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もの忘れセンター

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研究紹介

認知症予防に関する研究(研究代表者:櫻井孝)

近年、認知症の発症を遅らせる方法について多くのエビデンスが集積しつつある。私たちは、脳と他臓器連関の視点から以下の研究をしています。

認知症予防の多因子介入試験

認知症リスクを持つ高齢者に対して、生活習慣病の管理、運動・栄養指導・脳トレなどの複数の介入を同時に行い、認知症を抑制できるかを検証するJ-MINT研究を行っています。J-MINT研究は日本版FINGER研究であり、将来の社会実装を目指した国家プロジェクトです。最新の血液バイオマーカーや脳画像の技術を用いて認知症予防の機序を明らかにする。

糖尿病・低栄養と認知症

糖尿病は認知症のリスクである。私たちは、「高齢者糖尿病診療ガイドライン2017」の策定に関わり、高齢者糖尿病における認知症予防のための介入試験(J-MIND研究)を行っている。また、中年期肥満は認知症リスクであるが、高齢者では低栄養・体重減少が危険因子となる。認知症の早期からみられる体重減少を、もの忘れセンターの一万人のデータベースを用いて解析した。リバーストランスレーショナル研究により、体重減少の機序についても解析している。

認知症のリスクスコア

認知症発症には、遺伝的・環境的要因が凡そ50%程度に寄与する。もの忘れセンターの臨床データとメディカルゲノムセンターで解析したGWASの解析を用いて、認知症発症や、認知症の合併症などの遺伝的・後天的なリスクを統合解析する。

認知症ケアに関する研究(研究代表者:櫻井孝)

本人・家族を中心とした認知症診療

認知症診療では介護者負担を考えることが重要である。私たちは、認知症の家族教室を多職種で運営して介入プログラムを開発し、その効果をRCTで明らかにした。2020年度からは、本人・家族を含めた教育を行い、認知症の進行や介護者のQOLを改善できるかを検証する。また、認知症の治療で難渋する症状、特に徘徊について、前向き観察研究を行った。地域での徘徊の予防方策についても検討する。

認知症の長期予後

認知症の長期予後(死亡や施設入所等)に関するデータベースを作成している。認知症の長期予後はもっとも重要なデータで、わが国でははじめてのデータである。認知症の診療に重要なインパクトを与えると思われる。

アルツハイマー病のバイオマーカーに関する研究(研究代表者:安野史彦)

脳内炎症イメージングによるアルツハイマー型認知症患者の脳内炎症動態を反映する血液・髄液中の炎症系物質に関する研究

アルツハイマー病の患者さんに対して、シグナル-ノイズ比において優れた第二世代TSPOリガンドである[11C]DPA-713を用いて、生体内で定量的に脳内炎症病態を定量する。同時に臨床症状評価および髄液・血液中の炎症系サイトカインを中心とした網羅的プロテオミクス解析を実施し、疾患における炎症の動態と役割を、生体内において脳から全身まで多面的に検証する。そこから脳内炎症を介したアルツハイマー病の病態評価法の実現および抗炎症作用を介した治療法の開発につながる基盤的情報を確立する。

認知症の危険因子に関する研究(研究代表者:佐治直樹)

認知症には、様々な危険因子が報告されていますが、私達は、まだ解明されていない危険因子にも注目しています。

脳小血管病と認知症

脳卒中と認知症のクロストークは本邦のみならず世界的にも注目されており、大規模な研究活動が各国で展開されている。本研究では、血管機能検査などを用いた認知症のリスク因子解析、バイオマーカーと白質病変との関連の解析、MRIの新規撮像法を用いた白質解析、等を計画し、画像診断学や血管生理学、生化学、高齢者医学、神経内科学など多彩な視点から分担して、本邦ならではの視点から脳小血管病の解明を目指している。

心房細動と認知症

この研究では、非弁膜症性心房細動を伴う患者への経口抗凝固薬の使用状況と、脳血管障害や認知機能障害への影響を解明するため、多施設共同前向き観察研究を実施しています。最近、心房細動が認知症のリスクであるという報告も出てきているようですが、機序や抗凝固薬との関連については未解明な点も多いのが現状です。認知症と脳卒中の対策は、高齢化社会を迎えつつある本邦にとって吃緊の課題です。この研究によって、認知症と脳卒中の医療に少しでも貢献できればと願っております。(ホームページもご参照ください https://strawberry.sbcs.jpこのリンクは別ウィンドウで開きます

腸内細菌と認知症

糖尿病は認知症のリスクでこの研究では、腸内細菌と認知機能や高齢者の生活環境についての関係を調べています。近年、腸内細菌が消化管疾患や免疫能、代謝能に影響することがわかってきました。さらに、多発性硬化症と腸内細菌との関連も判明しており、脳神経・認知機能への影響も示唆されています。腸内細菌が動脈硬化を促進する、などのデータも国外・国内から見出されており、食生活の見直しにもつながるかもしれません。最近では、口腔内細菌にも注目して解析計画を予定しています。

難聴と認知症

難聴によって認知症発症リスクが有意に悪化すると報告がありますが、その実態や補聴器による認知効果については未解明です。また、新オレンジプランでは、難聴が認知症予防の重要因子として挙げられており、その解明は喫緊の課題となりました。国際的にも、認知症の予防や高齢の難聴者への対応について提言されています。これらの社会的背景をふまえ、耳鼻咽喉科と脳神経系の協業により研究を進めています。