当研究所は平成7年に長寿医療研究センターとして開設され、さらに平成16年(旧)国立療養所中部病院とともに国立長寿医療センター(国立高度専門医療センター)として発展して参りましたが、平成22年4月1日に独立行政法人 国立長寿医療研究センターとして新たにスタートいたしました。 設立より今日に到るまで、当研究所は我が国唯一の長寿科学や老年学・老年医学に関する総合的・中核的な国立研究機関として、老化のメカニズムや認知症、骨粗鬆症、口腔歯科疾患等をはじめとして、老化に伴い発症する様々な疾患を対象とした病態解明と、治療・予防法の開発を行ってきました。 また老化の過程とその促進要因や抑制要因の解明を目的とした長寿縦断疫学研究、さらには高齢者の自立を支援し、生活機能の維持・向上を目指した総合的なQOLの向上のための研究など、幅広く取り組み国内はもとより国際的にも高い評価を得てきております。
平成22年4月に発足した独立行政法人 国立長寿医療研究センターではこれまでの研究実績をふまえ、新たな組織の再編と研究体制のより一層の効率化、集約化を目的とし主に以下のような研究領域を設定致しました。
1) 認知症に関する基礎的研究領域
2) 筋骨格系を中心とした運動器の機能や疾患に関する研究領域
3) 細胞老化を中心とする基礎的研究領域
4) 生活機能の賦活化、長寿政策科学及び長寿に関する医療工学的研究領域
5) 認知症の予防、診断、治療ならびにケアと自立支援の開発・研究を実施する「認知症
先進医療開発センター」の設置
さらに上記の研究領域に加え、今日の長寿科学の緊急に解決すべき研究課題にも対応すべくプロジェクト研究体制も新たに発足いたしました。 平成22年度は5課題を設定し、3〜5年で明確な成果を出すべく設計され、来年度以降も順次新規に課題を設定し適切な人材を活用して実施する予定となっております。
新たに独法化されたセンターでは、これまで以上に長寿科学研究の先駆的、先端的研究センターとして病院と研究所の連携を強化し、産官学の総合的研究プロジェクトを推進し、より明確な長寿医療のための研究や国の政策課題に対応できる体制を推進して参ります。 さらに、これらの研究は単に研究としての成果に終わるのではなく、広く国の政策課題に答え、国民の皆様の健康と福祉、そして高齢者医療に直接役立てるよう、成果の普及にも努めて参りたいと決意を新たにしております。
国立長寿医療研究センターの理念は、「高齢者の心を体の自立を促進し、健康長寿社会の構築に貢献する」ことです。そのために私共の全ての研究は高齢者の健康維持と自立の促進を計ることによってQOL(生活の質)の向上に貢献すべく全力を尽くして行われております。
現在の我が国は、高齢社会から超高齢社会へと急速に変化しつつありますが、当研究所が担うべき課題は山積しています。所員一同そのことを自覚しつつ日々高齢者のQOLの向上を目指した研究と、その成果の普及に努めるよう取り組んで参ります。 多くの方々のさらなる御支援と御協力をお願いし、新たにスタートいたしました研究所のご挨拶とさせて頂きます。
独立行政法人 国立長寿医療研究センター
研究所長 鈴木 隆雄