約100kcal程度しかありません。ビーフリードやパレプラスといったアミノ酸やビタミンを含む栄養輸液であっても、500mLあたり約200kcal程度です。人の1日の必要カロリーが1500から2000kcalであるのに対し、これらの末梢輸液を1500mL投与しても、必要量の半分にも満たないことがわかります。

ソルデム3Aの1000mLは172kcal、ビーフリードの1000mLは420kcal、1日の必要エネルギー量(約1500から2000kcal)と比べビーフリードを1500mL入れても半分にも満たない。

末梢静脈栄養(PPN)による栄養管理の問題

 エネルギーが不足すると、人は生命維持のために自分のタンパク質(=筋肉)を分解し始めます。低栄養は単にその状態が問題であるだけでなく、その先の筋肉量や筋力の低下、サルコペニアや嚥下障害、活動量低下や寝たきりリスクの増大につながり、予後不良へと進む負のスパイラルを引き起こすことが大きな問題です。これらを回避するために低栄養の早期発見、早期対応が重要となります。

エネルギーが不足すると、低栄養→筋肉量・筋力低下→サルコペニア・嚥下障害→活動量低下・寝たきりリスク増大→合併症増加・予後不良と推移します。早めの対策が重要です。

PPN以外の選択肢

 PPNだけの管理は様々なリスクがあります。経口摂取不良が続く場合などには早期に別の栄養投与ルートを検討する必要があります。PPN以外の選択肢として中心静脈栄養(TPN)や経腸栄養(EN)があり、これらは1日の必要栄養素を充足することが可能です。

NSTの紹介

 NSTでは他職種で介入し、患者さんの栄養状態の評価や必要栄養量の検討、投与方法の提案をしています。食事摂取不良が続いている、PPNのみが続いている、痩せてきている、食べにくそうにしているなど、患者さんを見て「あれ?」と思ったらぜひNST依頼をご検討ください。栄養管理に“早すぎ”はありません。患者さんのよりよい予後を一緒に目指していきましょう。

【PPNのみ継続】筋力低下→ADL低下→予後不良となる。【早期NST介入】適切な栄養→リハビリ効果向上→回復・退院となる。