アドバンス・ケア・プランニング(ACP)研究会


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在宅連携医療部

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アドバンス・ケア・プランニング(ACP)研究会設立主旨

 日本は現在、世界のどこも経験したことの無い超高齢社会に突入しています。超高齢者の疾患特性等により、これまでの「治す医療」から「治し支える医療」への転換が求められている中で、住み慣れた地域や在宅で最期を迎えるなど、ご自身の療養についての希望を持つ人も増えています。国内の動きを見ると、2007年に厚生労働省から「終末期医療(注:現在は「人生の最終段階における医療」)の決定プロセスのガイドライン」で、患者本人の意思が最大限尊重されることが明記されましたが、この一方で、日常臨床においては、「人」を支える姿勢やそのスキルについて、ほとんど蓄積がない状況といえます。

欧米やオーストラリアでは本人の意思尊重は現在、アドバンス・ケア・プランニング(ACP)の活動の中で守られています。ACPとは、意思決定能力低下に備えての対応プロセス全体を指します。このACPの活動は1995年頃から始まり、今ではこの活動は患者・家族双方にとって有益であるというエビデンスもDeteringらにより得られています。ただ、海外ではもともとの個人の人権に対する意識の違いや、整備されている法律環境の違い等がありますので、掲げる理想や理念はどんなにすばらしいものでも、そのままの形で国内に導入することは難しいと思われます。海外の活動を参考にしながらも、この日本で、プロセス重視の活動として、本人の意思を医療・介護現場でどのように確認していくのか、地域全体でどのように思いを共有していくのか、そもそもACPの定義も海外と同様で良いのか等、国内で現場での経験・知見を積み重ね、独自に検討を加えて行く必要があります。

 2014年度から厚生労働省人生の最終段階の医療にかかる医療体制整備事業が始まり、国立長寿医療研究センターが2015年度までの評価機関を務めました。この事業の研修ではACPの要素が多く取り入れられました。

今回、これまで厚労省事業に参画した医療機関の方々を中核に、今後の日本版ACPの実践のありかたの検討をはじめ、日本全国へのACPの普及啓発をも目指したACP研究会を立ち上げる運びとなりました。ACPは医療者のみならず、様々な専門職が関わり、本人の希望する人生を支え、かつ、そのような地域を作っていく活動です。

このような趣旨にご賛同いただき、アドバンス・ケア・プランニング研究会に入会いただきますようお願いいたします。

平成28年5月吉日
アドバンス・ケア・プランニング(ACP)研究会世話人代表
 三浦久幸