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レビー小体型認知症なのですが、ドネペジルとパーキンソン病の薬が相反するため、ドネペジルが出せないよ言われました。認知症を進行させないためには、ドネペジルは飲んだ方がよいですか?

認知症の症状とパーキンソン病の症状のどちらがご本人さまの生活の質を落としているかを考えて決めましょう。

詳解

レビー小体型認知症は、認知機能障害と幻視・パーキンソン症状を特徴とする認知症です。一方のドネペジルはアルツハイマー型認知症の認知機能低下を遅らせるためのお薬です。先ずアルツハイマー型認知症用のお薬をレビー小体型認知症の方が服用して効果があるか否かという問題があります。これにつきましては、まだ医学根拠が不十分な点もありますが最近の研究結果では効果があるとする報告が多いようです。

次にドネペジルを服用するとパーキンソン症状が悪化するか否かについてですが、お薬の持つ作用から考えると確かに悪化させる可能性があります。ドネペジルの添付文書には、0.1から1%未満の頻度で出現する副作用として記載されています。
しかしながら臨床的には悪化は軽微なことが多くよほど重度のパーキンソン症状を伴わない限り、過度に気にする必要はないと考えます。

以上を踏まえますと、患者さまの生活の質を落としているのは、主に認知機能低下なのか、それともパーキンソン症状なのかをよく見極め、お薬を飲むかどうかを決めるのが良いかと考えます。