回想法はもともと高齢者への心理療法の一つとして始まりましたが、現在では認知症の非薬物療法として位置づけられております。
科学的根拠はエビデンスレベルCとそれほど高くはありません。しかし回想法は過去の残存している記憶を利用して、行うものなので、記憶や知的活動につなげるという点では有用です。また回想法は認知機能への直接的な効果より、気分、意欲の改善などにおいて有効性が示されています。回想法は個人回想法と集団回想法があり、特に後者は現状では介護施設などでよく行われています。
また最近では介護予防として、博物館を利用した地域での回想法も行われています。総括すると回想法は認知症に一定の有効性はあります。
音楽療法も認知症の非薬物療法の一つと考えられており、科学的根拠はエビデンスレベルCと低いのですが、認知症の人の気分や意欲に効果があり、高齢者への癒しなどにおいて有効性が示されています。歌うときに脳血流が増加するという報告もあります。
音楽療法には参加型の能動的音楽療法と受動的音楽療法があり、日本音楽療法学会もできており、音楽療法士という資格もあり、多くの介護施設や病院でも取り組まれています。