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分子基盤研究部の篠原充室長、里直行部長らは共同研究にて肥満・糖尿病とアルツハイマー病の両方を持つマウスを作製し原因物質であるβアミロイドが肥満・糖尿病マウスにおいて寿命をさらに短くすることを証明しました

2019年12月25日
国立長寿医療研究センター
大阪大学
理化学研究所

アルツハイマー病原因物質βアミロイドは、肥満・糖尿病マウスの寿命を短くする ー脳内グリア細胞の関与を示唆ー

肥満・糖尿病やアルツハイマー病はそれぞれ寿命を短くすることが知られています。今回、マウスモデルを用いて、アルツハイマー病の原因とされているβアミロイドが肥満・糖尿病マウスの寿命をさらに短くさせることを証明しました。さらにそのメカニズムとしてアストロサイト(星状膠細胞)の活性化の関与を示唆する結果を得ました。

肥満や糖尿病はアルツハイマー病のリスク因子であり、またアルツハイマー病は糖尿病を悪化させることがこれまでの研究で示されております。また、それぞれが寿命を短くすることはよく知られた事実です。一方でそれらを合併した時、寿命がどうなるかについてはほとんど注目されてきませんでした。

相関グラフ

図1.アルツハイマー病の原因物質であるβアミロイドは肥満・糖尿病マウスにおいて寿命をさらに短くする

今回、国立長寿医療研究センター 認知症先進医療開発センター 分子基盤研究部の篠原室長、里部長のグループは大阪大学および理化学研究所との共同研究にて、肥満・糖尿病とアルツハイマー病の両方を持つマウスを作製し、アルツハイマー病の原因物質であるβアミロイドが肥満・糖尿病マウスにおいて寿命をさらに短くすることを証明しました(図1)

さらにそのメカニズムの詳細を調べました。脳には神経細胞のほかに、ミクログリアやアストロサイトといった細胞が存在します。ミクログリアは貪食作用を持った細胞で脳内のゴミを掃除します。肥満・糖尿病マウスではこのミクログリアの機能が低下していることが示唆されました。また、アストロサイトは神経細胞と協調しながら脳機能に関わり、また血管の細胞と一緒に血液脳関門を形成する重要な細胞です。肥満・糖尿病マウスの脳内にβアミロイドが加わると、アストロサイトを構成する細胞骨格の一つGFAPが増加しており、アストロサイトが反応性に活性化されることが示唆されました(図2)。GFAPはGlial Fibrillary acidic protein(グリア線維性酸性蛋白)の略でアストロサイトの細胞内に存在し、直径10nm程度の管腔構造を持つ細胞を支える支柱の構成成分です。このGFAPは従来より、加齢により増加することが知られていました。

GFAPグラフ

図2.肥満・糖尿病マウスの脳内にβアミロイドが加わると、アストロサイトを構成する細胞骨格の一つGFAPが増加する

加齢により増加するGFAPが「糖尿病とアルツハイマー病の合併」で増加することは興味深い結果と考えられます。今後は糖尿病とアルツハイマー病の合併で活性化されるアストロサイトの機能を探ることで健康寿命の延伸につながる可能性があると考えられます。

発表論文

お問い合わせ先

この研究に関すること

国立研究開発法人国立長寿医療研究センター
〒474-8511 愛知県大府市森岡町7丁目430番地
認知症先進医療開発センター 分子基盤研究部 部長 里 直行
Tel: 0562-46-2311(内線 6331) Fax: 0562-44-6597
Email: nsato@ncgg.go.jp

報道に関すること

国立研究開発法人国立長寿医療研究センター 総務係長 山田隆史
Tel: 0562-46-2311(内線4623) Fax:  0562-48-2373
Email: tayamada@ncgg.go.jp

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