夫は若年性アルツハイマー型認知症と診断されました。夫自身、仕事の継続が分からず、経済的なことが心配です。どうすればいいでしょうか?
在職中から利用できる「経済的なサポート」につながるものを点ご紹介します。
- 税金控除等:精神保健福祉手帳の申請と(初診から6カ月経過後申請)
- 通院医療費等の負担軽減:自立支援医療
- 生活保障:
A 傷病手当金(休職中:1年6カ月めど)
病気やケガのため仕事ができなくなった健康保険又は共済組合の被保険者とその家族の生活保障をしてくれる制度
- ※1年6カ月間:労務不能1日につき、標準報酬日額の3分の2の金額支給。
- ※1年以上継続して被保険者で、傷病手当金の支給期間中に退職した場合
退職後も引き続き社会保険事務所(または健康保険組合)から支給継続。
B 障害年金(在職中でも申請可能。症状が固定、または完治 しない状態で、初診から1年6カ月経過している場合)
- ベースは、「障害基礎年金」(相談・申請窓口:市町村障害年金課)
- 上乗せで「障害厚生年金」 (相談・申請窓口:各年金事務所) →条件あり。(つづき)
C 障害厚生年金
いろいろな条件があります。下記の条件を満たせば、障害基礎年金に上乗せされます。
- 申請する病気(認知症)の初診日に、厚生年金保険の被保険者であった。
- 申請する病気(認知症)が、障害等級1級や2級に該当している。
※必ずしも、精神保健福祉手帳の等級と一緒ではありません。基準が別です。
障害厚生年金だけの支給枠があります。
- 障害等級3級の場合は、障害厚生年金は支給される。
- 障害等級3級よりも軽い障害が残った場合には、障害手当金が一時金として支給されます。
※別ページ:障害等級(1級~3級)の規定について
- 生活保障:C 雇用保険制度(退職後、就労したい場合)
- 失業等給付があります。
- 再就職の意思および能力がある場合に限ります。
- 支給条件は、おすまいの公共職業安定所でご確認ください。
D 特別障害者手当(退職後)
- 認知症による著しい障害があり、日常生活で常時特別な介護を必要としている、「在宅生活中」の20歳以上の方を対象としています。
- 支給要件には、所得制限があります。
- 精神保健福祉手帳1級もしくは2級が対象目安です。
障害年金の等級
出典:東京都保健福祉局編 『若年ハンドブック』
,p31※執筆者一部注釈で表示色変更 性認知症
1級(国民年金法施行令)
-
次に掲げる視覚障害※1
- 両眼の視力がそれぞれ0.03以下のもの
- 一眼の視力が0.04、他眼の視力が手動弁以下のもの
- ゴールドマン型視野計による測定の結果、両眼の1/4視標による周辺視野角度の和がそれぞれ80度以下かつ1/2視標による両眼中心視野角度が28度以下のもの
- 自動視野計による測定の結果、両眼開放視認点数が70点以下かつ両眼中心視野視認点数が20点以下のもの
- 両耳の聴力レベルが100デシベル以上のもの
- 両上肢の機能に著しい障害を有するもの
- 両上肢の全ての指を欠くもの
- 両上肢の全ての指の機能に著しい障害を有するもの
- 両下肢の機能に著しい障害を有するもの
- 両下肢を足関節以上で欠くもの
- 体幹の機能に座っていることができない程度又は立ちあがることができない程度の障害を有するもの
- 前各号に掲げるもののほか、身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が前各号と同程度以上と認められる状態であって、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの
- 精神の障害であって、前各号と同程度以上と認められる程度のもの
-
身体の機能の障害若しくは病状又は精神の障害が重複する場合であって、その状態が前各号と同程度以上と認められる程度のもの
- ※1
視力の測定は、万国式試視力表によるものとし、屈折異常があるものについては、矯正視力によって測定する。
2級(国民年金法施行令)
-
次に掲げる視覚障害※1
- 両眼の視力がそれぞれ0.07以下のもの
