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父親が母親の認知症を理解できず、会話もせず、存在を無視して、規則正しく薬を飲ませなかったりして対応ができていません。どうすればいいでしょうか

子供さんからすると、とても心配な状況ですね。しかし、お父さんを責めてはいけません。お父さんも妻に対してどう接してよいか悩んでいるのかもしれません。妻が元気だった頃と比較し、できるはずのことができないことに混乱したり、そんな妻を見たくないのかもしれません。

一般的に介護者のたどる心理ステップには、「とまどい・否定」→「混乱・怒り・拒絶」→「割切り、または、あきらめ」→「受容」という過程をたどると言われています。妻が認知症であることを受容するには時間がかかるのです。一度お父さんの思いをじっくり聞いてみましょう。

また、お母さんにとっても今の状況は好ましくありません。認知症の方は今までできていたことが難しくなっていることを自覚し、不安が大きくなっています。その時に無視をされる等の態度をとられると不安が大きくなります。お父さんにお母さんの介護を任せるのが難しいと思ったら、介護サービスを利用するのも一つの方法です。サービスを利用することでお父さんに気持ちの余裕ができる場合もあります。

また、認知症のことを理解するのに手助けになるのが、地域や病院で行われている教室に参加すること、同じ介護者と思いを共有できる家族会へ参加すること等も有用です。ご自身がお父さんとお母さんのために何ができるかを考えてみてください。近所に住んでいれば、毎日顔を見に行く、遠方であれば時々電話をしてお父さん、お母さんの思いを聞く相手になってあげてください。あなたにも何かできることがあるはずです。介護は一人ではできません。一人で抱え込まず主治医や病院スタッフ、ケアマネージャー等周りの人に相談し、皆でお母さんを支えていきましょう。