ホーム > 病院 > 医療関係者の方へ > 長寿NSTニュースレター > 令和6年度 第1回 健康長寿と栄養の研修会 ~NST活動について~
長寿NSTニュースレターVol.45
2024年8月
日頃よりNST活動への理解とご協力ありがとうございます。コロナ渦を経て、令和6年2月に「健康長寿と栄養の研修会」を再開し、7月4日に令和6年度第1回 健康長寿と栄養の研修会を開催しました。今後もNST活動の情報発信を行うため、勉強会を定期的に開催する予定です。
今回は、初心に戻り基本的なNST活動や依頼方法について医師・看護師・ソーシャルワーカーが講義を行いましたで、内容をご紹介します。
栄養サポートチーム(NST)とは、患者さんに対して最適な栄養療法を提供することを目的とした、多職種で構成される医療チームのことです。
当院のNST活動は、毎週水曜日に回診とカンファレンスを行っています。さまざまな職種が参加し、患者さんの栄養管理に必要な提案をさせて頂いています。その他にもNST委員会やNST勉強会、NSTニュースレターの発行を行っています。
NSTの依頼方法は、医師からの依頼が基本ですが、全職種依頼することが可能です。主な依頼内容は、摂食障害による体重減少、化学療法や術後の低栄養への対応、栄養補給方法の選択、排便コントロールなどです。NSTへの依頼は、対象者の「栄養治療実施計画書」を作成 → NST介入依頼シートに必要事項を記入し、ToDoメールにてNST事務局に報告することで依頼が可能です。食事や排便などでお困りの際は、NSTにご依頼ください。
胸椎圧迫骨折による疼痛と炎症により食事摂取が進まない状態であった。輸液の変更と疼痛・炎症の改善を提案。炎症が落ち着いた後、食事摂取量の増加が認められた。
腰椎圧迫骨折により入院。口腔内の状態により普通食は困難と判断したが、好き嫌いや前回入院時に普通食を摂取していたことを考慮し、多職種で相談した結果、見守りながら受け入れの良い物を摂取する方針となった。入院中の摂取量増加は認めなかったが、退院後同じ物を提供し、摂取量増加を認めた。
低栄養となる背景には、食欲不振などによる栄養状態の悪化・認知症や鬱状態などさまざまな原因があります。低栄養を客観的に評価するには体格指数(BMI)や体重変化が重要です。
当院の一部の病棟では栄養スクリーニングにMUST(Malnutrition Universal Screening Tool)を使用しています。BMI、体重減少、急性疾患の有無の3項目から低栄養リスクを判別します。
低栄養のリスクに早期に気付くためにも体重測定が重要です。週1回の体重測定をルーティーンにしていただけるよう、ご協力をお願いいたします。
今回の勉強会には25名の職員・学生の方にご参加頂きました。ご参加いただき、ありがとうございました。今後も引き続き「健康長寿と栄養の研修会」を開催致しますので、ご参加の程よろしくお願いいたします。