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No.15 仕事を続けて家庭円満!?

 最近、「ワーク・ファミリー・バランス」という言葉をよく耳にしませんか?「ワーク・ファミリー・バランス」とは仕事と家庭の両立をよりよく行うことです。以前は若い世代の「仕事と子育ての両立」という問題として取り上げられることが多かったのですが、最近では特に高齢世代の生きがいや心身の機能の維持という観点からも注目されるようになってきました。平成27年版高齢社会白書(2015)によりますと、近年、男性では60歳を過ぎても働く人が増えており、現在働いていない人でも60歳代では2~3割以上の人が働くことを希望しています。少子高齢化が進行する我が国において、元気な高齢者の方に長く働き続けてもらうことは、社会全体にとって今後ますます重要なこととなるでしょう。では、働く人にとって「働くこと」はどのような意味を持つのでしょうか。ここでは心理的な側面に注目してみましょう。「仕事は仕事、家庭は家庭」と別のものとして考えていらっしゃる方もあるかもしれませんが、実際には仕事と家庭生活は、物理的にも心理的にも、お互いに影響を与えています。

 

 NILS-LSAの第7次調査では、現在働いている1,351名を対象に「ワーク・ファミリー・バランス」の調査を行いました。その中では‘仕事が家庭生活に与えるプラスの影響’についても調べています。例えば、「仕事で知り合った人と家族ぐるみで付き合うようになり、楽しみが増えた」、「仕事でパソコンの使い方を覚え、家でもインターネットで役に立つ情報を探すことができるようになった」などです。下図に性・年代別に集計した結果を示します。

 

 「仕事から家庭へのプラスの影響」は40歳代よりも60歳代がより強く感じていて、男女とも中年期から高齢期になると仕事が家庭にとって役に立つという実感が高まっていることが分かります。つまり中年期では仕事が家庭生活に与えるプラスの面が認識しづらいけれども、次第にプラスの面が実感されるようになるといえます。すなわち、高齢期になっても働く意欲がある場合は、仕事を継続していることが家庭生活にとってもプラスの影響を持つこと、として実感されているようです。

 

図.性・年代別の仕事から家庭へのプラスの影響
注)n.s.; 有意な差があると言えない

 NILS-LSAでは‘仕事’と‘家庭’の両立について、今回お示しした‘プラスの影響’に加えて‘マイナスの影響’も含め、多様な視点から研究しています。ひきつづき続編としてご紹介したいと思いますので、どうぞご期待ください!

 


仕事をもつことによる家庭生活へのプラスの影響についても目を向けてみましょう!

<コラム担当:MT>

*このコラムの一部は、以下の研究成果として発表しています*
富田真紀子・西田裕紀子・丹下智香子・安藤富士子・下方浩史:中高年者のワーク・ファミリー・コンフリクトとファシリテーション、日本心理学会第76回大会、2012

 

 

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