レビー小体型認知症では認知症の症状に加えてパーキンソン病の症状がみられることがあります。認知症の症状から始まりパーキンソン病の症状が加わることも、逆にパーキンソン病の症状から始まることもあります。
パーキンソン病の症状としては安静時の震え(物をもったり字を書いたりする時ではなく手を自由にして力を加えていない時にふるえるのが特徴です)、動きが遅くなる、筋肉を動かすときに抵抗がでる(これは自覚しにくい)、体が傾く、転びやすい、足がすくみ小刻みな歩きかたになる、立ちくらみがおきる、便秘がひどい、暑さ寒さに弱い、寝ていて大声をだしたり、 手を動かしたりおきあがったりするなどです。
これらの症状に対しては通常のパーキンソン病の治療を行いますが、レビー小体型認知症の場合はいくつかの注意点があります。
抗パーキンソン病薬は運動症状は改善しますが、レビー小体型認知症の行動心理症状を悪化させる薬剤が多いためです。
動けるようにはなったが幻視が増えたり、興奮が強まることが あります。 立ちくらみやすくみ足にはドロキシドパが有効なことがあり、夜間の大声にはクロナゼパムが 有効なことがあります。