認知症が進んだ最後には、親しい人の顔も、言葉もなにも「わからなくなります。しかし、これは亡くなる一年前の状態で、認知症と診断されて10年以上生きられる期間のほんの僅かの間です。
「わかる」に関しては、赤ん坊が大きくなって少しづつ感情が伝わり、顔がわかりカタコトを覚えいやだとか、欲しいとかの判断を伝え、次第に成長して行く過程を逆に辿っていくと考えると、理解がしやすいと思います。
軽いうちは、少し前のことが覚えられないとか、複雑な料理ができなくなるとかお金の計算が不得意になるとか、「歳のせい」として見過ごされがちな範囲の「わからなくなる」程度で、感情面は不安はありますが、十分「わかり」ます。顔や、なれた環境での生活上の判断も「わかって」います。急になにもわからなくなるといったものは、テレビなどの演出の悪影響と思います。
ステージ | 臨床診断 | 特徴 | 機能獲得年齢 | MMSE(score)* |
---|---|---|---|---|
1 | 正常成人 | 主観的にも客観的にも機能障害なし。 | 成人 | 24点以上 |
2 | 正常老化 | 物の置き忘れ、物忘れの訴えあり。 | 成人 | 24点以上 |
3 | 境界領域 | 職業上の複雑な仕事ができない。経験を要する仕事の職場では、認知低下が同僚によって認められる。新しい場所への旅行が困難。 | 若年成人 | 24点以上 |
4 | 軽度AD | パーティのプランニング、買い物、金銭管理など日常生活での複雑な仕事ができない。 | 8歳〜思春期 | 20点前後 |
5 | 中度AD | 介入なしでは、TOPにあった適切な洋服を選べない。入浴させるために説得することが必要なこともある。 | 5歳〜7歳 | 15点前後 |
6a | やや重度AD | 独力では、福を正しい順番に着られない。 | 5歳 | 1〜10点前後 |
6b | 同上 | 入浴に介助を要する。入浴を嫌がる。 | 4歳 |
1〜10点前後 |
6c | 同上 | トイレの水を流し忘れたり、拭き忘れる。 | 48か月 | 1〜10点前後 |
6d | 同上 | 尿失禁。 | 36〜54か月 | 1〜10点前後 |
6e | 同上 | 便失禁。 | 24〜36か月 | 1〜10点前後 |
7a | 重度AD | 最大限約6語に限定された言語機能の低下。 | 16か月 | 1〜10点前後 |
7b | 同上 | 理解しうる語彙は「はい」などただ1つの言語となる。 | 12か月 | 1〜10点前後 |
7c | 同上 | 歩行能力の喪失。 | 12か月 | 1〜10点前後 |
7d | 同上 | 着座能力の喪失。 | 24〜40週 | 1〜10点前後 |
7e | 同上 | 笑う能力の喪失。 | 8〜16週 | 1〜10点前後 |
7f | 同上 | 頭部固定不能、最終的には意識喪失(昏迷および昏睡)。 | 4〜12週 | 1〜10点前後 |