前頭側頭型認知症ではアセチルコリン系が保たれているため、ドネペジルのようなアセチルコリン系を高める薬剤は効きにくく、時には行動心理症状の悪化を誘発するといわれています。
したがって第一候補薬としては使いにくいのですが、個々の例では気分や異常行動を改善したという報告もあり、他の薬剤を使ったうえで試してみることはあり得ると思われます。(ただし保険適応外)
また認知機能を改善する薬剤はないのですが、脱抑制的行動や不適切な性的行動、過食には選択的セロトニン再取り込み阻害薬という抗うつ剤の一種が有効なことがあり、メマンチンも行動異常を抑えることがあります。