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認知症の進行で車で一人で待てなくなりました。どうすればいいですか?

認知症のご本人をお一人で車で待たせておくことについては、今後は避けたほうがよいでしょう。

車内は狭い密室です。少し外に出てみようという気持ちがご本人にもわいてくることは、自然なことです。そうした自然に感じる思い(意思)を、理性を働かせ状況に合ったように振る舞う、行動するということが難しくなってくるということが、認知症という病気による変化です。
お一人で車外に出た後の行動によっては、ご本人が思わぬ事故や行方不明になってしまうことがあるかもしれません。また、こちらに合わせて待っているように指示しても記憶しておけなかったり、ご本人にとっては指示の内容よりも、指示されたということに対する不快感が残って、説得すると興奮したりして、お互いに悪循環なやりとりとなることでしょう。そして、もしご本人が車を運転する事態につながっていくと、様々なトラブルの発生や取り返しのつかない事故が発生してしまうかもしれません。

なぜ、ご本人がお一人で車の中で待つことが必要という状況が生じているのか、ご質問の内容だけではよくわかりません。介護者の方に必要な支援があるということではないかと推察いたしますので、現在困っていることを、ケア提供者や専門家にご相談してみてはいかがでしょうか。

認知症の人の運転について

国立長寿医療研究センターの長寿政策科学研究部より、「認知症高齢者の自動車運転を考える家族介護者のための支援マニュアル」というパンフレットが研究の成果によって作成されました。その中で、認知症の人の自動車運転は、法律上望ましいことではないとされています。ご本人にとっても、介護を行っているご家族やケア提供者などあらゆる方々にとっても、不利益を被ることがないように、認知症の人を支援していく必要があります。

参考文献

長寿政策科学研究部,認知症高齢者の自動車運転を考える家族介護者のための支援マニュアルこのリンクは別ウィンドウで開きます