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繰り返し同じことを聞いてくる場合、同じことを何度も患者に伝えるのがよいでしょうか

認知症以外の方でも年齢を重ねていくと、昔のエピソードなどの記憶に比べて、ついさっきの内容、出来事などの記憶(短期記憶といいます)から忘れやすくなります。

「繰り返しおなじことを聞いてくる」という状況はその短期記憶の能力が低下していると考えられ、本人は初めて聞くつもりで毎回聞いてこられています。 同じことを何度も伝えることは、伝える方も「またか」と思ってしまいがちですが、なるべく、その都度患者さんが納得出来る様に答えましょう。

時間や食事の有無等は「9時ですよ」「朝ごはんはもう済まされましたよ」と答えやすいですが、もし「私はまだ朝食を食べていない」と答えに納得できないようでしたら、どう対応したらご本人さんが納得できるか考えてあげて下さい。

ご飯を摂取した目印になるもの(食べた後の容器など)があったらお見せしてみる、カレンダーなどに食事をしたらマークしてもらう、満腹になれていないのだったら一回の食事量を可能な程度で多くしてみる、それでも変わらなければ一回量は減らして1日5食など分食して訴えある時間に再度お出しする。

自分だけ不当な扱いをされたと思って怒っている場合は謝罪して準備しますとお答えしている間に違うことで集中できることがあればそちらに誘導してみる…など、患者さんが訴えている理由や気持ちを聞いたり、推測しながら対応してみてください。

繰り返し聞いてくる内容は患者さんが特に気になっている、困っている、不安に思っていることに関連している可能性があります。その原因に対し、すぐに解決できるものではない場合も安心できるような対応を重ねていくと、患者さんも落ち着けるかもしれません。