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フレイル研究部

サルコペニアに関するFAQ

Q1.「サルコペニア」ってなんですか?

加齢とともに骨格筋の筋肉量は減少し、筋力は低下します。ヒトの筋肉量は30歳代から年間1-2%ずつ減少し、80歳頃までに約30%の筋肉が失われるといわれています。このような骨格筋の筋肉量の減少は骨密度のように加齢とともに減少傾向を示しますが、個人差が大きいのが特徴です。高齢者においては筋肉量の減少がある一定レベル以上に進行すると身体機能が低下し、生活機能の低下、転倒、入院、死亡などのリスクが高まることが明らかになってきました。このような背景から1989年にRosenbergがサルコペニアという概念を提唱するに至りました。サルコペニアとは、ギリシャ語のsarx、peniaというそれぞれ筋肉、減少を意味する語を組み合わせることによりできた造語です。

骨格筋の筋肉量が低下すると、歩行速度や握力といった身体機能の低下に繋がります。つまり、歩行速度が遅い人のほうが、平均余命が短いという結果が分かってきました。握力についても同様です。したがって、筋肉量の減少だけでなく、それに伴う歩行速度の低下や握力など筋力低下がより重要と考えられています。このように現在サルコペニアは筋肉量の減少するとともに筋力低下や身体機能の低下を伴う状態と考えられています。

文責:国立長寿医療研究センター 荒井秀典

 

Q2.どのように診断するのですか?

欧州の研究グループにより、歩行速度、握力および筋肉量を指標としたサルコペニアの診断基準が提唱されました。しかしながら、欧米人の歩行速度、握力、筋肉量といった基準がアジア人にそのまま適用できるかどうかについては明らかではありません。欧米人とアジア人は体格も異なり、生活習慣も異なるからです。したがって、私たちはアジアでサルコペニアに関する研究を行っている研究者に集まっていただき、アジアのサルコペニア・ワーキンググループを作りました。そのワーキンググループにおいてアジア人のための診断基準を提唱しました。すなわち、アジアでの診断基準を作成したのは、筋肉量や握力に関してはそれぞれの地域、国におけるデータを元に決定すべきであるという考えに基づくものであります。以下の図に示すように、主な対象は65歳以上の高齢者となります。特定の疾患や治療により筋肉量が減少する場合もあります。

まずは歩行速度と握力を測定します。歩行速度は1秒間に0.8m以下のスピードでしか歩けないと歩行速度が低下していると判定されます(4mから5mの歩行で測定)。握力は男性26kg未満、女性18kg未満だと握力が低下していると判定されます。歩行速度か握力が低下している場合に、筋肉量を測定するのですが、筋肉量を測定する機械は大きな病院にしかないことが多いので、一般的には歩行速度か握力が低下している場合は、サルコペニアの疑いがあると考えていただいても結構です。

バイオインピーダンス法

文責:国立長寿医療研究センター 荒井秀典

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Q3.サルコペニアはどうして起きるのでしょう?

主な原因は加齢です。加齢による筋肉量減少のメカニズムは十分に明らかとなっていませんが、筋肉量は蛋白合成と分解のバランスにより決定されることが分かっていますので、タンパク質の分解のほうが合成よりも多くなれば、筋肉は徐々に減少します。タンパク質の合成には、アミノ酸、ビタミンDなどの栄養、運動、ホルモンなどが関係していると考えられています。

文責:国立長寿医療研究センター 荒井秀典

 

Q4.サルコペニアは治るのでしょうか?

サルコペニアの治療に関して承認されている薬剤は現在ありません。現時点で推奨される治療法は栄養および運動療法です。栄養に関してはビタミンDの補充および高タンパク食が推奨されています。日本人高齢者の平均蛋白質摂取量は0.8g/kg/日前後とされていますが、サルコペニアがある場合には1.2から1.5g/kg/日程度のタンパク質の摂取が必要とされています。

運動に関しては有酸素運動(歩行など)もレジスタンス運動(筋トレ)も筋肉量増加に効果があることが知られています。しかしながら、レジスタンス運動は筋疲労をもたらすため、高齢者においては週2-3回程度が望ましいでしょう。すなわち、歩行などの有酸素運動に加えて、レジスタンス運動を週2-3回実施し、さらに栄養療法と組み合わせれば、3ヶ月程度で筋肉量の増加が期待できます。

文責:国立長寿医療研究センター 荒井秀典

 

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