病院では、国立長寿医療研究センターの理念と研究成果の知識を臨床的に活かした医療を具体的に患者さんの医療サービスに提供することを使命としています。
このため
1)患者さん、ご家族、医療関係者がチームとなって医療を行います。
2)病気による生活のご不便を丁寧に聞き取り、病気の治療と同様に、自立した生活が持続できるように努めます。
3)今一番困っていること以外に日頃気になっている症状も、できるだけ短期間に診断と治療方針をお伝えします。
4)日常生活が不便になっても、利用できるサービスの情報を提供します。
5)健康長寿の持続のため、病気の予防に関する生活指導の情報を提供します。
6)これらを活かした長寿医療のパイオニアとして長寿社会の医療と福祉に貢献します。
さらに主な病気については
1)認知症は、歳のせいかどうかというごく軽いもの忘れが、このまま進まないか、予防はどうするのかといったご心配に、最先端の機器による診断を行い、家族教室で生活指導を行います。
少し進んだ認知症も、穏やかな生活ができるよう、生活の工夫と、それを手助けするお薬の組み合わせを考えます。
ご家庭だけで解決できない問題でも、介護保険によるデイケアや在宅系のサービスの特徴をお伝えし、安心の一助とします。
2)骨粗鬆症は、最初は無症状ですが、気がつくと背が低くなり、腰が曲がり、転びやすくなります。転倒すると20人に一人は骨折し、足の骨の付け根(大腿骨頸部)を骨折すると多くの方が寝たきりになり、平均7年しか生きられません。
このため、骨粗鬆症の予防・医療に力をいれます。
転倒予防のためには、日頃から、栄養・運動に親しむことが大切です。このための教室を開きます。転倒予防の筋力アップのためのノウハウも活かします。
3)最近痩せてきたというお年寄りは少なくありません。 歳のせいと思わず、消化器の検査と同時に、口の中に栄養不良の原因があることを知ってください。
内科(高齢者総合診療科、内分泌科)、消化器科及び歯科口腔外科の医師が相談にのります。
4)肺炎は高齢者の友というのは100年以上前からの格言です。
飲み込みが悪くむせることがあったり、風邪をこじらせたりする原因には、脳にかくれ脳梗塞があったり、栄養や免疫が低下していることが少なくありません。
医師(呼吸器科、歯科口腔外科など)が看護師、管理栄養士、臨床検査技師などと栄養サポートチームを組んで取り組みます。
5)足がむくみやすい、動悸がするなどの症状がなくても、心臓の病気がかくれていて、風邪を引いたときや疲労が重なったときに「心不全」として見つかることがあります。心臓の機能も少しでも心配ならいらしてください。
6)トイレが近く漏らしてしまうことがあるという場合、どうぞご相談ください。 排泄は、人間にとって最も大切なことです。水分の取り方、薬の飲み方からすべて相談して、解決の方法を考えます。
7)いろいろ心配ごとが多いがどこに最初にかかっていいか分からない方も安心です。外来の中で、総合相談のために医師が毎日対応します。さらに診察の順番を検査してから細かく決める方がよい場合には「高齢者総合外来」があります。
高齢者の医療・福祉は、我が国が世界に先駆けて開発した知識や制度も少なくありません。この発展には、日頃の皆様方からの「こんな風にしたらいいのに」とか「こんな治療があればいいのに」といった我々へのご意見が大変参考になります。患者さんやご家族とチームを組んで治療にあたり、一層の発展を目指したいと思います。
独立行政法人 国立長寿医療研究センター
病院長 鳥羽 研二