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糖尿病療養支援チームレターVol.8
2021年1月
世界中で猛威を振るう新型コロナウイルスは,私たちの生活や人生に至るまでさまざまな影響を及ぼしています.感染を恐れて閉じこもりがちの生活になっている人も少なくありません.
この苦境を乗り越えるためには,根拠のある正しい知識に基づいて正しく備えることが望まれます.
高齢者はさまざまな感染症にかかりやすく,重症化しやすいことが知られています.新型コロナウイルス感染症にかかると,肺炎を合併したり重症化したりする傾向があります.
さらに,糖尿病をはじめ慢性閉塞性肺疾患(COPD),慢性腎臓病,心血管疾患などの持病や,肥満があると重症化しやすいことも報告されています.重症化には免疫系の暴走が関わっていると考えられていますが,肺の他,血管や心臓にも直接感染するため,急激に多臓器不全を来す可能性も示唆されています.未だ分からないことが非常にたくさんあるため,世界中で研究が行われています.
いいえ.
糖尿病患者さんがかかりやすいとはいえません.
はい.
糖尿病があると重症化するリスクがあります.
はい.
コントロールが不良な場合,死亡率が高いとの報告があります.ただし,コントロールが良好な場合の死亡率は糖尿病がない人と同等であることも報告されています.
閉じこもりがちの生活が続くと,運動不足や食生活の乱れにより,体重が増えたり,血糖コントロールが悪くなったりすることが少なくありません.
また,孤立を深め,不安を募らせる人が多くなることが懸念されます.
感染症などによる発熱や嘔吐,下痢などで食事が困難になった場合をシックデイといいます.新型コロナウイルス感染症でも同様の状態に陥ることがあります.ただし,対応についてはふだんのシックデイと変わりはありません.