- 一眼の視力が0.08、他眼の視力が手動弁以下のもの
- ゴールドマン型視野計による測定の結果、両眼の1/4視標による周辺視野角度の和がそれぞれ80度以下かつ1/2視標による両眼中心視野角度が56度以下のもの
- 自動視野計による測定の結果、両眼開放視認点数が70点以下かつ両眼中心視野視認点数が40点以下のもの
- 両耳の聴力レベルが90デシベル以上のもの
- 平衡機能に著しい障害を有するもの
- そしゃくの機能を欠くもの
- 音声又は言語機能に著しい障害を有するもの
- 両上肢のおや指及びひとさし指又は中指を欠くもの
- 両上肢のおや指及びひとさし指又は中指の機能に著しい障害を有するもの
- 一上肢の機能に著しい障害を有するもの
- 一上肢の全ての指を欠くもの
- 一上肢の全ての指の機能に著しい障害を有するもの
- 両下肢の全ての指を欠くもの
- 一下肢の機能に著しい障害を有するもの
- 一下肢を足関節以上で欠くもの
- 体幹の機能に歩くことができない程度の障害を有するもの
- 前各号に掲げるもののほか、身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が前各号と同程度以上と認められる状態であって、日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの
- 精神の障害であって、前各号と同程度以上と認められる程度のもの
- 身体の機能の障害若しくは病状又は精神の障害が重複する場合であって、その状態が前各号と同程度以上と認められる程度のもの
- ※1
視力の測定は、万国式試視力表によるものとし、屈折異常があるものについては、矯正視力によって測定する。
3級(厚生年金保険法施行令)
-
次に掲げる視覚障害※1
- 両眼の視力がそれぞれ0.1以下に減じたもの
- ゴールドマン型視野計による測定の結果、両眼の1/4視標による周辺視野角度の和がそれぞれ80度以下に減じたもの
- 自動視野計による測定の結果、両眼開放視認点数が70点以下に減じたもの
- 両耳の聴力が、40センチメートル以上では通常の話声を解することができない程度に減じたもの
- そしゃく又は言語の機能に相当程度の障害を残すもの
- 脊柱せきちゅうの機能に著しい障害を残すもの
- 一上肢の3大関節のうち、2関節の用を廃したもの
- 一下肢の3大関節のうち、2関節の用を廃したもの
- 長管状骨に偽関節を残し、運動機能に著しい障害を残すもの
- 一上肢のおや指及びひとさし指を失ったもの※2又はおや指若しくはひとさし指を併せ一上肢の3指以上を失ったもの※3
- おや指及びひとさし指を併せ一上肢の4指の用を廃したもの※3
- 一下肢をリスフラン関節以上で失ったもの
- 両下肢の10趾の用を廃したもの※4
- 前各号に掲げるもののほか、身体の機能に、労働が著しい制限を受けるか、又は労働に著しい制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの
- 精神又は神経系統に、労働が著しい制限を受けるか、又は労働に著しい制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの
- 傷病が治らないで、身体の機能又は精神若しくは神経系統に、労働が制限を受けるか、又は労働に制限を加えることを必要とする程度の障害を有するものであって、厚生労働大臣が定めるもの
- ※1
視力の測定は、万国式試視力表によるものとし、屈折異常があるものについては、矯正視力によって測定する。
- ※2
指を失ったものとは、おや指は指節間関節、その他の指は近位指節間関節以上を失ったものをいう。
- ※3
指の用を廃したものとは、指の末節の半分以上を失い、又は中手指節関節若しくは近位指節間関節(おや指にあっては指節間関節)に著しい運動障害を残すものをいう。
- ※4
趾の用を廃したものとは、第1趾は末節の半分以上、その他の趾は遠位趾節間関節以上を失ったもの又は中足趾節関節若しくは近位趾節間関節(第1趾にあっては趾節間関節)に著しい運動障害を残すものをいう。