うつ状態では記憶の低下を引き起こすことがあり、本人はその状態に深く悩まされています。
多くの場合何らかの喪失体験などが引き金となり生じます。思考内容が自責的で、忘れる内容も、新しいことのみでなく、古い記憶も同様に障害され、周囲への物わすれの訴えが誇大な傾向が見られ、症状の割に日常生活への差支えが大きくみられることが特徴であるといわれます。
質問に対しては「わからない」といった否定的な答えが多くみられるのも特徴です。
一方、加齢による物忘れは、体験の一部などを忘れることが見られますが、記憶の障害のみで、日常生活への影響はほとんど見られません。高齢者のうつ状態は、認知症の始まりと区別が難しい場合もあります。