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糖尿病療養支援チームレターVol.19
2025年7月
糖尿病の人は歯周病になりやすく、歯周病は糖尿病を悪化させるといわれています。
歯周病とは、細菌の感染によって引き起こされる炎症性疾患で、歯の周りの歯茎に炎症を起こし、歯を支える骨などが溶けてしまう病気です(図1)。(日本臨床歯周病学会)
図1
図2
糖尿病と歯周病の関わりは深く、それぞれの悪化だけでなく、歯周病の治療を受けると糖尿病治療にも好影響があるといわれており、歯周病の対策を行うことは糖尿病対策のひとつと言えます。歯周病の対策としてご家庭でできることは、日々の適切な歯磨きで口腔細菌の量を減らすことです。細菌(歯垢)が歯と歯茎の間の溝に溜まると、慢性的に歯茎に炎症を起こし出血したり、持続的な歯垢の付着により歯と歯茎の間の溝が深くなり歯垢がより溜まりやすくなります。溜まった歯垢が歯石になると歯ブラシでは除去できず、歯を支える骨は歯石を避けるように溶けてしまいます。歯周病に対する歯磨きのポイントは、歯と歯茎の間の溝を狙って歯ブラシの先を当てることです(図2)。個人によって歯の本数や並び方、磨く癖が異なりますので、自分により良い歯の磨き方は、かかりつけの歯科医院で歯磨き指導を受けましょう。
日常の正しい歯磨きに加え、定期的に歯のメインテナンスを受けることも歯周病対策において重要です。歯科医院では歯周病の進行具合の確認や歯磨き指導、歯のクリーニングを受けられるところがほとんどです。かかりつけ歯科医院を持ち、何かあった際のみの受診だけでなく、定期的にメインテナンスで受診をすることが望ましいとされています。
歯周病への対策は歯を残すためだけでなく、糖尿病治療にも好影響があります。歯だけでなく身体のためにも日々の歯磨きや歯科受診について見直してみませんか。