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分子基盤研究部の篠原充室長、里直行部長らによる、肥満・糖尿病とアルツハイマー病の合併で特異的に発現増加する遺伝子の同定

2021年3月3日
国立研究開発法人国立長寿医療研究センター

本文

 肥満・糖尿病はアルツハイマー病のリスク因子であることが知られておりますが、その詳しい作用機序については分かっておりません。今回、両疾患を合併するモデルマウスを用いて脳内で特異的に発現増加する遺伝子群1)を同定し、その作用機序を分子レベルで理解するための手がかりを米国の専門誌に報告しました。この結果は、FASEB BioAdvances誌に2021年3月2日付(JST)で掲載されました。

 今回、国立長寿医療研究センター(理事長:荒井秀典)の認知症先進医療開発センター、分子基盤研究部の篠原充室長と里直行部長のグループは大阪大学の菊池正隆特任准教授らとの共同研究により、肥満・糖尿病とアルツハイマー病を合併するマウスを作成し、脳の遺伝子発現を解析しました。その結果、肥満・糖尿病のみやアルツハイマー病単独では変化しないいくつかの遺伝子が、両者の合併により発現増加することが判明しました(図1)。それらの遺伝子群(クラスター2)10と命名)にはアルツハイマー病者の海馬、すなわち病理学的変化がもっとも進んでいる脳内の部位において発現増加している遺伝子が多く集積していました。

 さらにこのクラスター10に共通して、その遺伝子発現を制御する因子を探索したところ、Serum Response Factor (SRF)が見出されました(図2)。SRFは、海外のGrubmanらのグループにより、アルツハイマー病の剖検脳3)を用いた一細胞解析4)で同定されたアルツハイマー病発症にかかわる重要な因子の一つです(⇒参考文献)。

 このクラスター10に属する遺伝子がどのような意味を持って発現増加するのか、すなわち、認知症に対して病気を進めるように働くのか、あるいは病気を抑えるように働くのかはいまのところまったくわかっていません。今後、それらの遺伝子の発現を制御することによって病気の進行への影響を明らかにすることにより、アルツハイマー病の病態解明を行い、創薬につながる研究の進展が期待されます。

図1

図1.肥満・糖尿病モデルマウス、アルツハイマー病モデルマウス、
およびそれらの合併モデルマウスの脳内遺伝子発現変化

図2

図2.肥満・糖尿病とアルツハイマー病の合併で
特異的に発現増加する遺伝子群(クラスター10)を制御する因子

 

注釈

参考文献

発表論文

お問い合わせ先

この研究に関すること

国立研究開発法人国立長寿医療研究センター
認知症先進医療開発センター分子基盤研究部長 里直行
〒474-8511 愛知県大府市森岡町七丁目430番地
電話 0562(46)2311(内線6331) E-mail:nsato@ncgg.go.jp

報道に関すること

国立長寿医療研究センター総務部総務課総務係長 里村亮
電話 0562(46)2311(内線4623) E-mail:r-satomura@ncgg.go.jp

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