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「健康長寿と栄養の研修会」を再開しました

長寿NSTニュースレターVol.44
2024年3月

 NSTでは、「健康長寿と栄養の研修会」を定期的に開催し、院内外のスタッフにむけてNSTに関連した情報発信を行ってきました。残念ながら、コロナ禍により、長らく中断せざるを得ない状況となっておりましたが、この度再開することができました。今号では、令和6年2月22日(木曜日)に開催された研修会についてご報告いたします。

参加者は52名と大盛況でした。

 座長は当院老年内科の佐竹昭介先生、講師は聖路加国際病院 消化器・一般外科部長 海道利実先生です。海道先生は、荒井理事長の高校・大学時代の後輩でもあり、外科領域のサルコペニア・フレイル研究の第一人者です。今回は、『日本一早い退院を可能にした 当院の周術期リハビリ栄養管理 〜仕事力は人間力〜』をテーマにご講演をいただきました。
 サルコペニアのある患者様に高度な侵襲を伴う手術を行うと予後が悪く、術前からのリハビリテーションと栄養サポートが重要であることが示されています。そこで、先生は限られたスタッフの中で効率よく介入を行うため、スクリーニングに握力と血清プレアルブミン、血清亜鉛の測定を導入されるなど、実際の臨床での取り組みを明快にご紹介いただきました。
 術後も早期離床や栄養管理を徹底されており、その結果、従来は入院期間が長かった肝移植や膵頭部癌の患者様の入院期間を大幅に短縮して、予後を改善することができたとのことでした。
 多職種による臨床研究で得られたエビデンスにもとづき、“Impossible(不可能)”を“I’m possible(可能)”にしたプロセスを学ぶことができました。

講師の海道先生と当院のNST

 さらに、先生のお話では、仕事に対する心構えも数多く教えていただきました。テーマにも含まれる「人間力」に関するお話では、先人の言葉を引用しながら、先生ご自身の言葉でユーモアを交えてお話しいただきました。
 先生が常に大切にされていることは、“明るい挨拶と、身だしなみを整えること”、“自分だけでなく部下が成果をあげられるように考えること”、“忙しいと言わない、言い訳をしない、愚痴を言わないこと”でした。医療者としてだけでなく、社会人としても学んだことが非常に多く、自分自身の仕事に対する向き合い方や考え方について見直すきっかけになりました。今回ご講演いただいた内容を、日々の業務にも活かしていきたいと思います。
 「健康長寿と栄養の研修会」は、今後も継続して開催する予定です。講義内容や講師などに関してご希望がありましたら、NST事務局まで気軽にご相談ください。