本文へ移動

研究所

文字サイズ

  • 小
  • 中
  • 大

 

News & Topics

ホーム > 研究所 > ニュース&トピックス > 組織恒常性研究PT 赤木一考PLの論文が「Scientific Reports」誌に掲載されました

組織恒常性研究PT 赤木一考PLの論文が「Scientific Reports」誌に掲載されました

加齢に伴いゲノム不安定性は増大し、細胞ががん化するリスクが高まります。がん治療において、放射線治療は有効な治療法の一つです。しかし、放射線が正常組織に与える遺伝毒性ストレスによって、様々な副作用が引き起こされることが知られています。これまで遺伝毒性ストレスが正常組織および寿命に与える影響について、動物モデルを用いた解析はほとんど行われていませんでした。今回、国立長寿医療研究センター・研究所・組織恒常性研究プロジェクトチームの赤木一考プロジェクトリーダーは、アメリカ合衆国Buck Institute for Research on AgingのDr. Pankaj Kapahi、SENS Research FoundationのDr. Amit Sharmaらと共同研究を行い、放射線照射によってショウジョウバエの腸管バリア機能が破綻し寿命が短縮すること、腸幹細胞にRNA結合タンパク質Musashiを強制発現することで、放射線によって誘導される腸管バリア機能破綻を予防できることを明らかにしました。

キイロショウジョウバエの腸管は、哺乳類と機能的に相同であり、幹細胞系譜も明らかにされていることから、老化研究のモデルの一つとして利用されています。研究グループは、ショウジョウバエ成虫にエックス線を照射し、放射線誘導性ダメージモデルを確立しました。本研究では、ショウジョウバエ成虫への放射線照射によって、寿命の短縮、自発活動量の低下、腸菅でのDNA損傷および細胞死の増加、腸幹細胞の細胞増殖停止、そして腸管バリア機能の破綻が引き起こされることが明らかになりました。また、遺伝学的手法を用いた解析と放射線照射による腸管バリア機能の変化を指標としてGenome-wide association study(GWAS)解析を行った結果、RNA結合タンパク質Musashiが腸幹細胞で働き、腸管バリア機能の制御に寄与することを見出しました。Musashiは哺乳類の腸幹細胞でも発現しているため、Musashiを標的とした治療薬の開発が、放射線治療による副作用を軽減するために有効である可能性が考えられます。

本研究成果は、11月5日に英国科学誌「Scientific Reports」のオンライン版に掲載されました。なお本研究は、米国NIH、米国AFAR財団、米国Hillblom財団からの研究助成を受けて行われました。

タイトル

Musashi expression in intestinal stem cells attenuates radiation‑induced decline in intestinal permeability and survival in Drosophila

著者名

Amit Sharma3,4*, Kazutaka Akagi2,4*, Blaine Pattavina1, Kenneth A. Wilson1, Christopher Nelson1, Mark Watson1, Elie Maksoud1, Ayano Harata2, Mauricio Ortega1, Rachel B. Brem1, Pankaj Kapahi1*

所属

  1. Buck Institute for Research on Aging, CA, USA
  2. 国立長寿医療研究センター・研究所・組織恒常性研究PT
  3. SENS Research Foundation, CA, USA
  4. Co-first author

 *Corresponding author 

論文リンク(Scientific Reportsのサイトへ移動します)このリンクは別ウィンドウで開きます

研究関連